『サ-ジカルフォ-ラム』直腸癌前方切除におけるJ型結腸嚢再建の適応と長期排便機能 [通常講演]
肥田 仁一; 吉藤 竹仁; 松本昌子; 服部高史; 上田 和毅; 石丸 英三郎; 所 忠男; 安富 正幸; 塩﨑 均; 奥野 清隆
第68回日本臨床外科学会総会 2006年11月 広島 第68回日本臨床外科学会総会
目的/方法:従来のストレート再建(S)による前方切除では吻合が低位になるほど貯留能が減少し機能は不良となる.そして欧米GuidelineにはJ型結腸嚢再建(J)で機能改善するべしとあり,そのevidenceはA~EのBと強い.すなわち術後1年までのJの機能がSに勝ることはrandomized studyで証明されたが,Jの適応(肛門縁から吻合部までの距離の上限)とJによる2年以上の機能改善の有無が問題.1,3,5年にJ(48例)とS(80例)の機能を17項の問診からなる点数域0(良)~26(不良)のスコアと貯留能(内圧測定)で評価.結果:スコア:[1年]吻合部までの距離が1-4 cmではJ5.6,S10.2(P=0.0002)で17項中差があったのは(a)日中と(b)夜間の排便回数,(c)我慢,(d)soiling,パッド,失禁,自己評価の7項.吻合が5-8cmではJ3.5,S5.2(P=0.0038)で差があったのは(b),(c),(d)の3項.吻合が9-12 cmのSは3.4で5-8 cmのJと差がない(P=0.9404).[3年]吻合が1-4cmでJ5.3,S9.6, 5-8cmでJ3.1,S3.8で差があったのはそれぞれ1年と同じ7,3項. [5年]吻合が1-4cmではJ3.7,S7.3で差があったのは(a),(b),(c),(d)の4項.5-8cmではJ2.1,S2.7