白水 士郎 (シロウズ シロウ)

  • 文芸学部 文化・歴史学科 准教授
Last Updated :2024/03/24

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    哲学・倫理学の立場から自然保護を論じています。欧米の環境思想だけではなく、日本における里山保全や食害の実態、食を通じた社会・自然とのかかわり、といったテーマも扱っています。

研究者情報

学位

  • 修士(文学)(1992年03月 京都大学)

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科研費研究者番号

  • 10319759

J-Global ID

現在の研究分野(キーワード)

    哲学・倫理学の立場から自然保護を論じています。欧米の環境思想だけではなく、日本における里山保全や食害の実態、食を通じた社会・自然とのかかわり、といったテーマも扱っています。

研究分野

  • 人文・社会 / 哲学、倫理学 / 現代倫理学、環境倫理学、生命倫理学

研究活動情報

書籍

  • 岡本, 裕一朗; 田中, 朋弘 (担当:共訳範囲:第14章~第16章)アンドリュー・ライト; エリック・カッツ 慶應義塾大学出版会 2019年09月 ISBN: 9784766426120 iv, 451p
  • 鬼頭, 秀一; 福永, 真弓 (担当:分担執筆範囲:第3章「生命・殺生―肉食の倫理、菜食の論理」)東京大学出版会 2009年12月 ISBN: 9784130623117 ix, 287p
  • 丸山, 徳次; 越智, 貢 (担当:分担執筆範囲:II-5「環境プラグマティズムと新たな環境倫理学の使命」)岩波書店 2004年05月 ISBN: 4000267159 284
  • 大越, 愛子; 清, 真人; 山下, 雅之 (担当:分担執筆範囲:1-3「食から考える環境と倫理」)晃洋書房 2004年02月 ISBN: 4771015201 202
  • 大越, 愛子; 堀田, 美保 (担当:分担執筆範囲:1-3「自然の何を、どう守るのか ー「環境倫理」という問題ー」)晃洋書房 2001年05月 ISBN: 4771012652 204

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2011年04月 -2014年03月 
    代表者 : 池上 甲一; 山尾 政博; 辻村 英之; 坂田 裕輔; 鶴田 格; 鈴木 紀; 白水 士郎; 西山 未真; 山森 亮
     
    フェアトレードは、小生産者が貧困を抜け出し、社会経済的に自立しようとする試みを支援しようとする取り組みで、商品の最低価格制度と社会開発プレミアムの提供を基本的な柱とする。本研究は、そのようなフェアトレードを「徳の経済」の流れのなかに位置づけ、その思想的・理論的根拠を明確にするとともに、フェアトレードが地域社会や人びとにもたらす直接的、間接的な効果をプラス、マイナスの両面から評価すること、さらに、フェアトレードの成立に不可欠な「自覚した消費者」の条件を解明することを目指した。具体的な成果は英文および和文の報告書として公刊した。後日、オルタトレードトレード研究会のHPにアップする予定である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 鬼頭 秀一; 竹之内 裕文; 森岡 正博; 白水 士郎; 福永 真弓; 桝潟 俊子; 澤登 早苗; 丸山 康司; 日鷹 一雅; 富田 涼都; 桐原 健真; 篠田 真理子; 関 礼子; 石原 明子; 佐治 靖; 折戸 えとな; 岩佐 礼子
     
    福島第一原発事故を原因とする放射性物質の汚染は、農の本質的な破壊をもたらした。特に、有機農家にとっては、生産者と消費者との関係の変化を見直しを迫られ、生産者と消費者における農の違いというものを照射することとなった。農の問題は人が生きるということ密接に関連しており、単なる食料生産に限定されない。放射線被曝下における植物工場は、純粋な形の食糧生産システムとしての農の象徴である。このことは、対極となる倫理的実践としての農ということがあぶり出されてくる。すまう土地に根ざすということに重要な本質がある。農は、生命倫理と環境倫理の統合という枠組みの中にとらえることが出来、well-being他者とともにすまうということにも関連している。3.11以後の復興において農の営みが再考されている。遊び仕事も含めた非貨幣的な経済の存在の重要さが明らかになった。福島における、農の被害もより広範な営みとして捕らえる視点が必要であり、「農」の本質がここにあることが明らかになった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2008年 -2011年 
    代表者 : 大越 愛子; 井桁 碧; 白水 士郎; 森岡 正博
     
    社会や技術の変化と進展に伴って、特に生殖をめぐる旧来の法・制度の限界が明確に意識されつつある中、本研究では後者の本質を生殖と身体をめぐる「自然主義」と特徴づけ、フェミニズム理論から代理母出産等の環実問題、過去の国家政策に至るまで、広範な領域における「自然」概念の検証・批判と、今後に向けた課題の整理を行った、最終年度にその成果を、研究分担者・連携者を中心とした6名の寄稿者による論文集として印刷・配布を行った。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2006年 -2008年 
    代表者 : 鬼頭 秀一; 丸山 康司; 佐藤 哲; 井上 有一; 池田 啓; 桑子 敏雄; 丸山 徳次; 白水 士郎; 森岡 正博; 蔵田 伸雄; 松田 裕之; 瀬戸口 明久; 立澤 史郎; 福永 真弓; 吉永 明弘; 富田 涼都; 安田 章人; 二宮 咲子; 森岡 正博; 松田 裕之
     
    生物多様性保全と自然再生の理念は、地域社会の文化や社会のあり方と密接に結びついており、そのようなものを統合した「地域再生」の理念と深い関係がある。そのため、自然と社会や文化の入れ子状態の中で、「サステイナビリティ」などの自然にかかわる理念も社会や文化の理念から再定義されなければならない。そのようなことを実践的に可能にするための人材育成のあり方を実践的に提示するとともに、生物多様性保全や自然再生が、治水や災害などの問題も含めた包括的な環境や社会のあり方、さらには、エネルギーや脱炭素化社会の構築にも展開できる社会的な論理を提示した。『環境倫理学』(東京大学出版会)を出版してその成果の内容を提示した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2002年 -2004年 
    代表者 : 白水 士郎
     
    本研究の最終年度に当たっては、当初の計画通り、欧米の環境倫理学のサーヴェイを継続しながらそれを日本における理論・実践に架橋する、という研究目的に沿った成果を一般書に論文として発表することができた(裏面)。「環境プラグマティズムと新たな環境倫理学の使命-「自然の権利」と「里山」の再解釈に向けて-」と題されたその論文のまず前半では、純理論的な論争に終始しがちであった環境倫理学に対するアンチテーゼとしての環境プラグマティズムの主張・立場をコンパクトに紹介した。理論や原理をあくまで実践や問題解決の次元に定位して評価し活用する、というその基本主張は、日本での環境をめぐる様々な言説や活動にとって有益なものたりうるばかりでなく、すでにそうした姿勢に沿った理論・実践は日本に見出すことさえできる。その点を具体的に、「自然の権利」訴訟や「里山」保全をめぐる運動や言説に即して論じたのが同論文の後半の主旨である。単なる「応用」を越えた日本独自の、しかし決して単に思弁的でも復古的でもない環境倫理学の新しい方向性を探求しそれを世に問う、という本研究の最大の主旨はこの論文の発表によって一定果たされたものと考える。付随的に同論文が収められた書籍で、日本・世界の主要な環境問題・環境倫理の展開を年表化する作業にも携わったが、日本と海外の理論・実践を常に対照において考究してきた本研究の成果を、より一般にも利用しやすい形で発表することができたと考える。 3回にわたるの学会・セミナー・シンポジウム・実地見学会への参加によって、とりわけ里山や日本・世界の保全活動をめぐる現状と諸問題に触れられたことは、さらに上記の研究を現実の問題解決へと資するという課題に直面させられた。それは研究期間終了後に本研究者に継続的に課せられてた課題である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2001年 -2003年 
    代表者 : 大越 愛子; 白水 士郎; 岡野 治子; 井桁 碧
     
    私たちの研究の第一の目的は、近代日本の共同体思想を本質主義的に捉えるのではなく、それを構成している諸要因から構造論的に分析することにあった。これらの諸要因のなかで、私たちは宗教、習俗一般、優生思想、ジェンダー思想に焦点を絞った。 さらにその分析において、異なった共同体の歴史・慣習・規範意識と比較対照することも,相対化の視座を得るために必須の課題であった。研究期間中に私たちは国境を超えて、特にアジアの学者、研究者たちとのコンタクトに努力した。幸いなことに、韓国からは金成禮・西江大学教授等の研究者たちが私たちのプロジェクトに協力し、ジェンダー観点から共同体一般に内在する暴力の問題を提起してくれた。またアメリカからは、チョー=カー=キョング・ニューヨーク州立大学教授をお招きして、トランスナショナルな視点から日本の代表的な哲学者・倫理学者、和辻哲郎について講演と討論の機会を持って頂いた。彼らとの討論・交流から我々は、ポストコロニアルの視点からの共同体論、というものの可能性を示唆された。 日本の優秀な研究者たちからも、私たちの研究計画に対する協力・貢献が得られたのは幸運なことであった。川村邦光・大阪大学教授からは目本の伝統的な弔いの様式について、田中雅一・京大人文研教授からはインド祉会に現存する宗教儀礼とジェンダーの問題についてレクチャーを受けた。そこからは、近現代においても共同体の維持に宗教的儀礼が果たしている大きな役割が、再認識された。 沖縄で開催した公開研究会は、「日本」的共同体の成立と現状を相対化する上で、極めて大きな意義を持つ機会となった。研究発表と討論を依頼した大学研究者からだけではなく、特に現地の女性グループとの討論を通して、私たちは沖縄と「日本」の共同体をジェンダーの観点から比較対照する当初の意図を越えて、世界の様々なマイノリティの視点からの複合文化論的アプローチの必要性を痛感することとなった。 以上のような収穫と新たな問題意識を携えて、大越と井桁は最後年度に、トルコで開催された世界哲学会議の部会・フォーラムに参加し、特にイスラム諸国の学者たちと活発に討論を交わした。イスラム的な共同体思想との新たな対峙から、私たちは日本的共同体の西洋化=近代化、そしてポストモダン段階への「成熟」の、おそらく性急すぎる移行とそこに潜む問題点について、認識を新たにさせられた。 3年間の耕究を通して、近代日本の共同体思想をジェンダー視点および世界的視野の下で解明する取り組みから、特にアジアにおけるジェンダー化された「日本的主体」の形成の問題、がより具体的に把握されてきたのが、大きな成果であった。この成果を引き継ぎ、なおアジアという文脈でこの問題を追究し続けることが、研究代表者と各研究分担者に課せられている。

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