![]() | 長澤 康弘 (ナガサワ ヤスヒロ)
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本研究では排気フードの捕集性状を表す排気フードの分配率を定義し、空調擾乱がある状態での排気フードの捕集率測定方法を検討する。また、この測定方法を検証することを目的とした数値実験を行い、排気フードの分配率と既往文献において提案されている捕集性状を表す指標を比較する。さらに、数値実験結果に基づいて排気フードの分配率を測定する際の適切なトレーサガス供給時間に関する検討結果について報告する。
数値実験により初期分配率から捕集率を推定する方法について検討する。はじめに、空調吹出口からの気流(以下、空調擾乱と記す)や調理作業者の移動に伴う気流(以下、人体擾乱と記す)の影響によってトレーサガスが排気フードに再捕集される状況を想定した数値実験を行い、捕集率と分配率を算出する。さらに、これらの結果に基づいて初期分配率から捕集率を推定する方法について検討した結果を報告する。
再捕集がある状況で分配率とストップ法による捕集率を種々の条件で実験で求め、初期分配率から捕集率を推定する方法を検討する。さらに、測定時間間隔が比較的長い測定システムを用いた場合においても初期分配率から捕集率を推定し得ることを示す。
本研究では、測定時にトレーサガスの再捕集がある場合において初期分配率から捕集率を推定する方法を検討する。本報(第3報)では、実験により得られる濃度測定値から求められる分配率に基づいて捕集率を推定する方法を整理する。次に、トレーサガスが発生してから排気フードにより排出されるまでに要する時間を平均排出時間として定義する。また、トレーサガス濃度をトレーサ粒子の数で表現し、平均排出時間を求める方法について検討する。