熊本 理抄(クマモト リサ)

人権問題研究所教授

Last Updated :2024/09/14

■教員コメント

コメント

マイノリティ女性の人権課題と社会運動について研究しています。特に、ジェンダーとレイシズムの交差性、マイノリティ女性の主体性形成に関心があります。

■研究者基本情報

学位

  • 博士(人間科学)(大阪府立大学)

研究キーワード

  • Racism   社会運動   主体性   intersectionality   複合差別   マイノリティ女性   部落問題   ジェンダー   マイノリティ   まちづくり   同和教育・人権教育   ひとり親家族   人権   

現在の研究分野(キーワード)

マイノリティ女性の人権課題と社会運動について研究しています。特に、ジェンダーとレイシズムの交差性、マイノリティ女性の主体性形成に関心があります。

研究分野

  • 人文・社会 / 社会学

■経歴

委員歴

  • 2021年06月 - 現在   一般財団法人大阪府人権協会   理事
  • 2021年06月 - 現在   東大阪市男女共同参画審議会   委員
  • 2021年04月 - 現在   尼崎市立地域総合センター運営審議会   委員
  • 2018年04月 - 現在   社会文化学会   年報編集委員
  • 2017年07月 - 現在   東大阪市在宅保健医療福祉サービス調整会議   委員
  • 2016年04月 - 現在   大阪府公正採用・雇用促進会議   委員
  • 2014年07月 - 現在   茨木市人権尊重のまちづくり審議会   副会長
  • 2018年06月 - 2021年03月   八尾市総合計画審議会   委員
  • 2019年02月 - 2021年02月   門真市人権尊重のまちづくり審議会   委員
  • 2014年05月 - 2018年04月   大阪府個人情報保護審議会   委員

■研究活動情報

論文

MISC

書籍等出版物

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2022年04月 -2026年03月 
    代表者 : 水木 理恵; 出口 真紀子; 平山 亮; 小川 公代; 熊本 理抄
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2022年04月 -2026年03月 
    代表者 : 熊本 理抄
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2021年04月 -2025年03月 
    代表者 : 新ヶ江 章友; 釜野 さおり; 水野 英莉; 小門 穂; 風間 孝; 有田 啓子; 堀江 有里; 熊本 理抄
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 天野 敏昭; 大村 和正; 熊本 理抄
     
    研究内容は、若年女性の生活困窮や就職困難を政策課題と捉え、「伴走型」「集団型」「自己解決型(自己解決への意識醸成と連帯的取組み)」の各支援が、当事者の社会的参入(自律)と職業的参入(自立)に重要だと考え、「ケイパビリティの形成」(潜在能力:自らが価値をおく福祉を実現できる選択可能な機能の組み合わせとその能力)と「広義のアクティベーションの実現」(職業訓練やジョブマッチにとどまらない、就労の前段階になる社会への参加意欲や就労に向けた活動などの変化にも着目)により、当事者の意識・活動・成果の各レベルにおける主体性と共同性(連帯的取組み)の発現を通して、社会的参入と職業的参入の双方を実現するプロセスを生成する可能性と課題を検証することである。 二年目はコロナ禍のため、上記を修正して実施した。第一に、「ケイパビリティ」と「広義のアクティベーション」の両概念の理論研究と分析枠組みの精緻化を進めた。第二に、今後1年以内に転職または就業を希望する有業または無業の女性を対象に、コロナ禍が女性に及ぼした影響に関する量的調査を実施した。第三に、民間の女性支援団体の取組みを把握する質的調査を行った。 上記の各調査から、転職または就業を希望する女性が、コロナ禍で正規で働きたい割合は低下し、働きたいと思う業種や職種が特にない割合も高く、正規以外で働きたい人や働きたい雇用形態、業種、職種を決められていない人の割合が増加した。求職活動を始められていない割合も高く、働く意欲や就職活動に取り組む意欲が高いとはいえない人も少なくない。この現状から、伴走型の個別支援の必要性が示唆された。また、女性支援団体の状況から、相談の質向上の取組みがみられるものの、集団型の社会活動には至りにくい現状である。一方、ケアワークの現場などで脆弱層から学びも多く、生産性の視点に限定されないケイパビリティアプローチの可能性が見出された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 棚田 洋平; 福原 宏幸; 川野 英二; 垣田 裕介; 白波瀬 達也; 熊本 理抄; 山本 崇記; 寺川 政司; 田中 聡子
     
    本研究では、構造的に生活困窮者集住地域とされてきた被差別部落において、地域福祉実現や差別解消などの取り組みの拠点としての機能を果たしてきた隣保館の役割に着目する。 特別措置としての同和対策事業が2002年に終了して20年経つが、この間に、格差や貧困の問題は社会全体の課題となり、生活困窮者自立支援法の施行(2015年施行、2018年改正)や社会福祉法の一部改正(2021年)がおこなわれ、地域共生社会の実現に向けた諸施策が展開されている。他方で、2016年には、障害者差別解消法、ヘイトスピーチ解消法、部落差別解消推進法、いわゆる差別解消三法が相次いで施行され、その他の人権課題についても同様の法整備の動きがあり、よりいっそうの差別解消に向けた教育・啓発の取り組みが求められている。また、2021年には、今般の新型コロナウイルスの感染拡大を受けて「改正新型インフルエンザ特措法」が、近年に各地で立て続けに発生している地震や水害などの災害をふまえて「改正災害対策基本法」がそれぞれ施行された。 こうしたなか、社会福祉法にもとづく第二種社会福祉事業施設としての隣保館の役割はますます重要になってきていると言える。地域福祉課題を解決するための相談・支援、あらゆる差別解消に向けた教育・啓発、災害時における避難場所の提供や相談・支援といった役割を果たす地域拠点のひとつとして、隣保館は位置づけることができるだろう。 そのような問題意識のもと、上記の諸々の一般施策に隣保館がどのように位置づいているのか、また位置づけることが可能であるのかを検証するために、2021年度は全国の隣保館(814館)とその設置自治体(382市町村)を対象にして、質問紙調査を実施した。最終的に、それぞれ半数を超える回答(58.0%、54.2%)があり、現在(2022年度)集計・分析作業を進めているところである。
  • 文部科学省:科学研究費助成事業(基盤研究(C))
    研究期間 : 2017年04月 -2022年03月 
    代表者 : 熊本 理抄
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2018年04月 -2021年03月 
    代表者 : 阿久澤 麻理子; 内田 龍史; 熊本 理抄; 妻木 進吾; 出口 真紀子; BONDY Christophe
     
    2019年度は研究会を3回実施した。 まず、自治体が実施した市民人権意識調査の再集計をするため、関東から、九州までの複数の自治体にデータ提供についての協力要請を行い、同意を得られた複数の自治体からデータ提供を得て、本研究の視点から、その再集計を開始している。一部の自治体については、すでに再集計を終え、研究会で検討しているが、いわゆる「新しいレイシズム(modern racism)」に対応した質問をもうけている自治体が少ないため、この点はなかなか明らかにしにくいところである。インターネット利用や、ネット上での差別を誘発・助長する情報や表現との接触度合いについては、最近の調査で多くの自治体がたずねるようになっていおり、これらが、異なるマイノリティ集団に対する差別・排除意識とどうかかわるかについても検討中である。 Twitterについてはキーワードを設定し、部落に関わるツイート、コリアンに関わるツイート(こちらはコントロールグループとして)を半年間収集した。部落に関わるツイートは全体で12万程度、コリアンについては100万となり、数量的な差が大きかった。政治家の発言、メディア報道、インターネット上の番組が部落を取り上げるたびに、圧倒的に否定的なツイートが増加する。 また、2020年度に実施予定の大学生に対する意識調査の調査票を作成し、google form上に置いている。実施に際して必要となるQRコードとID(重複回答や、対象者でない者がアクセスして回答するのを回避するためにIDを発行)も作成済みである。 さらに、研究会では、海外におけるヘイトスピーチ・クライム研究の動向のレビューを行った。
  • 若年女性のケイパビリティの形成と社会的包摂のあり方に関する研究
    文部科学省:科学研究費助成事業(基盤研究(C))
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 天野 敏昭
  • 文部科学省:科学研究費助成事業(基盤研究(B))
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月 
    代表者 : 野口 道彦
  • 生活困窮者集住地区の実態分析と包摂型地域社会支援システムの創出に関する調査研究
    文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 棚田 洋平
  • 文部科学省:科学研究費補助金(挑戦的萌芽研究)
    研究期間 : 2013年 -2014年 
    代表者 : 熊本 理抄
     
    被差別部落女性へのインタビュー調査によって収集したライフヒストリーの分析を行い、被差別部落女性たちの状況を決定づけている条件、彼女たちが被る差別を生み出している要因とそれらが生み出される過程、差別からの解放としての主体性形成のありようと過程の解明を行った。 部落解放同盟全国婦人集会が、被差別部落女性が抱える問題およびその問題解決に向けた政策対応についていかなる議論をし、被差別部落女性の主体性形成にどのような役割を果したかについての考察を行った。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 神原 文子; 熊本 理抄
     
    本研究は、被差別地区出身で離婚によってひとり親家族になった女性、あるいは、非婚で出産し、ひとり親家族になった女性と、その子どもたちに焦点をあて、わが国の社会においてマイノリティであることによる差別や排除が、離婚や非婚によってひとり親家族となったことに、また、女性であることにどのような影響を及ぼしてきたのか、さらに、マイノリティのひとり親家族であることが、彼女たちの生活の営みにどのような影響をもたらしているのかという、マイノリティであることの差別や排除とひとり親家族であること、さらに、女性であることの差別や排除との相互の関連を明らかにし、差別や排除が複合化するメカニズムの解明と、そのことが、当事者の日常生活にどのようなダメージをもたらしているのかという点について、生活者の視点から解明することにある。2012年度においては、以下の研究を行った。(1)2011年度に、大阪、福岡、鳥取、徳島において、被差別部落出身のシングルマザーを対象に実施したアンケート調査データを集計・分析し、基本的属性にみられる特徴、就労状況、子育ての状況、生活上の悩み、被差別地区出身であることの被差別体験、女性であることの被差別体験、シングルマザーとしての被差別体験などについて実態を明らかにするとともに、複合差別の実態を検討し、全国人権教育研究集会で報告した。(2)被差別地区出身のひとり親家族の親と子どもたち12名にインタビュー調査を実施した。これまでのインタビュー記録はひとり親34名、子ども11名である。これらのインタビュー記録をもとに、研究代表者、研究分担者、研究協力者それぞれで分析を行っている。2012年度中に、分析を終えることができなかったが、できるだけ早い時期に、報告書にまとめる予定である。複合差別論の実証研究として多大な意義があると言える。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 桔川 純子; 文 京洙; 秋葉 武; 熊本 理抄
     
    本研究では、2007年の「社会的企業育成法」制定後の韓国の市民事業について、「ともに働く財団」「シーズ」などの中間支援組織や、自活センターなどの貧民運動にかかわる活動、社会的企業に関わる関係者にヒアリングを行い、「社会的企業育成法」成立の背景や、ソウル及び清州など地方都市の市民事業について調査した。とりわけ、「ヒューマンケア」「オール・リー」などの介護や飲食といった、女性を支援するための社会的企業や、「美しい財団」の「希望の店」などのマイクロクレジット、女性民友会軍浦の支部のグループホームなど、シングルマザーを支援する市民事業関係者のヒアリングを行い、社会的企業を含む市民事業が、脆弱階層の女性支援に繋がっていることを分析した。また、昨年12月に「協同組合基本法」が施行され、協同組合という形態で事業を進めていくためのさまざまな支援が始まり、社会的経済を国家をあげて強化していここうという背景を踏まえ、まちづくり、共同体という観点から、都市型まちづくりとして広く知られている「ソンミサン・マウル」に着目した。そして、ソンミサンマウルのなかで、環境保全運動と、共同育児から始まる「協同組合」が共同体を形成する基盤となっていることを調査した。以上のような研究内容を踏まえ、研究の成果の一部を、『危機の時代の市民活動: 日韓「社会的企業」最前線』(東方出版,2012)、「まちの起業がどんどん生まれるコミュニティ ~ ソンミサンマウルの実践から学ぶ」(エンパブリック・日本希望製作所編,2011)などの書籍、ブックレットで発表した。

その他

  • 2020年07月 - 2021年03月  COVID-19 および SDGs の時代におけるレジリエントな社会 づくりに関する調査研究の提案 
    “オール近大”新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクトの一環として、新型コロナウイルス感染症拡大が近畿大学生にどのような影響を与えているか、学生はいかに対応しているかを把握し、求められる支援のあり方を検討することを目的に、アンケート調査とインタビュー調査を実施した。
  • 2019年04月 - 2020年03月  被差別部落女性の主体性形成に関する研究 
    近畿大学学内研究助成金 研究種目: 研究成果刊行助成金 課題番号:KJ03 研究内容: 本研究は、被差別部落女性の主体性形成に焦点をあて、その形成過程において被差別部落女性が直面する諸問題の考察と、主体性形成の追究における今後の課題と展望の提示を目的とする。被差別部落女性の主体性形成に部落解放運動はどのような支援体制を採ったのか。被差別部落女性はそうした体制のなかでどのように主体性形成を追究したのか。女性解放運動の言説や国際人権言説はどのような影響を被差別部落女性に与えたか。「複合差別」概念は主体性形成追究に有用か。これらの問いに答えを出すことで、上記の目的を果たす。

その他のリンク