角膜潰瘍に対するReal Time PCR法による菌同定と定量 [通常講演]
板橋 幹城; 檜垣 史郎; 水野 眞由美; 福田 昌彦; 下村 嘉一
第32回角膜カンファレンス 2008年02月 浦安市 第32回角膜カンファレンス
目的:角膜潰瘍の診断のため、サイクリングプローブを用いたReal Time PCR法(Cycleave PCR)にて、短時間で起炎菌(細菌、真菌)の同定と定量を行った。方法:角膜潰瘍の患者で起炎菌同定のため、角膜擦過により検体を採取し、培養検査を行った23眼に対して、同時にEye Wash法にて涙液を採取した。サンプル涙液よりDNAを抽出し、S. aureus, S. pneumoniae, P. aeruginosa, MRSA, Candida sp., Fusarium sp.に対して設計したサイクリングプローブ、プライマーを使用し、同じ反応系を用いる事により、1回の測定で同時に起炎菌の同定、定量を行った。培養結果とCycleave PCR法の結果を比較検討した。結果:培養結果とCycleave PCR法とによる結果が11眼において一致し、これらの起炎菌はS. aureus 2眼(平均 2.6±1.8×10 コピー)、S. pneumoniae 3眼(8.4±6.6×10^3)、Candida sp. 3眼(7.1±3.6×10^3)、P. aeruginosa 2眼(3.8±1.2×10^2)、MRSA 1眼(3.8±1.2×10^2)であった。結果が一致しなかった9眼では、培養で菌が検出されなかったか、上記検出菌以外の菌が