NISHIYAMA OsamuDepartment of Medicine Associate Professor |
呼吸リハビリプログラムのなかで,運動療法は必須不可欠な項目であり,運動耐容能の改善やQOL(Quality of Life)の改善を目指している.しかしながら呼吸機能障害が高度な症例においては,運動療法の導入および遂行が困難な場合も多い.近年,慢性呼吸不全患者に非侵襲的陽圧換気法(noninvasive positive pressure ventilation: NPPV)が応用されているが,運動療法との関連では,運動療法中の換気補助目的にNPPVを装着する場合と,運動中ではなく夜間にNPPVを使う場合がある.今回,呼吸リハビリにおいて運動療法を行っていくうえでNPPVの併用について自験例を提示する.
在宅NPPV療法では,患者が自ら機器の操作,管理を行うため,高い自己管理能力が求められる.患者がコンプライアンスを維持するためには訪問看護による継続的な看護介入が必要と考える.
訪問看護では,患者の生活の場に立ち入ることにより,より個別的な生活に密着した問題解決方法が実践できる.また個別的なかかわりは,患者との距離を近づけ精神的支援を可能とする.これらのことから訪問看護は,チーム医療の一端として患者の在宅療養に密接にかかわり介入していくことで,在宅療養が困難と思われる患者であっても継続を可能にできることもある.しかし患者の高齢化で生活全般にわたり支援が必要なケースや,老人保健施設への入所困難など,訪問看護ではカバーできない問題もあり今後の課題と考える.