Journal of Structural and Construction Engineering (Transactions of AIJ) Architectural Institute of Japan 87 (802) 1093 - 1103 1340-4202 2022/12 [Refereed]
The 26th International Congress on Sound and Vibration
A Study on In-Situ Method of Measuring Acoustic Properties of Materials by using a Parametric Loudspeaker - Reduction of Pseudo Sound due to High Pressure Ultrasound
菅原 彬子; 李 孝珍; 坂本 慎一; 武岡 成人 公益社団法人日本騒音制御工学会秋季研究発表会講演論文集 = Proceedings of the autumn meeting, the Institute of Noise Control Engineering of Japan 203 -206 2016/11
本研究では,所望の吸音特性をもつ音響メタマテリアルを3Dプリンターを用いて作成し,健康・衛生面の問題,耐久性,耐水性,強度といった従来一般的に用いられた多孔質吸音材の課題を解決した,次世代吸音材として提案することを目的とする.研究は(1)理論・数値解析による音響メタマテリアルの設計,(2)3Dプリンタを用いた音響メタマテリアルの作成と性能検証,(3)特性のデータベース化と最適設計手法の確立,という3つの目標に従い進める.令和2年度は,物質の結晶構造を模した"硬くて衛生的で耐水性に優れた"多孔質吸音材の開発を目的として研究を進めた.(1)数値解析によるパラメトリックスタディを行い,(2)の途中段階までが進捗である.ある周期構造に対し,ミクロなユニットセル内での音の浸透性や流れの特性からマクロな音響特性である等価密度や等価体積弾性率を導き,そこから吸音率を算出するというZielinskiら(J Sound and Vibration, 2020)の数値解析手法を有限要素法解析ソフトに実装し,ダイヤモンド構造や単純立方格子といった基本的な結晶構造を対象に数値解析を行った.ユニットセルのサイズや空隙率等が吸音特性に及ぼす影響を加味し,実用的な範囲のサイズで優れた吸音特性をもつ構造を検討した.また,静適応力解析により,従来の多孔質吸音材に比べ本構造の強度が向上していることを確認した.加えて,これらの検討結果を基に,3Dプリンタを用いて実際に周期構造を作成した.セラミック入り樹脂材料を用いて作成した本構造は,"硬くて衛生的で耐水性に優れ"ており,従来の多孔質吸音材がもつ課題をクリアした構造となりうる.現在,作成した構造の吸音効果を実験的に検討する(実施目標(2))ための機材として,音響管を制作している.