岸本 一蔵 (キシモト イチゾウ)

  • 建築学部 建築学科  教授
Last Updated :2024/04/25

コミュニケーション情報 byコメンテータガイド

  • コメント

    コンクリート構造物の耐震性や耐久性を研究しています。今後は両者の境界領域が重要になると考えています。また、PC構造という特徴のあるコンクリート構造の研究も行っています。
  • 報道関連出演・掲載一覧

    <報道関連出演・掲載一覧> ●2018/6/19  読売テレビ「ミヤネ屋」  大阪北部地震で小学校のブロック塀が倒れた事故について

研究者情報

学位

  • 博士(工学)(大阪大学)
  • 工学修士(大阪大学)

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J-Global ID

研究キーワード

  • 建築構造工学   Architecture structural engineering   

現在の研究分野(キーワード)

    コンクリート構造物の耐震性や耐久性を研究しています。今後は両者の境界領域が重要になると考えています。また、PC構造という特徴のあるコンクリート構造の研究も行っています。

研究分野

  • 社会基盤(土木・建築・防災) / 建築構造、材料

経歴

  • 2011年04月 - 現在  近畿大学建築学部教授
  • 2006年06月 - 2011年03月  大阪大学大学院地球総合工学専攻准教授

所属学協会

  • プレストレストコンクリート技術協会   日本コンクリート工学協会   日本建築学会   Japan Concrete Institute   Architecture of Institute of JAPAN   

研究活動情報

論文

  • 菅原彬子; 平栗靖浩; 岸本一蔵
    日本建築学会構造系論文集 87 802 1093 - 1103 2022年12月 [査読有り]
  • 長崎県端島のRC建物の劣化状況調査(2020年度)
    豊嶋泰規; 上柏椋平; 堀本実歩; 岸本一蔵
    コンクリート工学年次論文報告集 43 2 2021年07月 [査読有り]
     
    2020年9月および11月にJCI技術委員会により長崎県端島(通称 軍艦島)の建物調査が行われた(JCI:危急存亡状態のコンクリート構造物対応委員会 委員長 東京工業大学 岩波光保 教授)。本報では,同調査で行った48,65号棟の2棟の劣化状態の調査結果について報告するとともに,当調査で用いている劣化判定指標の問題点について検討を行う。また,従来の目視調査に加えて打音検査を行い,部材内の鉄筋腐食状態を腐食に伴い発生するコンクリート内の空隙より判定することを試みた結果について報告する。
  • 鉄筋腐食によりせん断耐力が低下したRC梁部材の曲げせん断挙動
    今北美緑; 岸本一蔵; 内田将成
    コンクリート工学年次論文報告集 42 2 199 - 204 2020年07月 [査読有り]
  • 長崎県端島のRC建物(2号棟,31号棟)の劣化程度の調査
    豊嶋泰規; 岸本一蔵
    コンクリート工学年次論文報告集 42 2 1207 - 1212 2020年07月 [査読有り]
  • 熱間加工により定着部を形成した機械式定着筋の性能評価試験
    内田将成; 岸本一蔵; 小寺耕一郎
    コンクリート工学年次論文報告集 42 2 523 - 528 2020年07月 [査読有り]
  • 長崎県端島のRC 建物(48 号棟,65 号棟)の劣化程度の調査
    豊嶋泰規; 秋定幸起; 盛尾修平; 岸本一蔵
    コンクリート工学年次論文報告集 41 2 1363 - 1368 2019年 [査読有り]
  • 鉄筋が腐食したRC梁部材の曲げせん断挙動に関する実験的研究
    内田将成; 盛尾修平; 岸本一蔵
    コンクリート工学年次論文報告集 41 2 199 - 205 2019年 [査読有り]
  • プラットホームを模した床スラブの実大加力実験
    盛尾修平; 岸本一蔵; 福田圭祐; 坂岡和寛
    コンクリート工学年次論文報告集 40 2 397 - 402 2018年 [査読有り]
  • せい方向のせん断補強筋の付着を切ったRC梁部材の曲げせん断挙動
    増田 駿祐; 岸本 一蔵
    コンクリート工学年次論文報告集 39 2 169 - 174 2017年 [査読有り]
  • 長崎県端島のRC建物(48号棟,65号棟)のスラブの劣化程度の調査
    盛尾 修平; 岸本 一蔵
    コンクリート工学年次論文報告集 39 2 1231 - 1236 2017年 [査読有り]
  • コンクリート部材のせん断補強筋腐食がひび割れ幅に及ぼす影響について
    濱 茜; 岸本 一蔵
    コンクリート工学年次論文報告集 38 2 241 - 246 2016年 [査読有り]
  • 二方向の変形を考えた場合のPC柱断面の損傷程度に関する考察
    米澤 哲尚; 岸本 一蔵
    第24回プレストレストコンクリートの発展に関するシンポジウム論文集 2015年 [査読有り]
  • せん断補強筋の付着切れがRC梁部材の挙動に及ぼす影響
    増田 駿祐; 岸本 一蔵
    コンクリート工学年次論文報告集 37 2 217 - 222 2015年 [査読有り]
  • 長期間大気暴露された遠心力締固めコンクリート中の塩化物イオン濃度評価
    根岸 香織; 東 康弘; 澤田 孝; 岸本 一蔵
    第23回プレストレストコンクリートの発展に関するシンポジウム論文集 2014年 [査読有り]
  • こぶ付きスリーブ鋼管を用いた機械式定着の梁主筋定着性能に関する実験結果の考察
    石橋壇; 岸本一蔵; 益尾潔
    コンクリート工学年次論文報告集 36 2 181 - 186 2014年 [査読有り]
  • 685MPa級の高強度せん断補強筋を用いたRC梁の曲げせん断実験と実験結果の考察
    岸本 一蔵
    コンクリート工学年次論文報告集 35 2 211 - 216 2013年 [査読有り]
  • 鉄筋コンクリート柱部材の等価粘性減衰定数算定式
    米澤 哲尚; 岸本 一蔵
    コンクリート工学年次論文報告集 35 2 181 - 186 2013年 [査読有り]
  • 南口 真一; 岸本 一蔵
    日本建築学会構造系論文集 77 681 1709 - 1716 2012年11月 [査読有り]
     
    This paper proposed a formula for calculating the residual crack width for RC column members. From experimental study for RC column members under bending and shear force, we modeled strain distribution of main reinforcement at maximum displacement and unloaded. Based on an assumption that crack width is the cumulative sum of the main reinforcement strain, the reduction of crack width in unloading is calculated from that model. The maximum residual crack width is determined by taking away that reduction from the crack width at maximum displacement. The crack width valued from this method gave close agreement with experimental result, so the calculation formula is developed by the method. The residual crack widths calculated by this formula underestimate the results in experimental studies.
  • ひび割れを有する鉄筋コンクリート部材の腐食に関する実験的研究
    秋元 秀孝; 岸本 一蔵
    コンクリート工学年次論文報告集 34 1 1060 - 1065 2012年 [査読有り]
  • 曲げ変形が卓越するPC 部材の断面解析による性能評価
    狩野芳規; 河野進; 岸本一蔵
    コンクリート工学年次論文報告集 33 2 535 - 540 2011年 [査読有り]
  • 曲げせん断を受けるRC造柱の最大残留ひび割れ幅算定
    南口 真一; 増田 有佑; 岸本 一蔵
    コンクリート工学年次論文報告集 33 2 175 - 180 2011年 [査読有り]
  • 曲げとせん断を受けるRC 部材の曲げひび割れ発生位置に関する考察
    増田 有佑; 南口 真一; 岸本 一蔵
    コンクリート工学年次論文報告集 31 2 901 - 905 2010年 [査読有り]
  • 鋼床スラブを対象とした曲げひび割れ幅と鉄筋応力度の関係
    杉原 啓輔; 大野義照; 岸本 一蔵
    構造工学論文 55 165 - 170 2009年 [査読有り]

作品等

  • SB耐震杭工法に関する共同研究
    2000年

MISC

受賞

  • 2016年05月 プレストレストコンクリート工学協会 論文賞
     二方向の変形を考えた場合のPC柱断面の損傷度に関する考察 
    受賞者: 岸本 一藏
  • 2007年 プレストレストコンクリート工学協会 論文賞
     PC梁部材の残留変形率算定式 
    受賞者: 岸本 一藏
  • 2004年 コンクリート工学講演会年次論文奨励賞
     JPN
  • 2002年 コンクリート工学講演会年次論文奨励賞
     JPN
  • 1992年 日本材料学会論文賞
     JPN

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2016年05月 -2021年03月 
    代表者 : 青木 孝義; 長谷川 直司; 松田 浩; 湯淺 昇; 岸本 一蔵; 森田 千尋; 小椋 大輔; 濱崎 仁; 丸山 一平; 高橋 典之; 張 景耀
     
    歴史的建造物の調査研究を実施してオーセンティシティに必要な技術を整理し、3次元維持管理システムの構築、部材内部腐食状況の非接触による評価法の開発、微破壊試験法の標準化を行った。環境計測、実験により塩析出による材料の劣化機構を解明し、その抑制や表面保護を含む補修方法を提案した。構造実験、モニタリングにより、経済性能評価に基づく地震リスク解析手法を開発し、最適な構造補強法選択のガイドラインを作成した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2016年04月 -2017年03月 
    代表者 : 青木 孝義; 湯淺 昇; 岸本 一蔵; 濱崎 仁; 丸山 一平; 高橋 典之; 松井 智哉; 張 景耀
     
    ヨーロッパには、組積造やコンクリート造、鉄筋コンクリート造の文化遺産建築が数多く残っているが、材料の経年劣化や地震(古くは1755年のリスボン地震、近年では2009年と2016年のイタリア中部地震、2011年のスペイン南部地震)などの要因により、その構造的安定性が脅かされている。 本研究は、これら文化遺産建築を保護(予防保全)することを最終目的に、イタリア、スペイン、ポルトガルの研究者と北地中海地域における文化遺産建築を対象に、1)各種非破壊・微破壊検査技術適用による材料劣化調査と構造・振動調査、2)地震被害調査および被災地域における復興調査を実施し、3)温度、ひび割れ、傾斜や振動のモニタリングにより補強途中における構造的安定性と補強後の補強効果を検証することにより、4)文化遺産建築の有効な修復・補強方法、地震によるリスクから文化遺産建築を保護する方法、について調査・研究することを目的としている。 研究課題採択後、イタリア、スペイン、ポルトガルの研究者と、北地中海地域における具体的な調査研究対象文化遺産建築の選定と、具体的な調査に向けての最終調整をE-mailで行う一方で、国内の建築材料、建築構造の研究者で、具体的な調査時期、調査方針と調査項目に関する研究打合せを実施した。また、長期的な調査方針と調査時期に関する打合せを実施した。 しかし、基盤研究(S)の交付内定があったため、本研究課題はこの段階で廃止となった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2010年04月 -2014年03月 
    代表者 : 青木 孝義; 谷川 恭雄; 中埜 良昭; 湯浅 昇; 岸本 一蔵; 丸山 一平; 高橋 典之; 松井 智哉; 濱崎 仁; 迫田 丈志; 奥田 耕一郎
     
    本研究は、2009年にイタリアで発生した地震により被害を受けた文化遺産建築の被害調査を実施して、被害状況と応急処置方法を系統的に整理し、1970年代以降に文化遺産建築に対して行われたRC補強の効果を検証し、モニタリングにより補強前、補強途中の構造的安定性と補強後の補強効果を検証することにより、また、関連する国内外の文化遺産建築の調査を通して、文化遺産建築の有効な修復・補強方法、地震によるリスクから文化遺産建築を保護する方法に関する海外学術調査を実施したものである。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2009年 -2012年 
    代表者 : 倉本 洋; 眞田 靖士; 岸本 一蔵; 中川 隆夫; 松井 智哉; 秋田 知芳; 和泉 信之
     
    長期耐用型の新建築構造として提案されたCES(Concrete Encased Steel)合成構造の実用化を目的として、CES柱、スラブ付CES架構およびCES耐震壁の構造実験を実施し、何れにおいても損傷抑制効果に優れ、靭性に富む極めて耐震的な構造であることを明らかにした。また、構造性能評価に必要な諸耐力、変形能力および復元力特性モデルの評価法を実験結果に基づいて提案すると共に、限界耐力計算によるCES造建築物の構造性能評価法をまとめた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2009年 -2011年 
    代表者 : 岸本 一蔵; 大野 義照
     
    地震荷重をうけるコンクリート部材を対象に、地震後の残留ひび割れ幅を算定する手法を、実験的および解析的検討から考案し算定式としてまとめた。また、ひび割れ幅と鉄筋腐食の関連性について実験を行い、ひび割れ内部の塩化物イオン量および腐食程度とひび割れの関係について検討し、ひび割れ幅としては0.2mm程度が腐食程度の大小を決定する一つの目安となることを示した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2005年 -2006年 
    代表者 : 中塚 佶; 田坂 誠一; 岸本 一蔵
     
    近未来の地球の資源・環境を考えたとき、「ストックでありつつフローである建築」を実現することが不可欠と考えられる。本研究は、これまで等閑にされてきたPC鋼材の付着特性の活用(制御)によって、変形を指標とするこれからの性能評価型設計に適合するPCの新しい技術・設計法の創出を目指すもので、次の2つの目的をもつ。(1)高復元性・エネルギー吸収性を有するプレキャストコンクリートブロックによるリユース建築構造の開発。(2)付着特性がPC部材の構造特性におよぼす影響の解明。本研究で得られた主な結果を以下に示す。 (1)コンクリート構造部材をリユースする際に不可欠となる剥離性目地を開発し,その1面せん断試験から同目地が極めて良好な剥離性をもって,リユース性に優れていること、ならびに、せん断応力-ずれ変形特性におよぼす圧着応力,目地材強度,目地幅などの影響を調べ、同目地が実用的に十分なせん断強度を有していること、などを明らかにした。 (2)アンボンドPC鋼材圧着工法によって剥離性目地を介してコンクリートブロックを一体化し,エネルギー吸収用の鞘鋼管付き普通鉄筋によるダンパーディバイスを外付けしたPC梁部材に関する実験を行い以下の成果を得た。(a)柱スタブと接する第1ブロックは,部材角1.0%で材軸に沿う軽微なひび割れ,1.3%でコンクリートの圧壊が観察されたものの,3.3%の大変形に耐えた。無筋コンクリートの第2ブロックには新規のひび割れは全く発生しなかった。(b)プレストレッシング係数が0.85程度で、鞘鋼管付普通鉄筋を外付けしたプレキャストブロックPC梁は、大変形時でも零に近い変形にまで戻る高復元性と,5〜9%程度の等価粘性減衰定数となるエネルギー吸収能を示した。 (3)PC部材における鋼材とコンクリート間の付着程度が等価粘性減衰定数heqに及ぼす影響を鋼材量、鋼材配置位置など、付着以外の他の要因を含めて分割要素解析による検討を行い、その結果から、PC梁部材の等価粘性減衰定数算定式を導出した。同式により計算されるheqは実験値を概ね良好に、かつ安全側に評価することを確認した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2005年 -2006年 
    代表者 : 大野 義照; 中川 隆夫; 岸本 一蔵
     
    通常のコンクリートを用いる限りの鉄筋コンクリート(以下RCと略記する)部材における乾燥収縮によるひび割れの発生を防ぐことは困難であり、RC壁のひび割れ対策としては誘発目地による集中、または鉄筋による分散が図られている。また,コンクリートの乾燥収縮そのものを縮減する取り組みも行われている。しかし,適切な誘発目地間隔の計算や、鉄筋のひび割れ制御効果の定量的な予測、収縮低減の効果の定量的な評価が行えるまでには到っていない。その理由は、壁の収縮ひび割れの幅や本数を予測できないことにある。 本研究では鉄筋コンクリート部材において乾燥収縮の拘束によって生じるひび割れの幅と本数の予測法として、付着解析を用いた収束計算法を提案し、平成17-18年度は2つの実験を実施し、その適合性を確認した。 次にこの計算法を用いて、鉄筋比、鉄筋の径、コンクリート強度、乾燥収縮量などの要因のひび割れ幅と本数に及ぼす影響を調べ、その影響度合いを定式化して、簡単で実用的なひび割れ幅と本数の算定式を誘導した。 この式によって、鉄筋比や乾燥収縮量のひび割れ挙動に及ぼす影響の定量的な評価が可能となり、コンクリートの乾燥収縮低減によるひび割れ幅制御、鉄筋を用いたひび割れ分散によるひび割れ制御、および誘発目地を用いたひび割れ集中によるひび割れ制御を合理的に行うことができる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2002年 -2003年 
    代表者 : 岸本 一蔵
     
    (概要)・地震時における鉄筋コンクリート(以下RC)柱部材の損傷低減および、部材損傷領域の変形機構解明を目的として、魚形断面のRC柱部材に対し曲げせん断実験を行った。RC柱部材両端部に重度の横拘束補強(D6@17mm:補強位置については実験パラメータ)を施すことにより、部材の損傷領域を限定することの可能性について調べ、横拘束補強筋の配置と部材変形量と損傷の程度、変形機構との関係を検討した。新たな計測方法の試みとして、破壊の進展状況を高性能デジタルカメラにより撮影・計測した。 (経過・結果)平成14、15年年度に各6体の載荷実験を行った。平成14年度は、損傷予定領域の大きさ(重度の横拘束補強筋の配筋位置により決定される)を主パラメータ(100mm、150mm区間)とした(軸力比0.3)。その結果、(1)重度の横補強は、せん断ひび割れの進展を抑制する点では効果があるが、コンクリートを拘束することによる塑性ヒンジ発生位置を限定させる点においては効果がないこと、(2)重度の横補強筋の配置の有無にかかわらず、引張側に発生する主たるひび割れ本数は同じ(3本)であり、ヒンジ部の変形の5割以上がスタブ極近傍に発生するひび割れに起因する。事を明らかにした。平成15年度は、横補強筋の影響がより強く表れる高軸力の場合(軸力比0.5)の実験を行った。また重度の横補強筋の効果を明確に判定するため、ヒンジ発生予定領域の両側に配置される重度の横拘束補強筋の片側を除いた試験体についても実験した。その結果、(1)重度の横拘束補強筋の配置は、配置位置によらず部材変形角(R)1/50以下での部材曲げ挙動に影響を与えない。一方、R=1/50を超える終局域では、柱中央部寄り、およびスタブ側位置の両方に配置する場合にのみ、部材のスプリット、およびせん断ずれを防止し、靭性を向上させる効果がある。ことを明らかにした。
  • 損傷部を限定した鉄筋コンクリート柱部材の開発研究
    科学研究費補助金
    研究期間 : 2002年
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1999年 -2000年 
    代表者 : 中塚 佶; 岸本 一蔵; 荒木 秀夫
     
    本研究では,プレストレストコンクリート(PC)部材の終局状態および耐荷・変形機構に関係する素材構成則,すなわち,(1)PC鋼材の繰り返し応力-ひずみ関係モデル,(2)せん断力と圧縮力を受けるコンファインドコンクリートの応力-ひずみ特性,ならびにPC鋼材とコンクリートの付着がPC部材の曲げ性能におよぼす影響について調べ以下のような成果を得た。 1)高周波焼入焼戻しによるPC鋼棒,ストレッチとブルーイングによるPC鋼棒およびPCより線の各種繰り返し載荷実験を行った。従前のRamberg-Osgood式と異なり,応力がひずみの関数で使いやすいMenegoto-Pinto式による繰り返し履歴モデルを提案し,さらに同モデルはこれまで適合性が全く検討されていなかったランダム載荷時の実験結果にも良好に適合することを示した。 2)曲げモーメントとせん断力をうけるコンクリート部材の終局状態と密接に関係するにも関わらず,これまで全く検討されていなかった,せん断力下で圧縮力をうけるときの圧縮応力-ひずみ関係は,せん断力が大きいほど,剛性,圧縮強度およびその時のひずみが小さくなった。また,高圧縮応力下ではせん断力が増加せず一定な場合でも,圧縮力の増加に対してせん断変形を生ずる,ことなどが分かった。 3)プレストレスト(鉄筋)コンクリート梁断面の終局曲げ耐力をより精度良く算定するために不可欠な,PC鋼材-コンクリート間の付着劣化の程度を表すひずみ適合係数(F値)を,部材軸方向に分割した梁の各ブロックにおいて,PC鋼材-コンクリート間の付着応力度-すべり量関係を考慮した曲げ解析(分割要素法)を行うことにより,PC鋼材種や鋼材径,グラウト強度等が変わる場合について具体的に誘導した。
  • 平鋼板を用いたコンクリート充填鋼管杭の開発
    官民連帯共同研究
    研究期間 : 2000年
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1996年 -1997年 
    代表者 : 藤井 栄; 佐藤 裕一; 岸本 一蔵; 近藤 吾郎
     
    研究期間を通じて得られた主要な研究成果は以下の通りである。 1.各種形状の接合部せん断耐力の評価 実験的手法により十字型、ト字型、L字型・T字型接合部のせん断耐力の相違を明らかにした。定着が十分な場合にはT字型はL字型と同じ評価が出来る。L字型は正負で異なり正載荷時にはT字型にはほぼ等しく負載荷時は正載荷時の60%程度の耐力になる。せん断耐力は定着詳細に大きく支配され、機械式定着の場合の留意点を指摘した。 2.隅柱・梁接合部の二方向載荷時のせん断耐力 隅柱・梁接合部の二軸せん断破壊曲線はほぼ円弧で安全側に評価できることを明らかにした。同時に出隅部の柱筋の曲げ抵抗寄与が大幅に低下することを指摘した。 3.十字型柱・梁接合部のせん断強度の統計的分析 既往の内外の柱・梁接合部に関する試験体332体のデータベース分析を行った。接合部せん断強度はコンクリート強度の0.712乗に比例する式で表現できること、架構としての靭性能(塑性率)を接合部のせん断余裕度の関数で表わして架構の変形態に応じた接合部せん断設計法を提案した。 4.架構の履歴特性が地震応答に及ぼす影響に関する解析 種々の履歴特性に対する1質点系非線形地震応答解析を実施し、スリップ型履歴特性の許容される範囲について検討した。より実状に近い履歴特性モデル化の必要性、入力地震波の特性との関係について、今後検討を要することを指摘した。 5.高強度鉄筋を用いた骨組の接合部の耐力と変形性能の改善に関する実験 簡易な添え筋によるヒンジ移動効果によって接合部のせん断劣化、付着劣化制御が可能であることを実験的に検証した。 当初の解析的な検討を主とする計画から一部変更して、より具体的な設計資料を得るための研究を付加し、接合部のせん断、付着、定着設計の基本要件についての提言を行った。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1996年 -1996年 
    代表者 : 岸本 一蔵
     
    現行設計法に準拠して設計されたPC骨組構造について、柱・梁断面の曲げ耐力に着目した検討を行い、同構造の基本的な特性について明かにしようとした。具体的には、PC骨組モデルを設計ルート3aに基づき試設計し、(1)設計用応力(モーメント)に占める長期、不静定、地震時の各応力の割合を調べ、不静定応力、長期荷重時応力が断面決定にどの程度影響しているかを調べ、(2)設計された部材の終局曲げ耐力が、設計用応力に対しどの程度の余裕が存在するかを調べ、そのデータを基にPC骨組構造の崩壊機構に対する考察を行った。 上記(1)の検討結果より、スパン長が大きい建物程、設計用応力に占める長期荷重による応力の影響は大きくなり、15mのスパン長の建物では、同応力は地震荷重による応力の25%程度であるのに対し、25mのスパン長の建物では50〜100%程度と非常に大きくなるということ、また不静定応力の値は、長期荷重による応力の30〜70%程度の値であることを定量的に示した。 (2)の検討結果から、PC構造の長期荷重が大きいという特徴に起因して、層方向に耐力分布を考えた場合、耐力の低い層(弱層)が存在することを明らかにした。弱層の位置は、スパン長が大きい建物では下層へ移動し、静的漸増荷重解析では、弱層での変形量は他の層に比べて著しいことを示した。
  • 終局強度設計法による試設計PCフレーム構造の耐震性能について
    その他の研究制度
    研究期間 : 1995年
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1993年 -1993年 
    代表者 : 岸本 一蔵
     
    本研究の対象としたフレーム構造形式は、プレストレストコンクリート(PC)フレーム構造体とした。これは、PCフレーム構造体において、RC構造の終局強度型設計法として提案されている梁崩壊による全体崩壊型の形成を保証することが困難な場合が多く、既往の研究の数も少ないことによる。 フレームの設計は、日本建築学会より示された『保有水平耐力に基づいたPC建物の終局強度型耐震設計』で提案されている『一般靱性骨組み建物』の設計法(この設計法で設計された建物がどの様な耐震性能を有しているかについては殆ど研究がなされていない)に準拠し、実務的に試設計を行った。これにより、解析的研究が陥りやすい"悲現実的な条件設定の危惧"を払拭できたものと考えている。 同試設計建物を静的、動的に解析することにより、『一般靱性骨組み建物』の設計法が有する様々な特徴を確認することが出来た。大まかな結論としては、同設計法が提案するように設計用ベースシア係数を(全体崩壊機構を形成する建物よりも)大きく設定するよりも、柱の耐力を割ります形で設計を行う方がよりよい設計となることが確認できた。 本研究は未だ始まったばかりであり、研究を進めるにつれて多くの問題点が明らかになってきている。よって当初予定してたスケジュールでは研究は進んでいないが、非常に興味深い研究であり、現在勢力的に研究を進行している。
  • Development of Concrete Filled Tube Pile using Flat Steel Plates
    The Other Research Programs
  • Seismic Resistant Design of Reinforced Concrete Beam-Column Joints
    The Other Research Programs
  • Earthquake resistance characteristics of PC frame structure based on ultimate strength design
    The Other Research Programs

その他のリンク

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