内山 卓也(ウチヤマ タクヤ)

医学科講師

Last Updated :2024/10/10

■教員コメント

コメント

不随意運動症に対する脳深部電気刺激術、疼痛に対する脊髄硬膜外刺激療法、痙縮に対するバクロフェン髄腔内投与療法やボツリヌス療法について診察、研究を行っています。

■研究者基本情報

学位

  • 医学博士(近畿大学医学部大学院)

科研費研究者番号

50278686

研究キーワード

  • 神経圧迫症候群   顔面痙攣   血管内手術   神経原性高血圧症   誘発筋電図   脳動脈瘤   未破裂   クモ膜下出血   

現在の研究分野(キーワード)

不随意運動症に対する脳深部電気刺激術、疼痛に対する脊髄硬膜外刺激療法、痙縮に対するバクロフェン髄腔内投与療法やボツリヌス療法について診察、研究を行っています。

研究分野

  • ライフサイエンス / 脳神経外科学
  • ライフサイエンス / リハビリテーション科学

■経歴

経歴

  • 2013年  近畿大学医学部講師

■研究活動情報

論文

  • 吉岡 宏真; 奥田 武司; 内山 卓也; 高橋 淳
    臨床検査 67 5 490 - 494 (株)医学書院 2023年05月 
    <文献概要>Point ●脳室とは,脳脊髄液(CSF)で満たされた脳内の空間のことである.左右一対の側脳室と正中に第三脳室・第四脳室が1つずつ存在し,合計計4つの脳室から成る.これらは相互に連絡があり,頭蓋内・脊髄腔内のくも膜下腔へと交通することで,CSFは脳室内,脳内,脊髄腔内を循環している.●CSFは主に脳内から排出される間質液から生成され,一部は脈絡叢から生成される.脈絡叢から生成されるCSFは人間の恒常性(ホメオスタシス)の維持の重要な役割を担っている.●CSFの産生と吸収機構の概念は100年間変わることがなかったが,2010年代に入って大きく変化し,新たな概念へと革新された.●新たな概念とは,脈絡叢や脳細胞から産生される間質液がCSFとなり,脳室とくも膜下腔に排出されるCSF,くも膜顆粒を介して静脈洞から吸収される経路だけではなく,硬膜リンパ管からも吸収されるということである.
  • 古川 健太郎; 内山 卓也; 濱田 有深; 宮内 正晴; 中野 直樹; 加藤 天美; 高橋 淳
    機能的脳神経外科 59 19 - 23 (一社)日本定位・機能神経外科学会 2020年12月 
    DBS術後のIPG交換術は手術メス、剥離子、剪刀を用いて行い、手技的に難しいものではない。しかし、IPGおよびエクステンション周辺の結合組織は強固に癒着しており剥離に時間を要し、エクステンションの切断やポリウレタン、シリコン部分の損傷をきたす危険がある。近年、海外の心臓ペースメーカーの交換術において、創切開や周辺組織の剥離、切断が容易で、特にエクステンション周囲の剥離においてもポリウレタン、シリコン部分やエクステンション内部のリード線自体の損傷をきたすことが少ない、プラズマブレード(Medtronic社)が用いられるようになってきている。そこで、本邦で初めてプラズマブレードをIPG交換術に使用し、その有用性について報告する。プラズマブレードは、従来から使用しているモノポーラーと仕様は同じだが、短いパルス高周波(RF)エネルギーを利用し、薄い絶縁電極の刃先に沿ってプラズマを発生させ、組織への熱損傷を抑えることができ、手術メスの精密さと電気手術器が持つ止血効果の双方を兼ね備えた軟部組織切開器具である。手術メスの代わりに皮膚切開から使用でき、周辺組織の切開、剥離が容易で、IPGおよびエクステンション周囲のポリウレタン、シリコン部分に損傷をきたさず、回路インピーダンスにおいても異常はなく、安心・安全に手術が行える。また手術時間の短縮にもつながりその有用性は高いと考えられた。(著者抄録)
  • IPG交換術におけるプラズマブレードの有用性
    古川 健太郎; 内山 卓也; 濱田 有深; 宮内 正晴; 中野 直樹; 加藤 天美
    日本定位・機能神経外科学会プログラム・抄録集 59回 128 - 128 (一社)日本定位・機能神経外科学会 2019年12月
  • 脳深部刺激電極の留置のTips
    中野 直樹; 宮内 正晴; 内山 卓也; 加藤 天美
    日本定位・機能神経外科学会プログラム・抄録集 59回 129 - 129 (一社)日本定位・機能神経外科学会 2019年12月
  • 痙縮と合併する疼痛に対するITB療法の効果
    内山 卓也; 宮内 正晴; 中野 直樹; 加藤 天美
    日本定位・機能神経外科学会プログラム・抄録集 59回 144 - 144 (一社)日本定位・機能神経外科学会 2019年12月
  • 内山 卓也; 吉岡 宏真; 布川 知史; 加藤 天美
    臨床神経生理学 46 5 380 - 380 (一社)日本臨床神経生理学会 2018年10月
  • 内山 卓也; 加藤 天美
    脳神経外科ジャーナル 25 2 149 - 156 日本脳神経外科コングレス 2016年 
    痙縮はさまざまな中枢疾患により生じ, 重度の痙縮においては運動麻痺に筋緊張や不随意運動が加わることにより随意的な運動が妨げられ, 患者の日常生活動作を低下させる. このような患者を対象としてバクロフェン髄腔内投与療法 (ITB) 療法が導入され, その有効性や安全性から痙縮に対する重要な治療法として位置づけられている.
     本邦でも2006年に導入されて以来, すでに1,000例を超える手術が行われ, 認知度は広がったが, ITB療法に携わる脳神経外科医は限られており, 適応となる疾患も脊髄損傷・脳血管障害・頭部外傷・痙性対麻痺・脳性麻痺など幅広く, いまだ十分にこの治療の恩恵を受けていない患者がいると推察される. そこで自験例と過去の文献を合わせITB療法の適応疾患, 基本的手術手技, 治療効果と, 今後の課題について報告する.
  • Takuya Uchiyama; Kinya Nakanishi; Norihito Fukawa; Hiromasa Yoshioka; Saori Murakami; Naoki Nakano; Amami Kato
    NEUROLOGIA MEDICO-CHIRURGICA 52 7 463 - 469 2012年07月 [査読有り]
     
    Intrathecal baclofen (ITB) therapy is a treatment for intractable spasticity due to a variety of causes. Continuous intrathecal administration of baclofen, an agonist of the inhibitory neurotransmitter gamma-aminobutyric acid, inhibits excitation of motor neurons at the spinal level and thus suppresses spasticity. This therapy was introduced clinically in the Europe and the United States in the 1990s, and was finally approved by the Japanese Ministry of Health, Labour and Welfare in Japan in 2005. Clinical use has been permitted since 2006, and reports of therapeutic efficacy are now appearing in Japan. ITB therapy is a non-destructive treatment that enables administration of baclofen from an implantable pump under the control of a programmer, and represents an outstanding treatment method offering both reversibility and adjustability. Indications for ITB therapy have been expanding in recent years to include not only spasticity, but also various causes dystonia. And ITB therapy can greatly improve activities of daily living and quality of life, and this treatment is attracting attention as a neuromodulatory therapy that also affects metabolic and respiratory functions and even state of consciousness. We here report the surgical methods and therapeutic outcomes for 22 patients who underwent ITB therapy for spastic and dystonic patients in our hospital, together with an investigation of the effects on metabolic and respiratory functions.
  • Kinya Nakanishi; Takuya Uchiyama; Naoki Nakano; Norihito Fukawa; Kimito Yamada; Tomonari Yabuuchi; Amami Kato
    JOURNAL OF CLINICAL NEUROSCIENCE 19 4 594 - 597 2012年04月 [査読有り]
     
    Subarachnoid blood has been reported as a cause of chronic spinal arachnoiditis. Although syringomyelia has been thought to be caused by spinal arachnoiditis, reports of syringomyelia following aneurysmal subarachnoid hemorrhage (SAH) are very rare. We describe two patients with syringomyelia associated with chronic spinal arachnoiditis following SAH. From January 2001 to December 2010, 198 patients with aneurysmal SAH were treated at Kinki University School of Medicine. Two of the 198 patients had syringomyelia following aneurysmal SAH; thus the rate of syringomyelia associated with aneurysmal SAH was 1.0%. Patient 1 was a 54-year-old woman who presented with back pain, back numbness and gait disturbance 20 months after SAH. Her MRI revealed syringomyelia of the spinal cord from C2 to T10. She underwent shunting of the syrinx to the subarachnoid space. Patient 2 was a 49-year-old man, who was admitted to the hospital with headache, diplopia, hoarseness, dysphagia and ataxia five months after SAH. MRI revealed syringomyelia from the medulla oblongata to C6, and an enlargement of the lateral and fourth ventricles. After foramen magnum decompression and C1 laminectomy, a fourth ventricle-subarachnoid shunt was placed by insertion of a catheter. Spinal arachnoiditis and spinal syringomyelia are rare but important chronic complications after SAH. (C) 2011 Elsevier Ltd. All rights reserved.
  • Nakanishi K; Nakano N; Uchiyama T; Kato A
    Adv Orthop 2011 516382  2011年06月 [査読有り]
  • 杉江 美穂; 森下 直樹; 内山 卓也; 上野 聡
    The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine 46 4 251 - 254 公益社団法人 日本リハビリテーション医学会 2009年 
    We report a 30-year-old man with an extensive cerebral contusion. He presented with severe left upper and lower limb paralysis and mild right lower limb palsy. He was diagnosed with severe sleep apnea syndrome and was treated with nighttime nCPAP (nasal Continuous Positive Airway Pressure). Four years after the injury, he was able to walk with Lofstrand crutches. However, he gradually began to have difficulty standing, walking and driving his wheelchair because his spasticity developed markedly. He received ITB (intrathecal baclofen) therapy and noted a reduction in spasticity. He was once again able to drive his wheelchair and to walk with support. In addition, his respiratory function didn't show any deterioration. Spasticity is a common complication after cerebral or spinal cord injury, for which treatment has been difficult. ITB therapy can dramatically reduce spasticity, but has been demonstrated that it may also depress respiratory function in patients with respiratory insufficiency. This case suggests that ITB therapy may reduce spasticity without affecting respiratory function even in patients with a respiratory disorder.
  • 中野 直樹; 内山 卓也; 奥田 武司; 北野 昌彦; 種子田 護
    Journal of Neurosurgery 102 6 1137 - 1141 The American association of Neurological surgeons 2005年06月 [査読有り]
     
    糖尿病に合併する稀で難治性の不随意運動であるHemichorea-hemiballismの症例に対し,脳深部刺激術を行い,良好な結果を得たので報告した。この疾患に対する脳深部刺激療法は本例が初めての報告である。(英文)
  • 高齢者における定位脳手術の経験
    内山 卓也; 中野 直樹; 金 章夫; 種子田 護
    Geriatric Neurosurgery 15 33 - 38 日本老年脳神経外科学会事務局 2003年06月 
    高齢者の不随意運動症に対する定位脳手術の有効性,合併症,問題点など当施設での成績を含め論説した.
  • 奥田 武司; 赤井 文治; 中野 直樹; 内山 卓也; 種子田 護
    脳と神経 55 1 65 - 69 医学書院 2003年01月 [査読有り]
     
    症例は40歳男性、前医より原因不明の難治性髄膜炎にて入院となった。
    精査するも原因不明であり、臨床経過より結核性髄膜炎を疑うもPCRでは否定的であった。死亡後、病変組織のPCRより結核菌が証明され、結核性髄膜炎と確定した。結核性髄膜炎の診断の困難さを報告した。
  • インフォームドコンセントの実際:Case 10 脳血管撮影
    布川 知史; 中野 直樹; 内山 卓也; 赤井 文治; 種子田 護
    脳神経外科速報 12 10 771 - 774 メディカ出版 2002年10月 
    脳血管撮影を施行する際に、患者様への説明として、脳血管撮影の目的、必要性、有効性、方法、そして起こりうる合併症を、臨床の現場の立場から述べ、実際のインフォームドコンセント用紙を提示し解説する。

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2013年04月 -2016年03月 
    代表者 : 内山 卓也; 加藤 天美
     
    痙縮やジストニア症例は筋緊張亢進のために代謝機能が亢進していると考え、治療による筋緊張亢進症状の改善が代謝機能にどの程度及ぼすかを呼気ガス分析装置による安静時代謝を計測することにより検討した。安静時代謝を計測した全例で術前安静時代謝は亢進しており、術後は全例低下した。特に痙縮が全身に及ぶ症例では術前計測した安静時代謝が標準化した値よりも1.7倍以上の高値を呈しており、ITB手術後に著明に改善した。代謝機能改善は、痙縮の重症度改善と相関する傾向にあり、術後のITB療法の調整に用いる事ができると考えられた。代謝を標準化した値に近づければよりITB手術のコントロールができる可能性を示唆した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2008年 -2010年 
    代表者 : 片岡 和夫; 山田 恭史; 中村 英剛; 渡邉 啓; 内山 卓也; 木本 敦史
     
    くも膜下出血の主要な原因となる脳動脈瘤は後天的要因により発生すると考えられている.そこで一般人口における脳動脈瘤が発生する可能性について検討を行った. 当院脳神経外科外来にてくも膜下出血とは関連のない症状でMRI,MRAを施行した症例の中で5-7%に未破裂脳動脈瘤を認めた.さらに加齢により動脈瘤発見の頻度は上昇する.その中で1例に脳動脈瘤の新たな発生を確認した.破裂動脈瘤では新たに発生した動脈瘤からの出血を確認できた症例は現時点では認めていない.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1999年 -2000年 
    代表者 : 内山 卓也
     
    神経圧迫症候群の発生機序は血管圧迫部の神経におけるaxo-axonal transmission即ちephapsisとそれに伴って生じた同部での過剰興奮に求める考え方(Howe:Arch Neurol Psychiatr,1937)と圧迫部よりの慢性的な求心性刺激を受けた神経核の機能的異常とするもの(Mφller:J Neurosurg,1984)があるが見解の一致を見ていない. 今回の我々の研究では、人体例において患側の椎骨動脈の一時的遮断だけで顔面神経痙攀の消退と(臨床上の消退)、顔面神経誘発筋電図上の異常波形(lateral spread response)の消失を確認しえた(生理機能検査上の消退)。このことは血管による神経の機械的な圧迫だけではなく拍動が神経圧迫症候群の発症に極めて重要であることを意味する。(論文準備中) さらにこの検査に用いた血管内外科手技のみで長期にわたって顔面神経痙攀の消失例がある。これは新たな治療法の可能性を示すものである。 高血圧自然発症ラットによる実験結果は、血管鋳型モデルの延髄レベル標本での解析では、左右椎骨動脈形態上の有意差は認められず、わずかに左側でやや蛇行の傾向が認められるのみであった。細動脈、毛細血管の密度にも有意差は認めていない。 一方椎骨動脈結紮モデルでは左側結紮群において死亡率を含めた予後に有意差が認められた。さらにこれらは週令の高い群で見られ、低い群(幼若時に結紮を行ったもの)では血圧上昇が抑制された。(論文準備中) 臨床例は今だ限られるが、拡張期血圧の高いessential hypertensionの例に椎骨動脈閉塞による降圧がわずかに認められた。しかし急速な降圧は得られないため有意差は認められない。長期間に渡る検討ができない検査のため、限界がある。機械的な刺激を減ずるほどの血管内手技は現在のところ危険性が高いため行えない。

その他のリンク