光冨 徹哉 (ミツドミ テツヤ)

  • 医学科 教授/主任
Last Updated :2021/09/10

コミュニケーション情報 byコメンテータガイド

  • コメント

    肺癌の診断と治療、特に外科治療および分子標的治療を専門としています。肺癌の遺伝子変異に基づく個別化医療を実践することで最小の負担で最大の治療効果をあげることを目標にしています。
  • 報道関連出演・掲載一覧

    <報道関連出演・掲載一覧> ●2016/4/28  産経新聞  高額薬の費用対効果について ●2014/11/22  BS朝日「最新医療~肺がんを考える~」  肺がんの個別化治療について

研究者情報

学位

  • 医学博士(九州大学)

ホームページURL

科研費研究者番号

  • 70209807

ORCID ID

J-Global ID

研究キーワード

  • 肺癌   腺癌   p53   予後因子   分子標的治療   獲得耐性   EGFR   TTF-1   遺伝子変異   個別化医療   p53遺伝子   K-ras   腫瘍抑制遺伝子   癌遺伝子   遺伝子増幅   上皮成長因子受容体(EGFR)   microsatellite polymorphism   LOH   EGFR変異肺癌   HER2   ELISA   PIK3CA   喫煙   上皮成長因子受容体   神経内分泌マーカー   免疫組織化学   データベース   9p   感受性因子   Peutz-Jeghers syndrome   

現在の研究分野(キーワード)

    肺癌の診断と治療、特に外科治療および分子標的治療を専門としています。肺癌の遺伝子変異に基づく個別化医療を実践することで最小の負担で最大の治療効果をあげることを目標にしています。

研究分野

  • ライフサイエンス / 血液、腫瘍内科学
  • ライフサイエンス / 呼吸器外科学
  • ライフサイエンス / 人体病理学
  • ライフサイエンス / 外科学一般、小児外科学

経歴

  • 2012年05月 - 現在  近畿大学医学部外科学教授
  • 1995年10月 - 2012年04月  愛知県がんセンター病院呼吸器外科部/研究所分子腫瘍学部部長/研究員

所属学協会

  • European Society for Medical Oncology   American Association of Clinical Oncology   American Association for Cancer Research   International Association for the Study of Lung Cancer   日本内視鏡外科学会   日本癌治療学会   日本呼吸器内視鏡学会   日本外科学会   日本呼吸器学会   日本臨床腫瘍学会   日本癌学会   日本肺癌学会   日本呼吸器外科学会   日本胸部外科学会   

研究活動情報

論文

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 肺癌の患者由来オーガノイドの高効率な作製法の確立と治療感受性予測への応用
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 光冨 徹哉
  • HER2異常肺癌に対する新しい治療法の開発
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2019年04月 -2022年03月 
    代表者 : 宗 淳一; 冨田 秀太; 豊岡 伸一; 山本 寛斉; 阪口 政清; 光冨 徹哉; 須田 健一; 諏澤 憲
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 光冨 徹哉; 西尾 和人; 冨田 秀太; 須田 健一; 小林 祥久; 古賀 教将; 藤野 智大; 西野 将矢
     
    肺腺癌の3%に存在するMET遺伝子のエクソン14欠失変異を有するBa/F3細胞モデルを樹立して、4種の活性型キナーゼに結合するタイプI、3種の不活性型キナーゼに結合するタイプII,1種のアロステリック阻害するMETチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)の感受性を検索した。その結果capmatinibが最も有効であった。次いで、それぞれの薬剤の耐性株を取得した。タイプI耐性ではMET遺伝子のD1228とY1230、タイプII耐性はL1195と F1200に二次的変異が集中していた。一方のタイプの耐性変異は他方のタイプには感受性であることを見出した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2011年 -2011年 
    代表者 : 光冨 徹哉; 谷田部 恭
     
    日本人肺癌の30-40%をしめる上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性肺癌に対するEGFRチロシンキナーゼ阻害剤の治療効果はすでに確立している。しかしほとんどすべての症例で耐性を獲得する。本研究の第1の目的はこの耐性機序を明らかとし、その克服をめざすことであり、本年度は下記の成果を得た。 DEGFRキナーゼ阻害剤獲得耐性における上皮間葉転換の関与の同定 EGFR変異を有するHCC4006肺癌細胞株をErlotinibに長期曝露させることによりErlotinib耐性株を樹立、親株と耐性株を比較することにより、EGFRキナーゼ阻害剤獲得耐性機序を探索した、その結果、耐性株では上皮系のマーカーの消失、間葉系マーカーの発現亢進を認め、上皮間葉転換が起きていることを同定した。さらに、親株にTGFbetaを用いて上皮間葉転換を起こさせることにより、EGFRキナーゼ阻害剤の感受性低下をもたらすことを見出した(Suda K,et al.J.Thorac.Oncol.2011)。 ii).EGFRキナーゼ阻害剤獲得耐性におけるPTEN発現低下の関与の同定 Erlotinib長期曝露によりT790Mを獲得したErlotinib獲得耐性株であるHCC827EPR細胞株(Suda K,et al.Clin.Cancer Res.2010)より、T790Mを克服可能と考えられている不可逆的EGFRキナーゼ阻害剤耐性株を樹立し、その耐性機序を解析した。その結果、耐性株ではPTEN発現低下が起きていること、PTEN発現低下によりPI3K-AKT経路が活性化されていること、PI3K-AKT経路を抑制することにより耐性を克服できることを同定した(Suda K et al.Lung Cancer,in press)。 さらに、今年度の研究において、(1)HER2変異肺癌細胞株よりIIER2キナーゼ活性抑制作用のある複数の薬剤より獲得耐性株を樹立、また、(2)第3世代EGFRキナーゼ阻害剤とも呼ばれるT790M特異的EGFRキナーゼ阻害剤を用いて、EGFR変異肺癌細胞株より獲得耐性株を樹立した。現在、これらの獲得耐性株の耐性機序について解析を進めている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2009年 -2011年 
    代表者 : 谷田部 恭; 光冨 徹哉; 高橋 隆
     
    i)前癌病変、上皮内腺癌の検討,ii)重複病変の解析,iii)組織内遺伝子異常の多様性,iv)分子病理学的鑑別診断への応用の4つの分野について、肺腺癌における分子生物学的分類を本にした解析を行った。i)については、世界肺癌学会の病理パネル委員として、上皮内癌・微小浸潤癌の定義を提唱し、新腺癌分類に盛り込むことができた。ii)については、遺伝子変異で特徴づけられた腺癌50例についてSNP arrayを用いた解析を現在も進行中であり、その結果を用いて重複病変の分子生物学的な特性について解明したい。iii)では、これまで報告のあるEGFR遺伝子変異の組織内多様性が見かけ上の変化であることを証明し、薬剤応答性に重要な示唆を与えた。iv)では、この期間に分子標的薬として保険収載される予定であったALK阻害剤について、国内外の診断アルゴリズムの開発スタディに積極的に参加するとともに、国際的に我々の考えを提示した。その結果は日本肺癌学会の取り扱いの手引きの作成に大きく採用され、現在の臨床的判断の礎の一つを築くに至っている。内多様性が見かけ上化であることを証遺伝子変異の組織内多様性が見かけ上化であることを証遺伝子変異の組織内多様性が見かけ上化であることを証明し、薬剤応答性に重要な示唆を与えた。明し、薬剤応答性に重要な示唆を与えた。明し、薬剤応答性に重要な示唆を与えた。明し、薬剤応答性に重要な示唆を与えた。明し、薬剤応答性に重要な示唆を与えた。明し、薬剤応答性に重要な示唆を与えた。明し、薬剤応答性に重要な示唆を与えた。明し、薬剤応答性に重要な示唆を与えた。iv)では、この期間に分子標的薬として保険収載される予定であったALK阻害剤について、国内外の診断アルゴリズムの開発スタディに積極的に参加するとともに、国際的に我々の考えを提示した。その結果は日本肺癌学会の取り扱いの手引きの作成に大きく採用され、現在の臨床的判断の礎の一つを築くに至っている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2008年 -2010年 
    代表者 : 光冨 徹哉; 谷田部 恭
     
    EGFR遺伝子変異を有する肺がんにはEGFRチロシンキナーゼ阻害剤が著効する。しかし、いずれは耐性を獲得する。また、多くの肺がんはこのような初期の治療標的すら明らかでない。本研究では、頻度は少ないが、HER2やMET遺伝子異常が肺がんの新規治療標的の可能性があること、耐性獲得においてEGFR遺伝子の二次変異T790MとMET遺伝子増幅が、相補的な関連にあること、等を明らかした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2007年 -2008年 
    代表者 : 三宅 正幸; 大政 貢; 光富 徹哉; 光冨 徹哉
     
    siRNAで、CD151を中心としたインテグリン・テトラスパニン複合構成体を抑制、崩壊させることに成功した。さらに、CD151のノックアウトを行った後にMRP-1/CD9、KAI1/CD82の遺伝子治療によるカクテル療法を細胞株で行い、in vitroレベルでは、成功した。しかし、これらの細胞株を、ヌードマウスに生着させ、in vivoで数度のカクテル療法を行ったが、失敗に終わった。スキッドマウスでは、成功したので、この原因は、遺伝子導入におけるウイルスベクターの使用によるウイルス抗原に対する抗体の産生などによると考えた
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2006年 -2008年 
    代表者 : 高橋 隆; 柳澤 聖; 後藤 秀実; 梛野 正人; 光冨 徹哉; 樋田 豊明; 谷田部 恭; 梛野 正人; 光冨 徹哉
     
    本研究はマイクロNAと蛋白の発現プロファイルに着目し、4個のマイクロRNAの発現情報に基づく予後診断モデルの構築に成功するとともに、マイクロRNAと蛋白の両者の発現情報を加味したさらに高精度な予測モデルの構築にも成功した。一方、血液試料を用いた癌の早期発見を目指した膵臓癌のMALDI-MS解析による存在診断については、膵臓癌を7個の蛋白の発現量をもとに感度73%、特異度94%の高精度で検出可能とする診断システムの構築に成功した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2006年 -2007年 
    代表者 : 徳原 孝洋; 三宅 正幸; 広田 喜一; 光富 徹哉
     
    細胞運動を抑制するマウスモノクローナル抗体を作製し、その遺伝子クローニングすることで、Aminopeptidase N(APN)を同定した。APNはメタロプロテアーゼに属し、ペプチドの加水分解の最終段階で重要な役割を果たしている。現在までに我々は、APNが細胞外マトリックスへの浸潤と基底膜の破壊をきたし、癌細胞運動および血管新生の過程で、癌の転移形成、進展に関わっていることを明らかにした。更に、APN強発現の肺癌・膵癌・大腸癌患者は予後不良となることを明らかにした。以上のことからAPNを抑制することは、癌患者の予後を改善できる可能性があると考えた。マウス抗体では臨床応用すると様々な副作用を生じるため、数種のヒト型モノクローナル抗APN抗体を作製した。その中でもヒト型MT95-4抗体とヒト型MT19-12抗体は強いAPN活性抑制効果を示した。MT95-4抗体をヌードマウス血行転移モデルで投与し、肺転移を著明に抑制できることを明らかにした。更にヌードマウスの左肺に、APN強発現の肺癌細胞株を同所移植することで、縦隔リンパ節転移を生じる実験モデルを作製し、抗APN抗体のMT95-4抗体を投与すると、縦隔リンパ節転移は著明に抑制された。他の抗APN抗体は、APN活性抑制効果著明ではなかった。その効果の相違は、修飾糖鎖構造にあることが判明している。APNの転写活性部位および作用機序は未だ不明な点が残っているが、少なくとも血管新生に関してはこの糖鎖構造の役割は大きいと考えられる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2006年 -2007年 
    代表者 : 光冨 徹哉
     
    上皮成長因子受容体(EGFR)のチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)は,肺腺癌のEGFR遺伝子変異がある症例を中心に劇的な奏効が得られている.しかしながら,効果予測因子としての意義はいまだ確立したとはいえず,EGFR遺伝子以外の様々な分子の解析が患者選択への応用という面からも重要である.本研究では肺癌の個別化医療を実現するためEGFRとその周辺分子の解析と臨床像の関連についての解析を行うこととした. KRAS,PIK3CA,PTENとゲフィチニブ感受性についての検討:78例中9例にKRASの変異を2例にPIK3CA遺伝子変異を見いだした.EGFR遺伝子変異は44例に認められた.KRAS変異とEGFR変異は排他的な関係にあったが,PIK3CA変異のあった二例はEGFR遺伝子を同時に有していた.KRAS変異のある6例は一例もresponseがなかったが,PIK3CA変異のあった2例はどちらもPRであった.生存期間はEGFR変異のある症例,あるいはKRAS変異のない症例で長かった.EGFR変異ある腫瘍に限った場合,PIK3CAやPTENの発現レベルが高い腫瘍で生存が延長していた. ゲフィチニブの獲得耐性症例の解析:EGFR-TKIに奏効したほとんど全ての症例が、後には抵抗性となる.これにはコドン790のT790M変異の関与が報告されたが、その頻度などは不明であった.今回,ゲフィチニブ感受性を示した後耐性となった14例について二次変異の有無を解析した。14例中7例にT790M変異を認めたが、新規の変異は見いだせなかった.治療後にみられるT790M変異は治療前には認めなかった.二次的T790M変異は獲得耐性の半数でその原因メカニズムであると考えられた。 これらの結果は直接に臨床現場でゲフィチニブ治療の最適化に役立てることが可能である.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2004年 -2005年 
    代表者 : 光冨 徹哉; 谷田部 恭; 高橋 隆
     
    本研究開始直後の2004年4月に肺癌における上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子の突然変異が発見された。従って、分子生物学的な解析はEGFR、K-ras、p53、PIK3CA遺伝子の突然変異と臨床像との関連を明らかにすることを中心に行った。 277例の肺癌におけるEGFR遺伝子突然変異は111/277例(40%)に認められた。頻度が高いものはエクソン19の欠失変異(52例、47%)と、エクソン21のコドン858の点突然変異(49例、44%)であった。臨床病理学的因子別には、女性59%、男性26%(P<0.0001)、非喫煙者65%、喫煙者22%(P<0.0001)、腺癌49%、その他2%(P<0.0001))と、それぞれ有意差を認めた。また、EGFR変異とK-ras変異が排他的関係にあることを明らかとした。一方、p53遺伝子変異は頻度においてはEGFR遺伝子変異と独立しておこっていた。 ゲフィチニブの投与をおこなった59例のうちEGFR遺伝子の突然変異は33例、56%に認めた。ゲフィチニブ投与効果のみられたものはEGFR変異33例のうち、24例、83%、変異なし群においては2例、10%と、投与効果と変異につき有意な相関を認めた。また、EGFR変異のある症例はゲフィチニブ投与後の生存期間が有意に延長していた(p=0.0053)。さらに、K-ras突然変異は9%に、PIK3CA変異は2%に認められた。K-ras変異はのある症例では奏効例は一例もなかった、また生存期間も短かった。PIK3CAを有していた2例には同時にEGFR変異も存在し、ゲフィチニブは奏効した。 また、臨床面のデータベースの拡充のために、肺がんにおける転移リンパ節個数と予後に関して検討した。転移リンパ節個数は有用な予後因子であり、現在のTNM分類にさらなる情報を付加することが可能であると思われた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2003年 -2005年 
    代表者 : 高橋 隆; 柳澤 聖; 冨田 秀太; 光冨 徹哉; 樋田 豊明
     
    本研究において我々は、一年間に5万人を超える人命を奪っている代表的な難治癌である肺癌を対象に、高精度のゲノミクス・プロテオミクス解析能力を活用し、外科切除症例の各々の腫瘍が示す網羅的遺伝子及び蛋白発現プロファイル情報の取得とバイオインフォマティクス処理を進めた。その結果、肺非小細胞癌とくに肺腺癌について、従前の形態学的分類法では不明であった多様性を、遺伝子発現プロファイルに基づいた分子診断によって浮き彫りにすることに成功した。さらに、外科切除後における再発・死亡の予測へと応用すべく解析を発展させつつある。一方、マススペクトロメトリーを用いたプロテオミクス解析は、とくに肺非小細胞癌の外科切除標本を用いて蛋白発現プロファイルに基づいて、極めて高精度に再発・死亡を予測することを可能とするシステムの構築に成功した。さらに、各々の症例において最適な治療薬の選択を可能とするシステムの開発、ならびにプロテオミクス解析手法とバイオインフォマティクス処理技術の導入による鋭敏ながんの血液検査システムの確立などを最終的な目的とした研究を推進し、極めて多量にごく少数の蛋白が存在する特殊性を持つ血液試料を用いてマススペクトロメトリー解析による網羅的ペプチド発現プロファイリングを行うための基盤を確立することに成功した。以上の如くに3年間の本研究を通じて、ヒト肺癌をはじめとする難治癌による死亡者の減少に対する、いわば究極の統合的オーダーメード癌治療戦略システムの構築へとつながる成果を得ることができたので、今後はこれをさらに発展させていきたいと考えている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2002年 -2003年 
    代表者 : 光冨 徹哉; 谷田部 恭
     
    肺癌tissue microarray (TMA)の充実と妥当性の検討:976例の肺癌からなるTMAを作成し、通常切片との比較、蛋白とmRNA発現の関連の検討などを行いその妥当性を確認した。TMAは多数例における高速な発現検討や染色条件の最適化に有用である。 肺癌の予後因子の多面的検索:非小細胞肺癌241例を用いTMAにおいてp53、RB、p27癌遺伝子Bcl2,EGFR、神経内分泌マーカーsynaptophysin (SP)、CD56およびTTF-1について解析を行った。それぞれの遺伝子の発現率はp53 57%,RB 15%,p27 84%,Bcl2 26%,EGFR 81%,SP 2%,CD56 1.3%,TTF1 58%であった。予後との関連では、TTF-1陽性例がわずかに良好の傾向を示したに過ぎなかった。 肺癌の生物学に重要な遺伝子の検索:TTF1は末梢肺においてその発達のすべてのステージで発現されており、肺の腺癌の72%で発現していた。これらではSPAの発現とよく相関しており、形態学的にも末梢の肺とよく類似していた。TTF1は末梢肺のlineage markerとして有用であると考えられた。 14-3-3sigmaの発現を肺のneuroendocrine carcinomaにおいて検討した。カルチノイド、非定型カルチノイド、神経内分泌型大細胞癌、小細胞癌の多くで発現の減少を認めた。一方、75例の非小細胞肺癌では正常肺組織と同等の発現が保たれていた。 マスピンは細胞浸潤や運動に関連していると考えられているセリンプロテアーゼ阻害分子であるが、その発現は末梢気道のマーカーであるTTF1やSPPB1の発現と逆相関を示し、中枢気道上皮の細胞特性と関連していた。 以上のように、TMAによって多くのサンプルを短時間で、かつ同一の条件で処理することが可能であった。肺癌の分子病態の解析において非常に有用である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2000年 -2001年 
    代表者 : 石田 久雄; 瀧 俊彦; 三宅 正幸; 光富 徹哉; 金井 陸行
     
    癌転移を抑制するという目的で,我々は細胞運動抑制モノクローナル抗体を作製してきた.これらの中で,MH7-5およびMH8-11は同じエピトープを認識しており,およそ150kDaの糖蛋白であるということが判明した.この遺伝子をクローニングしたところ,2904個のopen reading flameを持つ遺伝子で,これは既にGenBankに登録されており,Aminopeptidase-N(APN)であった.これの性格を検討するために,マウスのメラノーマの低転移株であるF1にトランスフェクションしたところ,F1-APN細胞は高率に肺転移をきたした.また,ヌードマウスに移植したところ,母細胞のF1よりも高率に移植可能であり,増殖能も高まることが判明した.驚くべき事に,F1-APN腫瘍においては,高頻度に血管新生が見られ,APNは血管新生をも促進している可能性がでできた.そこで我々は,Human Umbilical Vein Endothelial Cell(HUVEC)を用い,抗APN抗体MH8-11による影響を検討した.HUVECは本来APNを細胞膜に持っており,このMH8-11抗体によりtube formationが抑制されることが判明した.そこで実際の臨床材料での相関を見るために114例の大腸癌症例で検討してみたところ、3年生存率において陽性例が80.8%であるのに対し、陰性例は95.6%と有意に(P=0.023)陽性例の予後が不良であることが判明した。また、無病率で検討してみたところ、陽性例は39.8%であるのに対し、陰性例では78.1%と、やはり有意に(P=0.014)陽性例の予後が不良であることがより鮮明に判明した。膵癌でも50例において検討したところ、中間生存期間で比較すると陽性例が9.5ヶ月であるのに対し、陰性例が13.2ヶ月と有意に陽性例のほうが不良であることが判明した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 1998年 -1999年 
    代表者 : 三宅 正幸; 光富 徹哉; 中森 正二; 瀧 俊彦; 中村 吉昭
     
    転移の制御は癌治療の大きな課題のひとつである。MRP-1は、Transmembrane 4 superfamily(TM4SF)に属しており 前立腺癌の転移抑制遺伝子としてクローニングされたKAI1/CD82もこのファミリーに属し、その機能はMRP-1/CD9と類似する。乳癌、肺癌、大腸癌では、この両者の遺伝子レベル・蛋白レベルでの減弱、喪失がその腫瘍の悪性度や予後を反映していることが明らかになった。そこで我々はまず、このMRP-1/CD9及びKAI1/CD82の遺伝子導入をアデノウイルスを用いて行った。マウスの肺自然転移株BL6を用いたin vivoの実験では、rAd-MRP-1/CD9のみでも85%の肺転移阻止率をもたらすことができた。また、平均生存期間においてもrAd-MRP-1/CD9投与群は105.6日に達し、対象群の69.7日に比べて有為に予後の改善をもたらした。そこで、更にrAd-KAI1/CD82による単独療法を試みた所、肺転移阻止率は70%に過ぎなかったが、この二者の併用療法では、実に92%の肺転移阻止率を達成し、非常に有効であることが判明した。このTM4SFは、ファミリー自体の他のメンバーやインテグリンファミリーと複合構成体を形成し、細胞接着や運動、シグナルトランスダクションなどに関わっている。そこで、更にこのTM4SF・インテグリン複合構成体そのものを抗体を用いて修復することで癌転移の抑制を試みることにした。インテグリンの抗α3,α4,α5,α6、β1抗体にMRP-1/CD9のcDNAを結合させて、トランスフェクションを試みた。しかしながら、培養細胞系においても細胞膜表面に発現してくるMRP-1/CD9はアデノウイルスを用いた場合に比べ、5%以下にすぎず、貪食能の強い特殊な細胞を用いないとイムノジーンによるトランスフェクションはかなり困難であると考えられた。これらのことを踏まえて、更なるイムノジーン療法を考案していきたい。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 1998年 -1999年 
    代表者 : 瀧 俊彦; 光富 徹哉; 三宅 正幸; 中村 吉昭
     
    肺癌は他の癌に比べ、未だに十分な治療成績が得られていない悪性度の高い癌の一つである。この原因の一つには、現在のTNM分類が、癌自体の生物学的悪性度を決定すると考えられる遺伝子異常を考慮にいれず、切除可能な肺癌を選別できていない事があげられる。これまでの我々の施設での単独研究では、遺伝子病期分類の組み合わせとしては、癌関連遺伝子のK-rasの変異と我々がクローニングした癌転移抑制遺伝子MRP-1/CD9の減弱の組み合わせが最も予後を推定するにふさわしいと考えられた。しかし、欧米の様にK-rasの変異が40%内外を占めていればこの遺伝子分類は非常に有意義であるが、日本ではK-rasの変異は10%内外にすぎず、この2者共に異常群は5%に過ぎず、この遺伝子分類はあまり有効でないと考えられた。そこで、我々はMRP-1/CD9、同様な機能を持つと考えられるKAI1/CD82や、癌抑制遺伝子であるp53、およびK-ras、細胞周期関連遺伝子であるp16、およびアポトーシス関連遺伝子であるbcl-2、baxについて、多施設共同研究を行うことにした。これまでの田附興風会医学研究所北野病因、愛知癌センターに加えて、大阪府立成人病センター、和歌山赤十字病院、滋賀県立成人病センターの症例を共同で検討することとし、この2年間に296例の遺伝子解析をおこなった。その結果、癌転移抑制遺伝子MRP-1/CD9の異常は、38.5%に見られ、KAI1/CD82の異常は72.9%、p53の変異は36.5%、K-rasの変異は8.8%に、p16は異常は36.1%、bcl-2/baxの異常比を示すものは72.4%であることが判明した。その臨床データについては全くブラインドで、本年度末をもって遺伝子解析を終了後、再発予後をとの関係を検討し、どのような遺伝子異常が、肺癌の遺伝子ステージングを行って行く上でもっとも適切であるか、統計解析していく。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 1997年 -1999年 
    代表者 : 光富 徹哉; 高橋 利忠; 高橋 隆
     
    肺癌患者におけるp53特異的ワクチン療法の開発に関連して、種々の面からp53を中心とする腫瘍抗原と肺癌の関わりに関する実験を行った。 1.肺がん患者におけるp53に対する自己抗体の検出とその臨床的意義 : 非小細胞肺癌患者において、血清中のp53に対する自己抗体を検出し、p53由来の4つのペプチドを抗原としてELISA法によって自己抗体を検出した。肺癌188例中34例(20%)に認められた。組織型では扁平上皮癌に、病期ではIII-IV期に高頻度であった。p53異常例での抗体陽性率28%はp53正常例におけるそれ(14%)より高頻度であった。また、p53抗体の有無と予後の間には関連はなかった。 2.HLA-A2発現肺癌患者におけるMAGE3遺伝子発現の頻度 : 肺癌症例において、腫瘍孤絶抗原MAGE-3の発現とA2の関係を検討した。蛋白レベルでのA2発現は17例(30%)であり、この17例におけるMAGE-3発現は5例(29%)で、そうでない症例中のMAGE-3発現頻度19/40例(48%)に比して有意差は認められなかった。MAGE3とA2を共に発現している肺癌に対して、MAGE-3特異的な肺癌腫瘍免疫既に生体内で成立し作動している可能性は低いことが示唆された。 3.樹状細胞をもちいたHLA A24拘束性p53特異的CTLの誘導 : 6種のp53由来ペプチド(9-10mer)を用いて、健康人PBMCより単球由来の成熟樹状細胞を作成し、これを抗原提示細胞として刺激を行った。いずれのペプチドでも特異的なCTLの誘導はできなかった。この6種類のペプチドにはその能力が無い可能性があるものの今回は健康人由来のPBMCを用いてCTLの誘導を試みたため、CTL前駆細胞の頻度が検出限界以下であった可能性もあり、今後担癌患者を含めたドナーの末梢血を材料としてCTL誘導を試みていくことが必要であると考えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 一般研究(B)
    研究期間 : 1992年 -1994年 
    代表者 : 光冨 徹哉; 白日 高歩
     
    本研究の目的は、肺癌における種々の遺伝子異常を検索し、この臨床的意義を考察することであった。まず、福岡大学と産業医科大学での切除された肺癌120例において、p53遺伝子突然変異を検討し、これは、特に進行病期症例で有意な予後不良因子であることを明らかにした。しかしながら、この研究対象となった集団は、二施設に及び、かつ必ずしも時間的に連続していないために、バイアスがかかっていると考えられた。このため、産業医科大学でのほぼ連続した129例を用いてその後の検討を行った。p53遺伝子の解析はDNAレベルと免疫組織学的検討の両方を行った。このコホートでは、p53の異常は腺癌症例では有意な予後不良因子であったが、扁平上皮癌では有意差がなく、予後に関する影響は、腺癌と扁平上皮癌では異なっていた。 次に、microsatellite polymorphismをもちいた3p,5q,9pのヘテロ接合性の喪失(LOH)の解析を行い、それぞれ51%、31%、23%での症例に認められた。早期症例の生存と一期症例の無病生存期間については3pLOH群は有意に予後不良であった。網膜芽細胞腫遺伝子rbの染色性の喪失は、22%の症例に認められ、これは、腺癌により高頻度であったが、予後との関連はなかった。 p53、ras、erbB2、3p、5q、9p、rbを考慮した多変量解析ではoverallの生存に関しては、切除の完全性のみが有意な予後因子であった。しかし一期肺癌の無病生存期間を用いた解析を行うと。3pのLOHは独立した予後不良因子であることがわかった。 以上の研究においてp53、及び3pLOHが今後の肺癌の診療に有用なマーカーである可能性が示された。しかし、一方で、今日一般臨床で用いられている、病期等を凌駕するような遺伝子異常は見出されず、この様なアプローチからのみでの肺癌の予後の改善の難しさも明らかとなった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 国際学術研究
    研究期間 : 1991年 -1992年 
    代表者 : 中西 洋一; 劉 崇智; PIANTADOSI S; LINNOILA Ilo; MULSHINE Jam; 光富 徹哉; 常盤 寛; 信友 浩一; 栗田 幸男; 重松 信昭; 光冨 徹哉; 栗田 幸夫
     
    肺癌発生と喫煙との関係は明瞭であるが、従来から、女性肺腺癌患者の喫煙率は低いといわれている。そこで、女性肺癌に焦点を当て、その背景因子を他国間との比較の下に検討すること、ならびに、喫煙以外の肺癌発生要因を検討することを本研究の目的とした。 中国雲南省富源県は肺癌の多発地帯として知られているが、同地区は90%以上が農耕漢民族で、女性に喫煙習慣が無い。そこで、同地区を中心として喫煙以外の肺発癌の環境要因の検討を行った。さらに、肺組織内に沈着した発癌物質について、日中の切除標本について比較検討を行った。 1.中国雲南省富源県における肺癌の発生状況 中国雲南省富源県における1986年から1988年にかけての死因調査を行った。調査対象1,511,645名中5,763名が死亡した。この内、悪性腫瘍死亡率(訂正死亡率)は、10万対61.00(男性76.00、女性44.00)であったが、その内、肺癌死亡率は、10万対51.9(男性64.9、女性36.1;男女比1.81:1)で共に他臓器癌と比較して群を抜いて多かった。なお、1973年から1975年にかけての中国全体での肺癌死亡率(粗死亡率)は、10万対5.0と報告されている。 富源県は10行政区に分割されている。各行政区についての肺癌死亡率をみると同県の北部は南部と比較し死亡率が高かった。たとえば、北部の死亡率最多行政区(大河)は南部のそれ(富村)の16倍であった。 2.現地環境調査と資料中の変異原活性の解析 平成2年6月に富源県の中心都市(中安鎮)と北部の農村に入り現地環境調査と標本の採取を行った。農村部の伝統的な家屋は2階建てであるが、1階は台所兼居間として使用され、2階は寝室兼貯蔵庫として使用されている。1階と2階の仕切りは、中央部が梁に細竹を通しただけの構造となっている。2階の天井は一部吹抜けになっており、この部位を通じて室内の煙の大半が屋外へ排出される仕組みになっている。多くの農家では、現地で産出される石炭を粉砕し、土と水を混合して固めたものを家庭用燃料として使用していた。1階で炊事・暖房用に燃やされた石炭の煙は、2階の寝室兼貯蔵庫に立ち上り、ハムの薫煙にも利用されている。すなわち、家庭内において、高濃度の石炭燃焼物に暴露されていることが示唆された。 このような生活様式と生活環境は重要な肺癌発生要因と推察されたが、一般家庭の生活様式は富源県の南部と北部で大きく異なるわけではなく、同県南北での肺癌死亡率の差異を説明することはできなかった。 富源県北部一帯では有煙炭が、南部では無煙炭が産出される。そこで、当地における燃料炭の燃焼物と室内に沈着したスス中の変異源性物質を検討した。その結果、富源県北部農家の家屋に沈着したススと北部の石炭(有煙炭)燃焼物中の変異原性が高く、有煙炭由来の半コークスと南部の無煙炭中のものは低かった。 3.肺癌切除患者の肺組織に沈着した発癌物質の日中比較 中国富源県の肺癌患者21例、日本人の胸部疾患患者137例の切除肺組織中のベンツピレン(BaP)、1-ニトロピレン(1-NP)の濃度及び変異原活性(YG1204,-S9 YG1029,+S9)を測定し、その相関をみた。BaPについては、グラム乾燥肺重量当たり、中国例608.7±477.1pg、日本例180.3±103.7pgであった。1-NPについては中国例5.9±2.4pg、日本例21.3±12.4pgであった。BaP濃度が高い中国例は、日本例に比べてYG1204,+S9に対する変異原活性が高く、1-NP濃度が高い日本例は、中国例に比べてYG1204,-S9に対する変異原活性が高かった。 4.まとめ 中国雲南省富源県北部は、男女共に肺癌死亡率が高かった。その原因として、生活様式に基づく住居環境、ならびに、燃料用の石炭の成分が重要と思われた。肺発癌に石炭由来の発癌物質の関与が示唆された。日本肺では、中国肺と異なり、石油由来と思われる発癌物質の沈着が多かった。産業構造の変革に伴いこのような相違が生じたと思われた。日米でいわれている肺腺癌の増加との関連の有無等につきさらに解析する必要があると思われた。また、女性肺癌として始めた検討は、非喫煙因子の解析に帰結することになった。
  • 培養線維芽細胞を用いた発関遺伝子,温熱感受性及び熱ショック蛋白合成の関連の検討
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 奨励研究(A)
    研究期間 : 1989年 -1989年 
    代表者 : 光冨 徹哉

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