山田 雄久(ヤマダ タケヒサ)

経営学部 経営学科教授/経営学科スポーツマネジメントコース主任

Last Updated :2024/07/20

■教員コメント

コメント

日本の近代化に果たした伝統産業の発展。陶磁器業の技術導入や熟練労働、さらに市場情報を伝達した商人について考察し、社史執筆や業界支援などの仕事にも着手しています。

■研究者基本情報

学位

  • 修士(経済学)(大阪大学)

研究キーワード

  • 陶磁器業史   

現在の研究分野(キーワード)

日本の近代化に果たした伝統産業の発展。陶磁器業の技術導入や熟練労働、さらに市場情報を伝達した商人について考察し、社史執筆や業界支援などの仕事にも着手しています。

研究分野

  • 人文・社会 / 経営学
  • 人文・社会 / 経済史

■経歴

学歴

  •         - 1992年   大阪大学   経済学研究科   経済学
  •         - 1992年   大阪大学   Graduate School, Division of Economics
  •         - 1990年   大阪大学   経済学部   経済学
  •         - 1990年   大阪大学   Faculty of Economics

委員歴

  • 2020年08月 - 現在   佐賀大学肥前セラミック研究センター   客員研究員
  • 2009年08月 - 現在   企業家研究フォーラム   幹事
  • 2019年03月 - 2023年02月   経営史学会   編集委員
  • 2009年10月 - 2013年09月   経営史学会   評議員
  • 2005年10月 - 2009年09月   経営史学会   幹事

■研究活動情報

論文

MISC

書籍等出版物

  • 廣田, 誠; 山田, 雄久; 加藤, 諭; 嶋, 理人; 谷内, 正往 (担当:共著範囲:2章)五絃舎 2021年02月 ISBN: 9784864341233 xiii, 197p
  • 廣田, 誠; 山田, 雄久; 木山, 実; 長廣, 利崇; 藤岡, 里圭 (担当:共著範囲:1-3章)有斐閣 2017年09月 ISBN: 9784641165069 x, 319p
  • 井奥, 成彦; 伊藤, 敏雄; 山田, 雄久; 中西, 聡; 橋口, 勝利; 石井, 里枝; 中村, 宗悦; 島田, 昌和; 四宮, 正親; 中島, 裕喜; 牛島, 利明; 宇田, 理; 寺地, 孝之; 橋野, 知子; 中村, 尚史 (担当:共著範囲:3章)日本経済評論社 2017年03月 ISBN: 9784818824621 vii, 336p
  • Boari, Cristina; Elfring, Tom; Molina-Morales, F. Xavier (担当:共著範囲:Ch. 9)Routledge 2016年 ISBN: 9781138124530 xiv, 233 p.
  • 吉沢 正広; 井田 泰人; 関谷 次博; 藤田 順也; 祝田 学; 山田 雄久; 山内 昌斗 (担当:共著範囲:1-2章)学文社 2013年04月 ISBN: 4762023582 194
  • 宮本, 又郎 新書館 2002年05月 ISBN: 9784403250606 252p

講演・口頭発表等

  • 佐賀県有田焼産地の現状―外部環境変化にともなう地方中小企業経営の対応を中心に―(コメント)
    山田雄久
    経営史学会関東部会・企業家研究フォーラム冬季部会大会 2023年12月
  • 企業の社会連携活動について考える―その現状と将来に向けての課題―(コメント)  [通常講演]
    山田雄久
    企業家研究フォーラム第21回年次大会共通論題 2023年07月 口頭発表(一般)
  • Yusuke Inoue; Takehisa Yamada; Hiroshi Togo
    British Academy of Management 2022 Conference 2022年09月 口頭発表(一般)
  • 山田雄久
    企業家研究フォーラム2021年度冬季部会大会 2021年12月 口頭発表(一般)
  • 山田雄久
    佐賀大学肥前セラミック研究センターシンポジウム 2021年01月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • 鉄道と社寺参詣―地域社会への影響と経済効果―司会  [通常講演]
    山田 雄久
    社会経済史学会近畿部会シンポジウム 2019年08月 口頭発表(一般)
  • 吉田 忠彦; 東郷 寛; 山田 雄久
    非営利法人研究学会第17回全国大会 2013年09月 近畿大学 非営利法人研究学会第17回全国大会
  • 山田 雄久
    経営史学会第46回全国大会 2010年10月 札幌大学 経営史学会第46回全国大会
     
    輸出向け陶磁器の産地として成長してきた有田は、大正期に入ると欧米向け輸出の不振から国内向け製品の開発に力を入れざるをえなくなった。有田を代表するリーディング企業であった香蘭社は、国内の展覧会に出品するなどして高級美術陶磁器としての知名度を上げ、自社製品の都市部での販売網を拡大した。また、国立陶磁器試験場とも密接な関係を築いて、美術工芸品分野の開発を進めた。こうした香蘭社の経営戦略に、深川製磁、今右衛門、柿右衛門など産地における他の有力企業も続いたのである。

担当経験のある科目_授業

  • 経済の世界大阪大学
  • 日本経営史大阪大学,帝塚山大学
  • 日本経済史大阪大学,桃山学院大学,奈良産業大学
  • 経営史近畿大学,帝塚山大学,立命館大学

所属学協会

  • 企業家研究フォーラム   市場史研究会   経営史学会   社会経済史学会   

Works_作品等

  • 米穀肥料商に関する文書調査
    1994年
  • An Investigation into Historical Documents Concerning the Rice and Fertilizer merchants
    1994年
  • 肥前陶磁器業に関する文書調査
    1992年
  • An Investigation into Historical Documents Concerning the Hizen Porcelain Industry
    1992年

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2023年04月 -2026年03月 
    代表者 : 井上 祐輔; 山田 雄久; 東郷 寛; 高柳 直弥
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2022年04月 -2025年03月 
    代表者 : 山田 雄久; 東郷 寛; 吉田 忠彦; 山本 長次; 井上 祐輔
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 吉田 忠彦; 山田 雄久; 東郷 寛; 後 房雄; 團 泰雄
     
    コロナ感染拡大予防のため、現地でのフィールドワークが計画どおりに実施できなかったが、対面でのインタビュー等が制限された中で、Zoom等のリモートでの面談や会議の態勢が社会全体で整い、これを利用してある程度のインタビュー調査や会議を実施し、その調査などをベースとした中間的な論文等を発表した。学会での口頭報告も同様に、リモート開催された中で実施した。 研究分担者それぞれで学会口頭報告、論文執筆を行い、この研究テーマであるコレクティブ・インパクトの関する書籍にも執筆参加した。論文は非営利法人研究学会(査読付き)、大学紀要(査読なし)など。 本研究の目的であるコレクティブ・インパクトとそれを支えるバックボーン組織の形成の動態モデルを構築するために、先行するアメリカの事例およびそれに関する先行研究をサーベイし、その限界などについて確認し、それを論じた論文を発表した。 既存のコレクティブ・インパクトの研究は、コレクティブ・インパクトを新しい現象のように捉え、これまでの組織間関係論や制度理論の蓄積を十分に取り入れていない点が問題であるというのがわれわれの見解である。したがって、これらの組織論での蓄積をコレクティブ・インパクトとバックボーン組織に当てはめて検討することが次の研究ステップである。 他方では、コレクティブ・インパクトやバックバーン組織の具体的ケースの調査と分析が必要で、その一つとして日本におけるNPOの中間支援組織のパイオニアと目される「まちづくり情報センターかながわ(通称アリスセンター)」の設立から今日に至る組織の変化を詳細に分析している。その一部はすでにモノグラムとして紀要に連続して発表している。また、理論的分析の現時点での試みを学会で口頭報告し、査読投稿している。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2019年04月 -2022年03月 
    代表者 : 井上 祐輔; 東郷 寛; 山田 雄久
     
    本年度は、収集した資料(インタビューデータ、業界紙および、組合提供資料、行政提供資料など)を基に、明治期から昭和50年までの産地の発展プロセスを生地業・窯元・産地商社ごとに整理・分析し、現代における波佐見焼産地の窯元・商社間の機能間分業の源流について調査した。 その結果、産地における量産・量販体制の確立が産地の機能間分業に変化を生み出し、この機能間分業の形成が現在における窯元・商社間の差別化要因を生み出す歴史的なポイントであることがわかった。 具体的には産地の流通支配の構造が、明治期に伊万里商人から有田商人へと変化し、戦後、量産技術が波佐見焼産地に浸透するにつれ、波佐見の産地商社が拡大する基盤を獲得していった。さらに、消費地市場の量販体制(昭和30~40年代にかけての頒布会方式とギフト向け商品の百貨店・専門店での販売と昭和50年代にかけてのブライダルギフト品の百貨店販売と、GSMによる店頭販売)が成立するにつれ、生産労働力が不足するようになり、生産工程の効率化のための生産技術が発展した。この労働力不足は、農業労働力の吸収により解消されるようになる一方、窯元の量産の拡大は生地業者の独立を生み出し、他方で、産地商社の絵付け工程への参入を促した。これにより、窯元から独立した生地業者が需要増加のタイミングで窯元に業態転換したり、産地商社が製品企画をおこなうようになった。こうした機能間分業の変化の中で各窯元・商社は強みとなる要素を形成していったことがわかった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2018年04月 -2022年03月 
    代表者 : 吉田 忠彦; 金川 幸司; 山田 雄久; 東郷 寛; 後 房雄; 團 泰雄
     
    2020年度はコロナ感染拡大予防のためフィールド調査がほとんど実施できなかったため、本来は最終年度であったが、延長申請をすることになった。 しかし、これまでの調査をベースとしていくつかの成果を発表した。まず、さまざまな地域活動などを実施する団体を支援するいわゆる「中間支援組織」と、行政の市民活動支援施設との関係について、神奈川県の県民活動サポートセンターをめぐるケースについて学会報告したものを論文にまとめ、査読を経て学会誌に掲載した。詳細なケースの記述をベースにし、分析視角としては「アクターネットワーク理論(ANT)」を用いた。これによって、中間支援組織や行政の施策が、物理的な建物、新しい法制度などと相互作用している様子が分析できた。複雑な相互作用をいたずらに単純化するのではなく、むしろこれまで主なアクターによって操作される対象として扱われるだけだった物理的な建物などもまたアクターとして捉えることで、より現実的な説明が可能となった。地域活動や市民活動を支援する事業は、物理的な場の有無、その場の利便性、そしてNPO法成立を背景とした支援メニューへの利用者の期待などが影響し、それは自治体などの設置者の最初の制度設計の修正も導くことが観察できた。 また、NPO支援組織における人的資源管理についての調査をまとめ、イギリス経営学会のオンラインでのフォーラムで報告を行った。こちらもレフリー付での採択である。ここでは兵庫県の中間支援組織でのスタッフの異動のパターンなどを分析対象とした。兵庫県は1995年に発生した阪神・淡路大震災の被災地として、ボランティア活動や市民活動の重要性が自治体にも市民にも認識された地域であったことから、NPOや中間支援組織が早くから発達した。特に中間支援組織はたの地域に比べて数も多く、それぞれ存続している点も注目される。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 山田 雄久; 東郷 寛; 吉田 忠彦; 山本 長次; 井上 祐輔; 山口 夕妃子
     
    本研究では伝統産業地域における近年の事業システムに注目し、国内の陶磁器業界が低迷した2000年代を中心にグローバル化が進展するなかで、デザイナーや商社、メーカーが連携しながら新しいブランドの構築に向けて製品開発を行った経緯について検討した。 産地における事業後継者を中心とした企業家のネットワークが形成されるとともに、以前までの取引システムが変化することで、消費地市場を動向に対応したマーケティングが行われるようになった。佐賀県有田町では、陶磁器産地の再生に向けた独自のブランドとして2016/ARITAを立ち上げ、海外での展示会に出品するとともに、伝統産業の新しい局面を切り開きつつある。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月 
    代表者 : 吉田 忠彦; 深尾 昌峰; 山田 雄久; 東郷 寛; 後 房雄
     
    公共政策においてマルチセクター・パートナーシップと制度的企業家の活動が観察できたいくつかの事例の詳細な分析から、組織論における「ゴミ箱モデル」および社会学における「構造化理論」を援用したモデルの構築を行った。それは制度との間に再帰的関係を持ちながら、他方ではそうした再帰的関係が結べない環境の変化を解釈しながら政策を導くエージェンシーの姿を示したものである。 具体的なケースとして、京都市の市民活動センターの設立プロセス、佐賀県有田町の陶器産業をめぐる多種の組合の大同連結とその崩壊などを詳細に記述し、そこからわれわれが「政策形成の改訂・構造化理論」と呼ぶモデルを構築した。
  • 日本学術振興会:科学研究費補助金 基盤研究(C)
    研究期間 : 2012年04月 -2016年03月 
    代表者 : 山田 雄久
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 松本 貴典; 廣田 誠; 牛島 利明; 大森 一宏; 片岡 豊; 赤坂 義浩; 山田 雄久
     
    従来の商業研究史には、商家研究を中心とした研究蓄積はあるものの、商業の全国展開府県内展開がどうなっているかは不明であった。そうした現状にあって、「営業税」という客観的で同一の指標を用いて近代日本の商業発展を分析した本研究は、パイオニア・ワークであり、大きなブレーク・スルーである。しかも、全国動向だけでなく府県内部にまで踏み込んで、同一基準による分析まで行った研究も、本研究以外に例を見ない。本研究は、近代の第三次産業の主要部分である商業の研究を大きく飛躍させるエポック・メイキングな業績になったとともに、成果刊行される書籍は今後この分野の必読書となるであろう。
  • 20世紀日本のビジネスエリート輩出システムに関する歴史・実証分析
    日本学術振興会:科学研究費補助金 基盤研究(C)
    研究期間 : 2006年04月 -2010年03月 
    代表者 : 日夏 嘉寿雄
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2007年 -2008年 
    代表者 : 松本 貴典; 廣田 誠; 牛島 利明; 大森 一宏; 片岡 豊; 赤坂 義浩; 山田 雄久
     
    本研究では、日本各地の地方税務監督局『税務統計書』に所収されている営業税データを用いて、近代日本における商業の地域展開を、区市郡にまで降りて、数量的に明らかにした。対象となったのは、東京府、大阪府、兵庫県、愛知県、福岡県、新潟県、長野県であった。本研究は、従来はほとんどまったく解明されていなかった、近代日本における商業展開の実態を数量的に明らかにしたエポック・メイキングな業績になったとともに、従来の製造業中心の分析を大きく乗り越え、第三次産業の地域発展までを視野に入れた、近代日本の地域経済発展の解明を大きく飛躍させる研究となった。
  • 大正・昭和戦前期における日本陶磁器業の製品技術開発と販売市場戦略の展開
    日本学術振興会:科学研究費補助金 若手研究(B)
    研究期間 : 2003年04月 -2006年03月 
    代表者 : 山田 雄久
  • 明治後期肥前陶磁器業における生産・流通組織の再編と近代的取引慣行の形成
    日本学術振興会:科学研究費補助金 奨励研究(A)
    研究期間 : 1996年04月 -1997年03月 
    代表者 : 山田 雄久
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1995年 -1996年 
    代表者 : 石井 寛治; 中村 尚史; 山田 雄久; 田島 佳也; 岡田 光代; 中西 聡
     
    1.大阪府貝塚市にある旧廻船問屋=米穀肥料問屋廣海惣太郎家の文書調査を6回行い、基本帳簿類の写真撮影と書簡等一枚物の整理と目録作成を行った。目録カードの作成は今後も地元研究者を中心に続ける予定である。 2.撮影した資料の分析結果を調査会で順次報告し討論した。2年間の分析で明らかになった主要論点は、(1)1835年に米穀・肥料問屋として出発した廣海家は、最幕末期には貝塚最有力の問屋となるが、当時の貝塚は堺などとともに大阪市場を停滞させつつ発展していたこと、(2)幕末の廣海家は大型の和船を所有して北海道まで産物買い付けに赴く廻船問屋であったが1883年限りで海運業から撤退し、その頃から大阪と兵庫が汽船で出入りする集散地として再び活発化したこと、(3)取扱品の中心は1860年代には米穀から肥料に移るとともに、鰯肥料から鰊肥料へと転換するが、大豆粕はほとんど取り扱わないまま、1910年代から化学肥料の取り扱いを開始すること、(4)廣海家は問屋としての委託販売取引から手数料を得ながら、しだいに仲買としての自己勘定取引による譲渡利潤の獲得を目指すようになり、1890年代には委託販売量が急減して、大阪・兵庫や小樽その他の肥料商からの購入が中心となるが、損益面では手数料収入の方が多く、仲買的活動は必ずしも高利益を保証しなかったこと、(5)廣海家は1880年に株式投資を始め、当初は貝塚銀行を設立して頭取となるなど名望家的色彩の強い投資であったのが、第一次大戦期に非地元株を軸に収益目当ての株式投資が急増し、大戦後は配当所得が肥料商としての営業所得を圧倒して同家の所得の中心となること、などである。総じて、近世以来の地方商人資本の活動が、開港後は全国市場を一層深化させつつ、商業利潤の株式投資を通じて近代産業の発展を支えていくメカニズムが具体的に究明された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1994年 -1994年 
    代表者 : 山田 雄久
     
    本研究では、明治期における肥前陶磁器業の輸出戦略について検討を行った。まず研究に必要な史料である、(株)香蘭社所蔵史料と田代家文書との整理と写真撮影を夏期に実施した。香蘭社には予想以上の史料の残存が確認できたため、とりあえず明治大正期の史料を整備することとした(同社も付設の資料館を計画中とのことで、調査について理解を得ることができた)。 史料調査と並行して撮影史料のプリント作業を実施し、それらは製本のうえ、以後の閲覧に耐え得るようにした。また貿易面で陶磁器輸出がいかなる形で推移したかを確認するため、「大日本外国貿易年表」のマイクロプリント作業も同時に行った。さらに現地での周辺史料を獲得するべく、(株)深川製磁や佐賀新聞社に残る史料の閲覧や、今までに調査を行った有田町歴史民族資料館所蔵史料の再閲覧も実施した。このようにして取り集めた史料をもとに、経営史学会関西部会、経営史学会全国大会で研究報告を行って、各方面の研究者から貴重なアドヴァイスをいただく機会を得た。 研究内容を簡単に紹介すると、次のようである。(1)「輸出戦略」としては、輸出が不安定な状態となる明治前期では直輸出商社への依存のみでなく、自らが売込商となって長崎・横浜・神戸での外商への売り込みを実施したものが生き残った。(2)その際の「産業組織」としては、特産地内の商人と製造業者とが共同歩調をとりながら産地形成の動きがみられた。さらには問屋制のネットワークのなかで、海外市場で販売可能な輸出向け製品の製造を実施するための工場制システムの導入が進められた。以上の研究成果については、大阪大学経済学部ディスカッションベ-パ-として論文を作成・公表したうえで、諸氏の批判を仰ぐことにした。
  • The History of the Fertilizer Market in the Modern Japan
  • The History of traditional Industreis in the Modern Japan

その他のリンク