中條 和光; 山根 嵩史; 福屋 いずみ; 田中 光; 有馬 比呂志
日本教育心理学会総会発表論文集 日本教育心理学会 56 869 - 869 2014
新しい学習指導要領では,各教科において言語活動の充実が求められている。理科においては,教科書や資料等に図やグラフ,表のような非連続型テキストを含む"混成型テキスト"が多用されていることから,文章のみのテキストの読解とは異なる読解力の形成が求められると考えられる。本研究では,理科教員養成の観点から,理科の教科内容の混成型テキストを用い,理科教員を志望する学生とその他の教員志望の学生との比較を通して,理科教員志望学生の文章読解の実態及び読解指導に関する意識について調査を行うことを目的とする。そのために,山根他(2014,日本心理学会大会発表予定)の混成型テキストの読解方略尺度により読解中の方略使用を調べる。同尺度は(1)文章と視覚的情報の統合("図表と文章がどのように対応しているかを確認した"など), (2)大局的理解("説明文のテーマは何か意識した"など), (3)局所的注意("繰り返し出てくる専門用語に注意した"など), (4)読み速度や読み返しのコントロール("意味を正確に理解できるよう,なるべくゆっくり読んだ"など), (5)視覚的標識化("文章中の分かりづらい所に印をつけた"など), (6)図式化・イメージ化("分かりづらいところは図に書き直した"など)の6因子(方略)から構成されている。