熊本 理抄(クマモト リサ)
人権問題研究所 | 教授 |
Last Updated :2024/09/14
■教員コメント
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マイノリティ女性の人権課題と社会運動について研究しています。特に、ジェンダーとレイシズムの交差性、マイノリティ女性の主体性形成に関心があります。
■研究者基本情報
J-Global ID
研究キーワード
- Racism 社会運動 主体性 intersectionality 複合差別 マイノリティ女性 部落問題 ジェンダー マイノリティ まちづくり 同和教育・人権教育 ひとり親家族 人権
現在の研究分野(キーワード)
マイノリティ女性の人権課題と社会運動について研究しています。特に、ジェンダーとレイシズムの交差性、マイノリティ女性の主体性形成に関心があります。
■経歴
委員歴
- 2021年06月 - 現在 一般財団法人大阪府人権協会 理事
- 2021年06月 - 現在 東大阪市男女共同参画審議会 委員
- 2021年04月 - 現在 尼崎市立地域総合センター運営審議会 委員
- 2018年04月 - 現在 社会文化学会 年報編集委員
- 2017年07月 - 現在 東大阪市在宅保健医療福祉サービス調整会議 委員
- 2016年04月 - 現在 大阪府公正採用・雇用促進会議 委員
- 2014年07月 - 現在 茨木市人権尊重のまちづくり審議会 副会長
- 2018年06月 - 2021年03月 八尾市総合計画審議会 委員
- 2019年02月 - 2021年02月 門真市人権尊重のまちづくり審議会 委員
- 2014年05月 - 2018年04月 大阪府個人情報保護審議会 委員
■研究活動情報
論文
- 人権問題研究所紀要 38 35 - 108 2024年03月
- 「部落差別の現代的位相と若者の意識」調査報告 41 - 64 大阪公立大学 人権問題研究センター 2023年09月
- 熊本 理抄現代思想 50 5 147 - 158 2022年05月
- 熊本理抄人権問題研究所紀要 (34) 29 - 90 2021年03月
- 熊本理抄人権問題研究所紀要 34 35 - 63 2020年03月
- 熊本 理抄人権問題研究所紀要 33 53 - 67 2019年03月
- 熊本 理抄人権問題研究所紀要 32 49 - 103 2018年03月
- 熊本 理抄部落解放研究 207 60 - 83 2017年11月
- 熊本 理抄人権問題研究所紀要 30 55 - 92 近畿大学人権問題研究所 2016年03月
- 熊本 理抄; Kumamoto Risa人文学論集 34 37 - 73 大阪府立大学人文学会 2016年03月 [査読有り]
- 熊本 理抄部落解放研究 203 67 - 93 2015年10月
- 熊本 理抄部落解放研究 203 43 - 66 部落解放・人権研究所 2015年10月
- 熊本 理抄人権問題研究所紀要 29 21 - 56 近畿大学人権問題研究所 2015年03月
- 熊本 理抄近畿大学人権問題研究所紀要 28 28 61 - 99 近畿大学人権問題研究所 2014年03月本稿は、科学研究費補助金研究分担金(基盤研究(C):課題番号22530651、代表:桔川純子)の研究成果の一部に基づいている。
- 熊本 理抄今日の被差別部落におけるひとり親家族の生活実態調査 118 - 156 2013年12月
- 熊本 理抄今日の被差別部落におけるひとり親家族の生活実態調査 79 - 117 2013年12月
- 九州の大学における同和教育―同和教育開講に至る経緯からみた今後の課題熊本 理抄世界人権問題研究センター研究紀要 18 375 - 403 世界人権問題研究センター 2013年04月
- 熊本 理抄人権問題研究資料 27 45 - 72 近畿大学人権問題研究所 2013年03月
- 熊本 理抄人権問題研究所紀要 26 43 - 80 近畿大学人権問題研究所 2012年03月本稿は、科学研究費補助金研究分担金(基盤研究(C):課題番号22530651、代表:桔川純子)の研究成果の一部に基づいている。
- 大学における同和教育―取り組みの歴史から見えてくる課題熊本 理抄人権問題研究所紀要 24 71 - 83 近畿大学人権問題研究所 2010年03月
- エンパワーメント概念の含意と有効性に関する検証―マイノリティの視点からの「共同体」再生に向けた今日的課題熊本 理抄社会文化研究 10 34 - 57 社会文化学会 2008年03月 [査読有り]
- 熊本 理抄人権問題研究所紀要 20 95 - 114 近畿大学人権問題研究所 2006年03月
- マイノリティ女性と「共同体」熊本 理抄近代日本の共同体思想をジェンダーから解明する 45 - 55 2004年03月
- 熊本 理抄人権問題研究資料 18 18 49 - 69 近畿大学 2004年
- 熊本 理抄人権問題研究資料 17 17 39 - 73 近畿大学 2003年
MISC
- 風間孝; 堀江有里; 釜野さおり; 熊本理抄; 水野英莉 2023年01月
- 熊本 理抄 人文学論集 40 133 -139 2022年03月 [査読有り]
- 熊本 理抄 シモーヌ = Les Simones : 雑誌感覚で読めるフェミニズム入門ブック / シモーヌ編集部 編 5 81 -86 2021年11月
- 熊本, 理抄 近畿大学教育論叢 = The Research Journal of the Teacher Education Department Kindai University 33 (1) 139 -172 2021年09月
- 部落差別解消や人権問題の解決に資する相談熊本理抄 隣保館相談白書―隣保館を軸にした相談機能のあり方に関する研究会報告書 48 -62 2020年03月
- 障害者の人権をめぐる近畿大学学生の意識に関する分析熊本理抄 2019年度近畿大学学生人権意識調査報告書(障害者問題編) 25 -45 2020年03月
- 被差別マイノリティ女性の抱える複合的な困難への支援熊本理抄 ヒューマンライツ (383) 18 -24 2020年02月
- 支援者からみる東淀川区学習支援事業の意義と課題―ヒアリング調査報告熊本理抄 大阪市東淀川区役所学習支援事業東淀川区中学生勉強会事業報告書 49 -89 2019年03月
- 被差別部落女性の主体性と複合差別熊本 理抄 部落解放研究くまもと (77) 124 -164 2019年03月
- ハラスメントに関する近畿大学学生の意識熊本 理抄 2018年度近畿大学学生人権意識調査報告書(ハラスメント問題編) 45 -68 2019年03月
- 内田 龍史; 熊本 理抄; 矢野 治世美; 李 嘉永; 棚田 洋平 部落解放 (766) 72 -87 2018年12月
- 隣保館の居場所と出番、隣保館での居場所と出番熊本 理抄 ヒューマンライツ 366 60 -61 2018年09月
- インド訪問記―ダリット女性にとってのコミュニティ熊本 理抄 解放新聞 (2858) 5 2018年05月
- インド―ダリット女性の権利運動熊本 理抄 部落解放 (757) 56 -57 2018年05月
- ダリット女性と部落女性の挑戦熊本 理抄 IMADR通信 (195) 2 -3 2018年
- 熊本 理抄 人権問題研究所紀要 (31) 55 -80 2017年03月
- 熊本 理抄 2014年度近畿大学学生人権意識調査報告書(ジェンダー編) 62 -88 2017年03月
- 熊本 理抄 ひょうご部落解放 157 (157) 30 -45 2015年06月
- 男女平等な社会を形成する力を育むために―「大阪の子どもたち2013 アンケート調査」集計結果熊本 理抄 大阪の子どもたち―子どもの生活白書2014年度版 21 -58 2015年03月
- 第5章 人権法令等の知識熊本 理抄 若者の共生意識調査報告書 59 -69 2015年03月
- 第9章 マイノリティとの接触経験熊本 理抄 若者の共生意識調査報告書 116 -122 2015年03月
- 熊本 理抄 2014年度近畿大学学生人権意識調査報告書(外国人の人権編) 20 -43 2015年03月
- 熊本 理抄 部落解放 (697) 37 -45 2014年08月
- 障害のある人とない人の共生社会に向けた課題‐近畿大学学生の共生意識の現状から熊本 理抄 2013年度近畿大学学生人権意識調査報告書(障害者問題編) 26 -43 2014年03月
- 子どもたちの今VOL.9熊本 理抄 大阪の子どもたち‐子どもたちの生活白書2013年度版 23 -61 2014年03月
- 熊本 理抄 近畿大学人権問題研究所紀要 28 (28) 101 -103 2014年03月
- 熊本 理抄 部落解放 (689) 43 -51 2014年02月
- 熊本 理抄 大阪の子どもたち : 子どもの生活白書 21 -58 2014年
- ハラスメントに関する近畿大学学生の意識と実態北口 末広; 熊本 理抄 2012年度近畿大学学生人権意識調査報告書(ハラスメント問題編) 46 -59 2013年04月
- PSに求められる専門性熊本 理抄 箕面市パーソナル・サポート・サービス評価・検証報告書 87 -103 2013年03月
- 熊本 理抄 福祉社会学研究 (9) 178 -182 2012年05月
- 熊本 理抄 2011年度近畿大学学生の人権意識調査報告書(ハンセン病問題並びにHIV問題) 86 -105 2012年03月
- 労働・暴力・マイノリティ―女性をとりまく現状と課題熊本 理抄 人権啓発資料 (49) 1 -48 2011年07月
- 阿久澤 麻理子; 内田 龍史; 熊本 理抄 ヒューマンライツ (276) 38 -47 2011年03月
- 熊本 理抄 人権問題研究所紀要 (25) 31 -40 2011年03月
- 熊本 理抄 2010年度近畿大学学生の人権意識調査報告書(ジェンダー編) 54 -81 2011年03月
- 大学における同和教育:教育・運動・研究の課題と展望熊本 理抄 リベラシオン―人権研究ふくおか (141) 48 -59 2011年03月
- 熊本 理抄 ヒューマンライツ (270) 46 -51 2010年09月
- 分断と対立を乗り越えるために熊本 理抄 ヒューマンライツ (270) 46 -51 2010年09月
- 熊本 理抄 ヒューマンライツ (266) 34 -39 2010年05月
- 大学における、これからの同和・人権教育、研究のために―若手研究者が先輩研究者に学び・考える 第4回内田雄造先生熊本 理抄 ヒューマンライツ (266) 34 -39 2010年05月
- 熊本 理抄 2009年度近畿大学学生の人権意識調査報告書(分析編) 8 -20 2010年05月
- 熊本 理抄 ヒューマンライツ (265) 36 -41 2010年04月
- 大学における、これからの同和・人権教育、研究のために―若手研究者が先輩研究者に学び・考える 第5回川向秀武先生熊本 理抄 ヒューマンライツ (265) 36 -41 2010年04月
- 竹本 貞雄; 森木 和美; 熊本 理抄 ひょうご部落解放 138 14 -45 2010年
- 熊本 理抄 じんけん (341) 25 -32 2009年09月
- 熊本 理抄 じんけん (337) 38 -43 2009年05月
- 大学における学生相談の取り組み(1)障害学生支援熊本 理抄 人権問題研究所紀要 (23) 79 -119 2009年03月
- 熊本 理抄 じんけん (333) 48 -54 2009年01月
- ジェンダーの視点から部落問題を考える熊本 理抄 「部落問題の今」をめぐる若手研究者の国際ワークショップとシンポジウム報告書 173 -188 2008年11月
- 熊本 理抄 じんけん (329) 36 -41 2008年09月
- 熊本 理抄 じんけん (325) 38 -46 2008年05月
- 熊本 理抄 リベラシオン (128) 33 -44 2007年12月
- 熊本 理抄 人権問題研究所紀要 (21) 83 -91 2007年03月
- 書評 Edited by Louis A. Castenell & Jill M. Tarule, The Minority Voice in Educational Reform: An Analysis by Minority and Women College of Education Deans熊本 理抄 人権問題研究資料 (19) 69 -80 2005年03月
- 熊本 理抄 混沌 (2) 183 -187 2005年02月
- 熊本 理抄 部落解放 (511) 29 -39 2003年01月
- 部落解放運動とジェンダー熊本 理抄 部落解放 (511) 29 -39 2003年01月
- 「人権危機」を脱却し「人権」運動の真価が問われる21世紀熊本 理抄 解放教育別冊[人権教育] (18) 54 -66 2002年04月
- 熊本 理抄 人権教育 (18) 54 -66 2002年
- 熊本 理抄 部落解放 (496) 70 -79 2002年
- 熊本 理抄 部落解放 (502) 189 -205 2002年
- ジェンダーと人種差別の 「交差」 = 「複合差別」熊本 理抄 部落解放 (502) 189 -205 2002年
- 熊本 理抄 ヒューマンライツ (161) 11 -18 2001年08月
- ジェンダーと人種差別の「交差」と複合熊本 理抄 部落解放 (490) 11 -18 2001年08月
- 熊本 理抄 部落解放 (465) 56 -65 2000年02月
- 熊本 理抄 世界週報 79 (33) 54 -55 1998年09月
- 熊本 理抄 ヒューマンライツ (111) 32 -37 1997年06月
- 熊本 理抄 ヒューマンライツ (111) 32 -37 1997年06月
書籍等出版物
- 熊本理抄 (担当:分担執筆範囲:相談からみえる部落問題)解放出版社 2022年08月 ISBN: 9784759242331 667
- 熊本理抄 (担当:分担執筆範囲:「女性の運動」「多様な人権問題との連帯」)解放出版社 2022年04月 ISBN: 9784759241310 326
- 熊本理抄 (担当:分担執筆範囲:部落女性の解放運動)解放出版社 2022年03月 ISBN: 9784759241303 550
- 熊本理抄 (担当:分担執筆範囲:被差別部落女性の主体性と複合差別)解放出版社 2021年12月 ISBN: 9784759210361 458
- 熊本理抄 (担当:単著範囲:)解放出版社 2020年04月 ISBN: 9784759201222 466
- 熊本理抄 (担当:分担執筆範囲:人種主義とジェンダーの「交差性」)晃洋書房 2020年01月 ISBN: 9784771032798 144
- 熊本理抄 (担当:分担執筆範囲:「家族」というかさぶた)御茶の水書房 2016年06月 ISBN: 9784275020475 262
- 熊本理抄 (担当:分担執筆範囲:大学と同和教育)明石書店 2013年09月 ISBN: 9784750338750 344
- 熊本理抄 (担当:分担執筆範囲:「語り」をめぐる権力と人権―被差別部落女性と発話の位置の政治)法律文化社 2012年05月 ISBN: 9784589034311 284
- 熊本理抄 (担当:分担執筆範囲:部落問題・部落解放運動から考える「排除」と「差別」)解放出版社 2011年03月 ISBN: 9784759267402 278
- "Transforming Japan: How Feminism And Diversity Are Making Difference"Risa Kumamoto (担当:分担執筆範囲:'Buraku Solidarity')The Feminist Press at the City University of New York 2011年02月 229-238
- 熊本理抄 (担当:分担執筆範囲:被差別部落と人権)法律文化社 2011年01月 ISBN: 9784589032942 277
- 熊本理抄 (担当:分担執筆範囲:ジェンダー)解放出版社 2009年07月 ISBN: 9784759240528 354
- 『国際開発』熊本 理抄 (担当:分担執筆範囲:「ジェンダーの視点」)日本福祉大学通信教育部 2009年04月 38-51
- 『戦後・暴力・ジェンダー2 脱暴力へのマトリックス』熊本 理抄 (担当:分担執筆範囲:「人種とジェンダーの複合差別をめぐって―ダーバン会議で問われたもの」)青弓社 2007年03月 67-103
- 熊本理抄 (担当:分担執筆範囲:人権思想からみたソーシャル・インクルージョン)中央法規出版 2007年01月 ISBN: 9784805847152 224
- 熊本理抄 (担当:分担執筆範囲:水平社運動と女性)梨の木舎 2005年10月 ISBN: 9784816605031 356
- 熊本理抄 (担当:分担執筆範囲:人間と社会の変革への可能性を持つNPO/NGO活動)晃洋書房 2004年02月 ISBN: 9784771015203 202
- 熊本理抄 (担当:分担執筆範囲:ジェンダーと人種差別の「交差」=「複合差別」)反差別国際運動日本委員会 2003年10月 ISBN: 9784759264876 279
- 熊本理抄 (担当:分担執筆範囲:複合差別・間接差別)学陽書房 2003年06月 ISBN: 9784313310063 205
- 熊本理抄 (担当:分担執筆範囲:「差別の禁止原則」とマイノリティの権利)現代人文社 2002年12月 ISBN: 9784877981013 238
- 熊本理抄 (担当:分担執筆範囲:社会権規約とその他の人権条約との連携~人種差別撤廃条約)エイデル研究所 2001年10月 ISBN: 9784871683319 231
- 『国連から見た日本の人種差別』熊本 理抄 (担当:分担執筆範囲:「NGOのフォローアップ活動‐日本国内の関係者をいかに巻き込んでいくか、それが今後のポイント」)反差別国際運動日本委員会 2001年08月
- 熊本理抄 (担当:分担執筆範囲:マイノリティに属する女性に対する複合差別ネットワーク)反差別国際運動日本委員会 2001年07月 ISBN: 9784759260564 307
- 『21世紀にむけた社会的権利』熊本 理抄 (担当:分担執筆範囲:「NGOへさらなる期待をよせて‐第48会期国連差別防止・少数者保護小委員会報告」)反差別国際運動日本委員会 1997年03月
共同研究・競争的資金等の研究課題
- 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)研究期間 : 2022年04月 -2026年03月代表者 : 水木 理恵; 出口 真紀子; 平山 亮; 小川 公代; 熊本 理抄
- 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)研究期間 : 2022年04月 -2026年03月代表者 : 熊本 理抄
- 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)研究期間 : 2021年04月 -2025年03月代表者 : 新ヶ江 章友; 釜野 さおり; 水野 英莉; 小門 穂; 風間 孝; 有田 啓子; 堀江 有里; 熊本 理抄
- 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)研究期間 : 2020年04月 -2023年03月代表者 : 天野 敏昭; 大村 和正; 熊本 理抄研究内容は、若年女性の生活困窮や就職困難を政策課題と捉え、「伴走型」「集団型」「自己解決型(自己解決への意識醸成と連帯的取組み)」の各支援が、当事者の社会的参入(自律)と職業的参入(自立)に重要だと考え、「ケイパビリティの形成」(潜在能力:自らが価値をおく福祉を実現できる選択可能な機能の組み合わせとその能力)と「広義のアクティベーションの実現」(職業訓練やジョブマッチにとどまらない、就労の前段階になる社会への参加意欲や就労に向けた活動などの変化にも着目)により、当事者の意識・活動・成果の各レベルにおける主体性と共同性(連帯的取組み)の発現を通して、社会的参入と職業的参入の双方を実現するプロセスを生成する可能性と課題を検証することである。 二年目はコロナ禍のため、上記を修正して実施した。第一に、「ケイパビリティ」と「広義のアクティベーション」の両概念の理論研究と分析枠組みの精緻化を進めた。第二に、今後1年以内に転職または就業を希望する有業または無業の女性を対象に、コロナ禍が女性に及ぼした影響に関する量的調査を実施した。第三に、民間の女性支援団体の取組みを把握する質的調査を行った。 上記の各調査から、転職または就業を希望する女性が、コロナ禍で正規で働きたい割合は低下し、働きたいと思う業種や職種が特にない割合も高く、正規以外で働きたい人や働きたい雇用形態、業種、職種を決められていない人の割合が増加した。求職活動を始められていない割合も高く、働く意欲や就職活動に取り組む意欲が高いとはいえない人も少なくない。この現状から、伴走型の個別支援の必要性が示唆された。また、女性支援団体の状況から、相談の質向上の取組みがみられるものの、集団型の社会活動には至りにくい現状である。一方、ケアワークの現場などで脆弱層から学びも多く、生産性の視点に限定されないケイパビリティアプローチの可能性が見出された。
- 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)研究期間 : 2020年04月 -2023年03月代表者 : 棚田 洋平; 福原 宏幸; 川野 英二; 垣田 裕介; 白波瀬 達也; 熊本 理抄; 山本 崇記; 寺川 政司; 田中 聡子本研究では、構造的に生活困窮者集住地域とされてきた被差別部落において、地域福祉実現や差別解消などの取り組みの拠点としての機能を果たしてきた隣保館の役割に着目する。 特別措置としての同和対策事業が2002年に終了して20年経つが、この間に、格差や貧困の問題は社会全体の課題となり、生活困窮者自立支援法の施行(2015年施行、2018年改正)や社会福祉法の一部改正(2021年)がおこなわれ、地域共生社会の実現に向けた諸施策が展開されている。他方で、2016年には、障害者差別解消法、ヘイトスピーチ解消法、部落差別解消推進法、いわゆる差別解消三法が相次いで施行され、その他の人権課題についても同様の法整備の動きがあり、よりいっそうの差別解消に向けた教育・啓発の取り組みが求められている。また、2021年には、今般の新型コロナウイルスの感染拡大を受けて「改正新型インフルエンザ特措法」が、近年に各地で立て続けに発生している地震や水害などの災害をふまえて「改正災害対策基本法」がそれぞれ施行された。 こうしたなか、社会福祉法にもとづく第二種社会福祉事業施設としての隣保館の役割はますます重要になってきていると言える。地域福祉課題を解決するための相談・支援、あらゆる差別解消に向けた教育・啓発、災害時における避難場所の提供や相談・支援といった役割を果たす地域拠点のひとつとして、隣保館は位置づけることができるだろう。 そのような問題意識のもと、上記の諸々の一般施策に隣保館がどのように位置づいているのか、また位置づけることが可能であるのかを検証するために、2021年度は全国の隣保館(814館)とその設置自治体(382市町村)を対象にして、質問紙調査を実施した。最終的に、それぞれ半数を超える回答(58.0%、54.2%)があり、現在(2022年度)集計・分析作業を進めているところである。
- 文部科学省:科学研究費助成事業(基盤研究(C))研究期間 : 2017年04月 -2022年03月代表者 : 熊本 理抄
- 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)研究期間 : 2018年04月 -2021年03月代表者 : 阿久澤 麻理子; 内田 龍史; 熊本 理抄; 妻木 進吾; 出口 真紀子; BONDY Christophe2019年度は研究会を3回実施した。 まず、自治体が実施した市民人権意識調査の再集計をするため、関東から、九州までの複数の自治体にデータ提供についての協力要請を行い、同意を得られた複数の自治体からデータ提供を得て、本研究の視点から、その再集計を開始している。一部の自治体については、すでに再集計を終え、研究会で検討しているが、いわゆる「新しいレイシズム(modern racism)」に対応した質問をもうけている自治体が少ないため、この点はなかなか明らかにしにくいところである。インターネット利用や、ネット上での差別を誘発・助長する情報や表現との接触度合いについては、最近の調査で多くの自治体がたずねるようになっていおり、これらが、異なるマイノリティ集団に対する差別・排除意識とどうかかわるかについても検討中である。 Twitterについてはキーワードを設定し、部落に関わるツイート、コリアンに関わるツイート(こちらはコントロールグループとして)を半年間収集した。部落に関わるツイートは全体で12万程度、コリアンについては100万となり、数量的な差が大きかった。政治家の発言、メディア報道、インターネット上の番組が部落を取り上げるたびに、圧倒的に否定的なツイートが増加する。 また、2020年度に実施予定の大学生に対する意識調査の調査票を作成し、google form上に置いている。実施に際して必要となるQRコードとID(重複回答や、対象者でない者がアクセスして回答するのを回避するためにIDを発行)も作成済みである。 さらに、研究会では、海外におけるヘイトスピーチ・クライム研究の動向のレビューを行った。
- 若年女性のケイパビリティの形成と社会的包摂のあり方に関する研究文部科学省:科学研究費助成事業(基盤研究(C))研究期間 : 2016年04月 -2019年03月代表者 : 天野 敏昭
- 生活困窮者集住地区の実態分析と包摂型地域社会支援システムの創出に関する調査研究文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))研究期間 : 2014年04月 -2017年03月代表者 : 棚田 洋平
- 文部科学省:科学研究費補助金(挑戦的萌芽研究)研究期間 : 2013年 -2014年代表者 : 熊本 理抄被差別部落女性へのインタビュー調査によって収集したライフヒストリーの分析を行い、被差別部落女性たちの状況を決定づけている条件、彼女たちが被る差別を生み出している要因とそれらが生み出される過程、差別からの解放としての主体性形成のありようと過程の解明を行った。 部落解放同盟全国婦人集会が、被差別部落女性が抱える問題およびその問題解決に向けた政策対応についていかなる議論をし、被差別部落女性の主体性形成にどのような役割を果したかについての考察を行った。
- 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))研究期間 : 2010年 -2012年代表者 : 神原 文子; 熊本 理抄本研究は、被差別地区出身で離婚によってひとり親家族になった女性、あるいは、非婚で出産し、ひとり親家族になった女性と、その子どもたちに焦点をあて、わが国の社会においてマイノリティであることによる差別や排除が、離婚や非婚によってひとり親家族となったことに、また、女性であることにどのような影響を及ぼしてきたのか、さらに、マイノリティのひとり親家族であることが、彼女たちの生活の営みにどのような影響をもたらしているのかという、マイノリティであることの差別や排除とひとり親家族であること、さらに、女性であることの差別や排除との相互の関連を明らかにし、差別や排除が複合化するメカニズムの解明と、そのことが、当事者の日常生活にどのようなダメージをもたらしているのかという点について、生活者の視点から解明することにある。2012年度においては、以下の研究を行った。(1)2011年度に、大阪、福岡、鳥取、徳島において、被差別部落出身のシングルマザーを対象に実施したアンケート調査データを集計・分析し、基本的属性にみられる特徴、就労状況、子育ての状況、生活上の悩み、被差別地区出身であることの被差別体験、女性であることの被差別体験、シングルマザーとしての被差別体験などについて実態を明らかにするとともに、複合差別の実態を検討し、全国人権教育研究集会で報告した。(2)被差別地区出身のひとり親家族の親と子どもたち12名にインタビュー調査を実施した。これまでのインタビュー記録はひとり親34名、子ども11名である。これらのインタビュー記録をもとに、研究代表者、研究分担者、研究協力者それぞれで分析を行っている。2012年度中に、分析を終えることができなかったが、できるだけ早い時期に、報告書にまとめる予定である。複合差別論の実証研究として多大な意義があると言える。
- 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))研究期間 : 2010年 -2012年代表者 : 桔川 純子; 文 京洙; 秋葉 武; 熊本 理抄本研究では、2007年の「社会的企業育成法」制定後の韓国の市民事業について、「ともに働く財団」「シーズ」などの中間支援組織や、自活センターなどの貧民運動にかかわる活動、社会的企業に関わる関係者にヒアリングを行い、「社会的企業育成法」成立の背景や、ソウル及び清州など地方都市の市民事業について調査した。とりわけ、「ヒューマンケア」「オール・リー」などの介護や飲食といった、女性を支援するための社会的企業や、「美しい財団」の「希望の店」などのマイクロクレジット、女性民友会軍浦の支部のグループホームなど、シングルマザーを支援する市民事業関係者のヒアリングを行い、社会的企業を含む市民事業が、脆弱階層の女性支援に繋がっていることを分析した。また、昨年12月に「協同組合基本法」が施行され、協同組合という形態で事業を進めていくためのさまざまな支援が始まり、社会的経済を国家をあげて強化していここうという背景を踏まえ、まちづくり、共同体という観点から、都市型まちづくりとして広く知られている「ソンミサン・マウル」に着目した。そして、ソンミサンマウルのなかで、環境保全運動と、共同育児から始まる「協同組合」が共同体を形成する基盤となっていることを調査した。以上のような研究内容を踏まえ、研究の成果の一部を、『危機の時代の市民活動: 日韓「社会的企業」最前線』(東方出版,2012)、「まちの起業がどんどん生まれるコミュニティ ~ ソンミサンマウルの実践から学ぶ」(エンパブリック・日本希望製作所編,2011)などの書籍、ブックレットで発表した。
その他
- 2020年07月 - 2021年03月 COVID-19 および SDGs の時代におけるレジリエントな社会 づくりに関する調査研究の提案“オール近大”新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクトの一環として、新型コロナウイルス感染症拡大が近畿大学生にどのような影響を与えているか、学生はいかに対応しているかを把握し、求められる支援のあり方を検討することを目的に、アンケート調査とインタビュー調査を実施した。
- 2019年04月 - 2020年03月 被差別部落女性の主体性形成に関する研究近畿大学学内研究助成金 研究種目: 研究成果刊行助成金 課題番号:KJ03 研究内容: 本研究は、被差別部落女性の主体性形成に焦点をあて、その形成過程において被差別部落女性が直面する諸問題の考察と、主体性形成の追究における今後の課題と展望の提示を目的とする。被差別部落女性の主体性形成に部落解放運動はどのような支援体制を採ったのか。被差別部落女性はそうした体制のなかでどのように主体性形成を追究したのか。女性解放運動の言説や国際人権言説はどのような影響を被差別部落女性に与えたか。「複合差別」概念は主体性形成追究に有用か。これらの問いに答えを出すことで、上記の目的を果たす。