大田垣 仁(オオタガキ サトシ)

文芸学部 文学科日本文学専攻准教授

Last Updated :2025/01/22

■教員コメント

コメント

比喩表現を手がかりに、言葉の形と意味がミスマッチをおこす現象を研究しています。語の意味変化や新語の形成メカニズム、キャラクターと言語の関係にも注目しています。

報道関連出演・掲載一覧

<報道関連出演・掲載一覧> ●2024/7/17  北海道テレビ「イチオシ!!」  「パンの耳」はどうして「耳」と呼ぶのかについて ●2022/10/6  読売テレビ「朝生ワイドす・またん!」  「パンの耳」はどうして「耳」と呼ぶのかについて ●2020/7/26  読売テレビ「たとえるバラエティクイズ!鼻からスイカ」  フットボールアワー後藤さんの例えツッコミについて ●2018/11/28  朝日新聞  「ことばの広場」生活の中の慣用句について

■研究者基本情報

学位

  • 博士(文学)(大阪大学)
  • 修士(文学)(大阪大学)

科研費研究者番号

60732360

プロフィール

  • メトニミー(換喩、metonymy)を中心に、名詞句に生じる比喩の認知意味論と語用論を研究しています。

研究キーワード

  • 日本語学   認知意味論   メンタル・スペース理論   比喩   換喩   メトニミー   

現在の研究分野(キーワード)

比喩表現を手がかりに、言葉の形と意味がミスマッチをおこす現象を研究しています。語の意味変化や新語の形成メカニズム、キャラクターと言語の関係にも注目しています。

■経歴

経歴

  • 2019年04月 - 現在  近畿大学文芸学部准教授
  • 2012年09月 - 現在  花園大学非常勤講師
  • 2015年04月 - 2019年03月  近畿大学文芸学部講師
  • 2013年03月 - 2015年04月  大阪大学大学院文学研究科助教

委員歴

  • 2023年04月 - 現在   関西言語学会   関西言語学会大会運営委員
  • 2018年12月 - 現在   日本語用論学会 メタファー研究会   運営委員
  • 2015年01月 - 現在   大阪大学国語国文学会   運営委員
  • 2012年04月 - 現在   土曜ことばの会   事務局
  • 2021年06月 - 2024年05月   日本語学会   大会企画運営委員
  • 2022年07月 - 2023年03月   日本語学会   2022年度秋季大会実行委員長
  • 2022年07月 - 2023年03月   日本語学会   日本語学会2022年度秋季大会実行委員長
  • 2021年07月 - 2022年03月   日本語学会   日本語学会2021年度秋季大会実行委員
  • 2020年07月 - 2021年03月   日本語学会   2020年度秋季大会実行委員
  • 2021年   日本語文法学会   日本語文法学会第22回大会実行委員
  • 2012年06月 - 2013年03月   言語系学会連合   事務委員
  • 2012年06月 - 2013年03月   日本語学会   庶務委員

■研究活動情報

論文

  • 種による提喩は換喩なのか?—種による提喩の背景にある2種類の推論̶—
    大田垣 仁
    文学・芸術・文化 : 近畿大学文芸学部論集 35 2 19 - 38 2024年03月 [査読有り]
  • 大田垣 仁
    語文 116、117 58 - 74 2022年03月 [査読有り][招待有り]
     
    この論文では提喩がもつ性質、つまり提喩が名詞句に対して行う外延の操作がどのような性質をもっているかについて、再考する。それにより、換喩と提喩の間にある対立を止揚するための基礎付けを行う。 --- 訂正箇所の指摘(2024年5月24日) 本文(p.233とそれ以降)でSpとSgの表記が逆になっていた。正確には、Sgが〈一般化〉でSpが〈個別化〉であった。gはgénéralisationではなくgénéralisanteの略であり、pはpersonnalisationではなくparticularisanteの略であった。グループμによる一般化と個別化の位置づけ(i.e. 一般化=下位概念を表すために、それを本来表すことばのかわりに上位概念のことばを使用する。個別化=上位概念を表すために、それを本来表すことばのかわりに下位概念のことばを使用する)が、近年の提喩の定義(i.e. 類による提喩=上位概念のことばが下位概念の意味に限定される、種による提喩=下位概念のことばが上位概念を代表する。谷口2003:132 参照)と逆になっていた。つまりグループμの定義と近年の定義とで、上下のどちらのカテゴリーを定義の基準として現象を捉えるかが反転していたため筆者に錯誤がおこってしまった。よって、SgΠが“全体で部分をあらわす関係”、SgΣが“類で種をあらわす関係”になる。そして、SpΠが“部分で全体をあらわす関係”、SpΣが“種で類をあらわす関係”になる。
  • 大田垣 仁
    語文 115 2020年12月 [査読有り]
     
    隠喩タイプの定式化(p.86)について、F()の括弧内にはパラメーター(=スペース)が入る。これが式(51)では2つになっているが、状況によりそれ以上になりうる(e.g.(53))。(53)では、F隠喩()にパラメーター“ミルク、I、 海”が代入されることで、任意の現場スペースMにおける牡蠣の値を限定する。このとき、パラメーター「海」は特定の場所ではなくイマジナリーなもので、「牡蠣」のフレームから“密輸”されたものと考える。よって定式(51)は厳密には、 F隠喩(r1, M1,M2,…Mn)=r2(M3) [r1=N2, M1=I, M2=N1, M2⊂M1, M3=任意の現場] となる。 この論文は比喩が介在した名詞句の指示がテーマだったので古めのメンタル・スペース理論を用いて、定式化における他の比喩との一貫性を力業で保とうとしていますが、今にして思えば特に隠喩にかんしては、ブレンディングを使った方が綺麗にモデル化できたようにも思われます。
  • 換喩における指示をめぐって 名詞句に生じる換喩の境界線
    大田垣 仁
    メタファー研究2 2019年12月 [査読有り][招待有り]
  • 比喩によって生じるキャラクター属性—ラベルづけられたキャラクタの観点からみた—
    大田垣 仁
    バリエーションの中の日本語史 269 - 287 2018年04月 [査読有り][招待有り]
  • 換喩と名詞述語文—措定文の述語名詞に換喩は生じるのか—
    大田垣 仁
    文学・芸術・文化 29 2 17 - 34 2018年03月 [査読有り]
     
    いわゆる措定文の述語名詞に注目し、語用論的コネクターによる拡張的な指示が生じるかどうかを論じました。Ruiz de Mendoza の指摘によると英語にはそれがあるようですが、果たして日本語にはそれがあるのでしょうか?
  • 換喩と種差——換喩使用の目的と条件——
    大田垣 仁
    語文 109 1 - 19 2017年12月 [査読有り]
     
    語用論的コネクターによる拡張的な指示をもつ、真性の換喩が成立する条件を「対応と対比」という観点から分析しました。換喩による指示が条件がそろえば柔軟に成立することを予測可能な形で示しました。
  • 指定辞「トイウ」の比喩的な用法について—コピュラ文との対照からみた—
    大田垣 仁
    語文 105 2 - 19 2015年 [査読有り]
     
    N1トイウN2 という形式(←!)に隠喩、換喩、提喩が生じることがあります。書籍のタイトルを網羅的に調査することで、このパターンに合致する比喩の類型を記述しました。
  • 換喩もどきの指示性について
    大田垣 仁
    語文 第100・101輯 1 - 14 2013年12月 [査読有り]
     
    西村・野矢(2013)『言語学の教室』,中公新書 に触発されて書きました。 語用論的コネクターをもたないみせかけの換喩(=換喩もどき)と真性の換喩との違いを指示性の観点から検証しました。最近では、換喩もどきも隣接性認知や動詞フレームにかかわる問題としてより深く研究していく必要があると考えています。
  • 換喩と名づけ—換喩とエボニムの定着の比較からみた—
    大田垣 仁
    国語語彙史の研究 31 109 - 125 2012年04月 [査読有り]
  • 大田垣 仁
    待兼山論叢 45 21 - 36 大阪大学大学院文学研究科 2012年01月 [査読有り]
     
    *この論文が現在の大田垣による換喩研究の基本的な考えになっているのでこちらからお読み下さい。
  • 大田垣 仁
    日本語の研究 5 4 31 - 46 日本語学会 2009年10月 [査読有り][招待有り]
     
    換喩は言語表現の指示対象や意味が字義通りのものから関連する別の事物にずれる現象である。大田垣(2009)では換喩の中でも特に名詞句の位置に生じる換喩を「指示的換喩」と名づけ、これを金水(1990)の議論をもとに名前の転用の有無によって名前転送型と役割転移型にわけた。役割転移が名前の転用をおこなわないフレーム内での認知操作であるのに対して、名前転送には臨時的なものと語彙化したものがあり、名詞の通時的意味変化に中心的にはたらく指示的換喩は名前転送型と考えられるが、その変化の条件が何であるかはまだよくわかっていなかった。本稿では、まず、名前転送が語彙化する動機づけとして「命名的要因・認知的要因・文化的要因」という3つの要因を提案した。さらに『日国オンライン』から語義に換喩による意味拡張をもつ名詞を抽出し、名詞の関数的な側面(名前と役割の区別、普通名詞と固有名詞の区別)に注目することで語彙化の類型を定式化した。
  • 名詞の関数的な側面からみた指示的換喩の2つのタイプ―名前転送と役割転移―
    大田垣 仁
    KLS 29 23 - 33 2009年06月
  • 日本語換喩表現の研究—名詞句単位の換喩を中心に—
    大田垣 仁
    大阪大学大学院文学研究科平成23年度学位論文 [査読有り]

MISC

書籍等出版物

  • 〈役割語〉小辞典
    金水 敏 (担当:分担執筆範囲:)研究社 2014年09月

講演・口頭発表等

  • コア・モデル比較からみる名詞句に生じる換喩《metonymy》の基礎づけ  [招待講演]
    大田垣 仁
    京都言語学コロキアム(KLC) 2024年12月 口頭発表(招待・特別)
  • コロナ禍からのDX —日本語教員養成とICT—  [招待講演]
    大田垣 仁
    第22回 日本語教師教育者ネットワーク会合 2023年09月
  • ワークショップ0 水のメタファーについて多角的な観点からとらえる
    発表]鍋島弘治朗; 大堀壽夫; 塾大; 近藤泰弘; 多門靖容; 企画; 司会; 大田垣仁
    日本語学会2022年度秋季大会 2022年10月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • オンライン授業として展開する日本語学  [招待講演]
    大田垣 仁
    日本語文法学会 2020年12月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • 換喩と種差属性の関係について  [通常講演]
    大田垣 仁
    日本語用論学会メタファー研究会 2017年06月 口頭発表(一般)
  • 換喩と隠喩における属性のふるまいの相違について  [通常講演]
    大田垣 仁
    バリエーションの中での日本語史 2016年05月 口頭発表(一般)
  • 換喩におけるカテゴリーの境界と意味変化について  [通常講演]
    大田垣 仁
    第105回国語語彙史研究会 2013年12月 口頭発表(一般)
  • 名詞述語文における換喩の叙述的用法について—換喩と換喩もどきとの比較から—  [通常講演]
    大田垣 仁
    日本語文法が学会第13回大会 2012年10月 口頭発表(一般)
  • 換喩と個体性 ―トリガーとターゲットの存否からみた役割転移の二つのタイプ―  [通常講演]
    大田垣 仁
    日本語学会2011年度春季大会 2011年05月 口頭発表(一般)
  • 換喩と述定 ― 内の換喩における流動的な名詞句解釈のヴァリエーションと成立可否の観点からみた ―  [通常講演]
    大田垣 仁
    大阪大学国語国文学会 2010年01月 口頭発表(一般)
  • 換喩における指示と非指示—役割転移型の指示的換喩と非指示的換喩の境界からみた―  [通常講演]
    大田垣 仁
    日本語学会 2009年10月 口頭発表(一般)
  • 複合的換喩表現を用いた指示的換喩の下位区分の曖昧性排除について―役割転移型の指示的換喩を中心に―  [通常講演]
    大田垣 仁; 清田朗裕
    日本語文法学会 2009年10月 口頭発表(一般)
  • 複合的換喩表現をもちいた、名前転送・役割転移の区別の曖昧性排除について  [通常講演]
    大田垣 仁
    土曜ことばの会 2009年07月 口頭発表(一般)
  • 換喩と意味変化 ―名前転送における語彙化のパターン―  [通常講演]
    大田垣 仁
    日本語学会 2008年11月 口頭発表(一般)
  • 名詞の関数的な側面からみた指示的換喩の2つのタイプ―名前転送と役割転移―  [通常講演]
    大田垣 仁
    関西言語学会 2008年06月 口頭発表(一般)
  • 名詞句に生じる換喩の2つのタイプと中古日本語  [通常講演]
    大田垣 仁
    言語文化レトリック研究会 2007年11月 口頭発表(一般)
  • 日本語における照応現象とメトニミー  [通常講演]
    大田垣 仁
    言語文化レトリック研究会 2005年07月 口頭発表(一般)

所属学協会

  • 日本語用論学会メタファー研究会   関西言語学会   日本語文法学会   日本語学会   

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:若手研究
    研究期間 : 2019年04月 -2024年03月 
    代表者 : 大田垣 仁
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2011年04月 -2015年03月 
    代表者 : 金水 敏; 本浜 秀彦; 山木戸 浩子; 岡﨑 友子; 菅 さやか; 松井 智子; 定延 利之; 鄭 惠先; 勅使河原 三保子; 岡﨑 友子; 山口 治彦; 西田 隆政; 吉村 和真; 岩田 美穂; 藤本 真理子; 大田 垣仁; 菅 さやか
     
    「役割語」とは、主にフィクションにおける、登場人物の人物像の社会的類型とステレオタイプ的に結びついた、その人物の話し方のパターン(語彙、語法、定型表現、音調、抑揚・テンポ等)のことを指し示す概念である。 本研究では、この役割語について、(1)理論、(2)対照研究と国際的情報交換、(3)日本語を中心とする語彙論的研究、(4)個々の類型の歴史的研究、(5)応用的研究・その他といった観点から総合的に研究を進めていくことをめざし、相応の成果を得た。

メディア報道

  • 「パンの耳」はどうして「耳」とよぶのか
    報道 : 2024年07月
    執筆者 : 本人
    発行元・放送局 : 北海道テレビ
    番組・新聞雑誌 : イチオシ!!
     テレビ・ラジオ番組
  • 『食パンのふちを パンの耳 って言うのはナゼ?』
    報道 : 2022年10月06日
    執筆者 : 本人
    発行元・放送局 : 読売テレビ
    番組・新聞雑誌 : 朝生ワイド すまたん
    https://youtu.be/GuPWGaNTjsU テレビ・ラジオ番組
  • ぷりぷり?すたこらさっさ?日本推しラトビア人と近大留学生が悶絶する日本語オノマトペ
    報道 : 2022年06月
    発行元・放送局 : 近畿大学
    番組・新聞雑誌 : Kindai Picks
    https://kindaipicks.com/article/002485 インターネットメディア
  • 『26回のホら話』最終回ゲスト出演
    報道 : 2021年03月
    発行元・放送局 : KBS京都放送局
    番組・新聞雑誌 : 26回のホら話
     テレビ・ラジオ番組
  • 『たとえるバラエティ クイズ!鼻からスイカ』
    報道 : 2020年07月
    発行元・放送局 : 読売テレビ
     テレビ・ラジオ番組
  • 朝日新聞 「ことばの広場」生活の中の慣用句について
    報道 : 2018年11月28日
    発行元・放送局 : 朝日新聞社
    番組・新聞雑誌 : 朝日新聞
     新聞・雑誌

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