星岳彦; 鈴木隆文; 梅田篤; 布施順也; 筒井宏明
植物工場学会誌 15 1 20 - 26 JAPANESE SOCIETY OF AGRICULTURAL, BIOLOGICAL AND ENVIRONMENTAL ENGINEERS AND SCIENTISTS 2003年03月
[査読有り] スプレーバラの切花生産施設の採花日より過去の日平均入力データと生産量との相関係数自乗値を用いて, 植物生産に影響を与える要因とその期間の解析を行なう専用ソフトウェアライブラリの開発を行なった.そして, その解析結果から位相事例ベースモデリングのソフトウェアを用いて, 生産予測を試み, 以下の結果を得た.<BR>(1) 解析によって, Table 2に示した4~6個の日生産量に関係する要因が選ばれた.供試した施設において, 品種リトルシルバーの日生産量は, 過去の生産量と室内気温で, 品種ファンタジーは, 過去の生産量, 日射量, 養液のEC, ロックウール培地温度, 外気温でほぼ説明できるという結果になった.<BR>(2) リトルシルバーについては, 日平均生産量62.9本day-1で, 絶対誤差±15.4本day<SUP>-1</SUP>, 相対誤差±28.5%で, ファンタジーについては, 日平均生産量73.9本day-1で, 絶対誤差±14.7本day<SUP>-1</SUP>, 相対誤差±23.2%で予測できた.<BR>(3) アプリケーションソフトウェアの開発を今後進めることにより, 生産者はこの方法を用いて, 自己の植物生産施設の解析結果から, 生産を制限している要因を考えたり, 各要因を調整することで生産の調節を行なって, 生産を有利に進めたりすることができるようになると考える.