森川 敏生(モリカワ トシオ)

薬学総合研究所教授/所長

Last Updated :2025/12/09

■教員コメント

コメント

世界各地の伝統医学に用いられる天然薬物のうち、食材としても用いられる“薬用食品”素材から、メタボリックシンドロームや生活習慣病の予防や初期症状の改善に資する化合物を探索しています。

報道関連出演・掲載一覧

<報道関連出演・掲載一覧> ●2023/12/23  日経CNBC「ものづくりの挑人たち」  オリザ油化株式会社との共同研究で明らかになったヒト型セラミドについて

■研究者基本情報

学位

  • 博士(薬学)(2002年09月 京都薬科大学)

研究キーワード

  • 生薬学   天然物化学   食品薬学   ケミカルバイオロジー   

現在の研究分野(キーワード)

世界各地の伝統医学に用いられる天然薬物のうち、食材としても用いられる“薬用食品”素材から、メタボリックシンドロームや生活習慣病の予防や初期症状の改善に資する化合物を探索しています。

研究分野

  • ライフサイエンス / 環境、天然医薬資源学
  • ライフサイエンス / 薬系化学、創薬科学

■経歴

経歴

  • 2024年04月 - 現在  近畿大学大学院実学社会起業イノベーション学位プログラム教授
  • 2023年04月 - 現在  近畿大学アンチエイジングセンターセンター長
  • 2022年04月 - 現在  神戸常盤大学非常勤講師
  • 2020年04月 - 現在  大阪大学薬学部非常勤講師,委託講師
  • 2015年04月 - 現在  近畿大学大学院薬学研究科教授
  • 2015年04月 - 現在  近畿大学薬学総合研究所教授
  • 2021年04月 - 2023年03月  近畿大学アンチエイジングセンター副センター長
  • 2007年06月 - 2021年03月  近畿大学アンチエイジングセンター所員
  • 2011年04月 - 2015年03月  近畿大学大学院薬学研究科准教授
  • 2010年04月 - 2015年03月  近畿大学薬学総合研究所准教授
  • 2005年04月 - 2010年03月  近畿大学薬学総合研究所講師
  • 2001年04月 - 2005年03月  京都薬科大学助手

委員歴

  • 2025年10月 - 現在   香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会   幹事(本部事務局)
  • 2025年02月 - 現在   日本薬学会   代議員
  • 2025年01月 - 現在   日本食品化学学会   評議員
  • 2024年11月 - 現在   日本ヘアケア天然素材研究協会   理事(学術担当理事)
  • 2024年04月 - 現在   日本薬学会 生薬天然物部会   常任世話人
  • 2023年07月 - 現在   日本薬系学会連合   総務委員会 委員
  • 2023年06月 - 現在   日本抗加齢医学会   評議員
  • 2023年04月 - 現在   天然香気研究会   役員(監事)
  • 2022年10月 - 現在   Frontiers in Chemistry 誌,Associate Editor
  • 2022年04月 - 現在   Journal of Natural Medicines 誌,Associate Editor
  • 2022年04月 - 現在   日本生薬学会   学会誌編集副委員長
  • 2021年09月 - 現在   Acupuncture and Herbal Medicine 誌,Editorial Board Member
  • 2019年07月 - 現在   Molecules 誌,Editorial Board Member
  • 2019年01月 - 現在   生薬品質集談会
  • 2017年09月 - 現在   日本生薬学会   代議員
  • 2016年01月 - 現在   日本食品化学学会   編集委員
  • 2015年07月 - 現在   和漢医薬学会   代議員
  • 2014年04月 - 現在   京都漢方研究会   理事
  • 2014年04月 - 現在   Journal of Natural Medicines 誌,Editor
  • 2014年04月 - 現在   日本生薬学会   学会誌編集委員
  • 2020年08月 - 2024年08月   Traditional & Kampo Medicine 誌,Editor-in-Chief (Basic Research)
  • 2020年08月 - 2024年08月   和漢医薬学会,理事(編集担当)
  • 2017年08月 - 2024年08月   Traditional & Kampo Medicine 誌,Associate Editor (Basic Research)
  • 2023年05月 - 2024年06月   [Topics] Topic Editor “Purification of Plant Extracts”
  • 2021年08月 - 2022年12月   International Journal of Molecular Sciences 誌 Guest Editor (Special Issue "Chemopreventive Activities of Phytochemicals 2022")
  • 2020年04月 - 2022年03月   日本生薬学会   庶務理事
  • 2020年07月 - 2021年05月   International Journal of Molecular Sciences 誌 Guest Editor (Special Issue "Bioactive Plant Secondary Metabolites")
  • 2019年09月 - 2020年12月   Molecules誌 Guest Editor (Special Issue "Bio-functional Natural Products in Edible Resources for Human Health and Beauty")
  • 2017年01月 - 2020年12月   日本食品化学学会   評議員
  • 2018年08月 - 2020年01月   International Journal of Molecular Sciences 誌 Guest Editor (Special Issue "Chemopreventive Activities of Phytochemicals")
  • 2019年07月 - 2019年12月   Frontiers in Chemistry 誌 Guest Editor (Research Topic) "Discovery and Total Synthesis of Bio-functional Natural Products from Traditional Medicinal Plants"
  • 2017年05月 - 2018年03月   International Journal of Molecular Sciences 誌 Guest Editor (Special Issue "The Molecular Aspect of Natural Secondary Metabolite Products in Health and Disease")
  • 2016年07月 - 2017年04月   International Journal of Molecular Sciences 誌 Guest Editor (Special Issue "Biological Activity of Natural Secondary Metabolite Products")
  • 2014年04月 - 2017年03月   日本薬学会   学術誌編集委員
  • 2014年07月 - 2015年06月   和漢医薬学会   評議員
  • 2009年04月 - 2010年03月   日本薬学会   健康豆知識編集小委員
  • 2005年04月 - 2007年03月   日本薬学会   ファルマシアトピックス専門小委員

■研究活動情報

受賞

  • 2025年09月 日本生薬学会 令和7年度 日本生薬学会論文賞
     
    受賞者: 森川敏生
  • 2025年04月 Springer Nature Journal of Natural Medicines Award 2024
     
    受賞者: Takafumi Saeki;Saya Yamamoto;Junji Akaki;Takahiro Tanaka;Misaki Nakasone;Hidemasa Ikeda;Wei Wang;Makoto Inoue;Yoshiaki Manse;Kiyofumi Ninomiya;Toshio Morikawa
  • 2022年03月 日本薬学会 日本薬学会学術振興賞
     
    受賞者: 森川 敏生
  • 2018年09月 日本生薬学会 日本生薬学会学術貢献賞
     
    受賞者: 森川 敏生
  • 2016年09月 日本生薬学会 平成28年度 日本生薬学会論文賞
     
    受賞者: 森川 敏生
  • 2015年04月 Springer Journal of Natural Medicines Award 2015
     
    受賞者: Toshio Morikawa;Kiyofumi Ninomiya;Junji Akaki;Namiko Kakihara;Hiroyuki Kuramoto;Yurie Matsumoto;Takao Hayakawa;Osamu Muraoka;Li-Bo Wang;Li-Jun Wu;Seikou Nakamura;Masayuki Yoshikawa;Hisashi Matsuda
  • 2013年10月 Best Poster Award in 9th AFMC International Medicinal Chemistry Symposium (AIMECS13)
     
    受賞者: 森川 敏生
  • 2011年11月 Young Investigator Award in 2011 International Conference on Food Factors (ICoFF2011)
     
    受賞者: 森川 敏生
  • 2008年 日本薬学会近畿支部 日本薬学会近畿支部奨励賞
     JPN 
    受賞者: 森川 敏生
  • 2005年 日本生薬学会 日本生薬学会学術奨励賞
     JPN 
    受賞者: 森川 敏生
  • 2002年 和漢医薬学会 第19回和漢医薬学会大会若手研究者奨励賞
     
    受賞者: 森川 敏生
  • 2001年 天然有機化合物討論会奨励賞
     JPN 
    受賞者: 森川 敏生

論文

MISC

書籍等出版物

講演・口頭発表等

所属学協会

  • 日本ヘアケア天然素材研究協会   大阪国際サイエンスクラブ(学識会員)   天然香気研究会   日本抗加齢医学会   セラミド研究会   日本杜仲研究会   日本香粧品学会   日本女性医学学会   アメリカ化学会   日本ハーブ療法研究会   日本食品化学学会   日本薬史学会   京都漢方研究会   日本油化学会   日本栄養・食糧学会   日本農芸化学会   和漢医薬学会   有機合成化学協会   日本生薬学会   日本薬学会   

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2022年04月 -2025年03月 
    代表者 : 森川 敏生; 萬瀬貴昭
     
    加齢に伴い蓄積しやすくなる内臓脂肪の過剰な蓄積を,健康と病気の間を連続的に変化する “未病” 状態のマーカーとして捉え,世界各地の伝統・伝承医薬学において供される天然医薬品,とりわけ,我が国の独自性の高い植物製剤である漢方製剤およびその構成生薬のなかから,内臓脂肪の低減に資する活性天然物を探索することを目的とする.すなわち,高脂肪食飼育した加齢動物モデルを用いた in vivo 評価試験での内臓脂肪蓄積量の低減作用(表現型)を示す天然資源から,その表現型を反映する肝細胞を用いた独自の in vitro 試験を指標に活性寄与成分の探索とその活性発現の必須構造,作用機序などの科学的評価をすすめる.見いだした活性天然物をもとに,セルフメディケーションやセルフプリベンションの実践に供される新たな植物性医薬品あるいは機能性食品の提案・開発へと繋げ,もって,限りある医療資源の効率的運用と持続可能な社会保障制度の維持に寄与したい. 事業初年度である令和4年度は,茶飲料素材であるマテ (Ilex paraguariensis A. St.-Hil.)葉部から,中性脂肪吸収抑制作用を示すサポニン成分を見いだすとともに,南米生薬アンディローバ (Carapa guianensis) 由来のリモノイド成分に幹細胞における脂質代謝改善作用が認められ,その作用機序のひとつとしてオートファジーの関与を示唆する成果などが得られた.
  • 杜仲葉の食材利用向上をめざしたアレンジレシピ・ドリンクの開発
    日本杜仲研究会:第17回 研究助成
    研究期間 : 2022年10月 -2024年03月 
    代表者 : 森川敏生; 白木琢磨
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2018年04月 -2022年03月 
    代表者 : 森川 敏生; 二宮 清文
     
    伝統・伝承医薬学において薬用に供される天然資源のなかで,食用資源としても利用される素材から,糖および脂質代謝改善効果を有する機能性成分を探索する.すなわち,内臓脂肪蓄積を成因基盤とする糖尿病あるいは脂質異常症の予防およびそれらの初期症状の緩和に効果のある食用資源を探索し,その活性寄与成分を明らかにするなどの科学的評価を実施,エビデンスに基づいた新たな機能性食品あるいは植物性医薬品の候補素材の提案・開発を実践する.加えて,見いだした活性寄与成分をテンプレート(医薬シーズ)として,その全合成および類縁体合成・評価を実施し,新たな医薬候補物質の創製をめざす.すなわち本研究は,『薬』・『食』両面からのアプローチによる国民の健康寿命の延伸に資する食用資源の科学的評価を実施することを目的とする. このような背景のもと,事業初年度である平成30年度は,食後過血糖に対する血糖上昇抑制効果を有するアールユヴェーダ生薬のサラシア (Salacia chinensis) に関する新たな品質評価法を確立した.すなわち,サラシアの機能性表示食品としての機能性関与成分である salacinol のサロゲート体を用いた定量分析および,高含有するポリフェノース成分である mangiferin などのポリフェノール成分の LC-MS 定量分析を確立した.加えて,タイ天然薬物の Melodorum fruticosum および ブラジル生薬の Carapa guianensis など,世界各地の伝統・伝承薬物に含まれる新規化合物の構造を解析した.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月 
    代表者 : 森川 敏生; 二宮 清文
     
    世界各地の伝承・伝統薬物資源から潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患の治療に有用な医薬シーズを探索することを目的とする.すなわち,炎症性腸疾患の活動期において観察されるTNF-αの過剰産生により惹起される各種臓器障害や炎症反応などの種々の生体内イベントを軽減あるいは調節できる天然由来低分子化合物を探索するとともに,その活性発現の必須構造や構造活性相関を明らかにする.加えて,その病変部に顕著な増加が認められているマクロファージや好中球などのiNOS陽性細胞の活性化抑制作用およびその作用機序解明研究を実施し,もって新たな難治性炎症性疾患治療薬シーズを発見,提案することを目的とする.
  • メタボリックシンドローム予防および改善効果を指標としたタイ天然薬物からの新規機能性食品素材の探索
    公益財団法人 小林国際奨学財団:第3回(平成26年度)研究助成
    研究期間 : 2015年07月 -2017年06月 
    代表者 : 森川 敏生
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2012年04月 -2015年03月 
    代表者 : 森川 敏生; 二宮 清文
     
    熱帯から亜熱帯に位置し,薬用資源の世界的に豊富なタイ地域の薬用植物資源のうち,タイ伝統医薬学に用いられ,かつ,食経験があるなど安全性が確立している素材について厳選し,メタボリックシンドロームに対する予防効果を有する新規医薬シーズの探索研究を実施した.その結果,i. 小腸からの糖および中性脂質吸収抑制作用,ii. ラットおよびヒト小腸由来 α-グルコシダーゼ阻害作用,iii. リポ多糖刺激によるマクロファージ活性化抑制作用,およびiv. ヒト肝がん由来HepG2細胞を用いた中性脂質代謝促進作用を有するタイ天然薬物を見いだすともに,その活性寄与成分および構造活性相関に関する知見を得た.
  • サラシノールをシードとする新規糖尿病薬の開発研究
    一般財団法人 鷹野学術振興財団:平成25年度研究奨励
    研究期間 : 2014年01月 -2014年12月 
    代表者 : 森川 敏生
  • 香辛料由来成分をシーズとする生活習慣病予防・改善物質の開拓
    財団法人 武田科学振興財団:薬学系研究奨励
    研究期間 : 2009年04月 -2011年03月 
    代表者 : 森川 敏生
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2010年 -2011年 
    代表者 : 森川 敏生
     
    炎症性サイトカインとして知られているTNF-αの感受性を低減することにより, TNF-αの過剰産生により惹起される各種臓器障害や炎症反応などの種々の生体内イベントを軽減あるいは調節できる天然由来低分子化合物を探索することを目的とし,各種薬用資源素材抽出エキスについてTNF-α高感受性株であるL929細胞を用いたTNF-α誘発細胞障害抑制活性試験を実施した.その結果,数種のタイ天然薬物(Piper chaba果実, Sapindusrarak果皮, Kaempferia parviflora根茎, Shorea roxburghii樹皮, Mammea siamansis花部)やカンカニクジュヨウ(Cistanche tubulosa肉質茎)などから種々の活性寄与成分を明らかにするとともに, GalN/LPS誘発肝障害モデルマウスを用いたin vivo肝保護作用試験を検討するとともに,それらの活性発現の必須構造,構造活性相関および作用メカニズム解析を実施した.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2008年 -2009年 
    代表者 : 森川 敏生
     
    伝統・伝承薬物として薬用に供される一方で,食材としてあるいは料理の香味付けやスパイスなどの食用としても用いられる薬用食品素材について,脂肪蓄積抑制作用および脂肪代謝促進作用成分の探索を実施することを目的とする.その結果,キク科植物の西洋ハーブであるデイジーフラワーやタイ産ムクロジから中性脂質吸収抑制サポニンおよびベンケイソウ科植物である垂盆草からHepG2細胞を用いた脂肪蓄積抑制作用メガスチグマン化合物などを見い出した.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2006年 -2007年 
    代表者 : 森川 敏生
     
    今や国民病ともいわれる花粉症は代表的なアレルギー性疾患で,現在では日本人の20〜30%が罹患していると推定される.また,食事や飲酒などの食生活が疾病の発症・進展に関与する胃潰瘍や肝炎などの疾患も急増しており,これらの予防や初期段階の改善に様々なサプリメントや機能性食品が開発されている.しかしながら,これらのなかには科学的根拠が乏しいものがあるのも事実で,これらによる健康被害が社会問題となっている.その為,サプリメントや機能性食品素材についての物質科学的根拠(マテリアルサイエンス)に基づいた機能解明が急務であり,またそれらの活性成分を見い出だすことで,新たな医薬シーズを提案することが可能となる.本研究は,香辛料として食用にも利用される薬用食品からアレルギーやアルコール摂取による各種臓器障害に予防的あるいはその初期段階の改善に有用な機能性食品素材の提案をおこなうとともに,生物活性を指標に分離・精製し,NMRをはじめとした各種スペクトルの解析から活性成分および新規化合物の構造解析を実施する.今年度は,昨年度に実施した予備的検討により選抜した数種の薬用食品素材(1.漢薬"補骨脂",2.碾茶,3.エジプト天然薬物コロシント)の抗アレルギー作用成分および(4.椿花)のアルコール誘発胃粘膜保護作用成分を探索し,種々の新規活性成分を単離・構造決定した.中国やエジプト地域の天然素材のほか,日本人に馴染み深い茶(碾茶)や椿(花部)などの薬用食品素材に抗アレルギーおよび胃保護作用を有することを見いだすとともに,その活性成分を明らかにするなどの成果が得られたことから,今年度の当初計画は充分に達成できたと考える.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2004年 -2005年 
    代表者 : 森川 敏生
     
    本研究課題において昨年度までに,マウス腹腔マクロファージを用いたリポ多糖刺激によるNO産生抑制活性を一次スクリーニングとし,アーユル・ヴェーダやユナニー医学において炎症性疾患の治療に用いられている没薬から,myrrhanol Aをはじめ数種の含有テルペノイド成分にNO産生抑制活性が認められた.また,これら候補化合物のiNOSに及ぼす影響を検討したところ,myrrhanol Aは,iNOSに対する酵素阻害活性は殆ど認められず,iNOSの発現を抑制することが判明した.同様にエジプト地域に自生するヒガンバナ科植物のCrinum yemenseの球根部から3種の新規ヒガンバナアルカロイドyemenin A-Cを単離・構造決定するとともに,yemenin Aをはじめ数種の含有アルカロイド成分がiNOS発現抑制活性に起因するNO産生抑制活性を有することを見いだすなど,新しいタイプの天然由来化合物(低分子リガンド)にα-methylene-γ-butyrolactone構造を有するセスキテルペノイド類であるconstunolideやdehydrocostus lactoneなどと共通する作用メカニズムを見いだした.今年度はこれまでに得られた結果をふまえ,タイ料理のトムヤンクンなどに香辛料として用いられるAlpinia galangaから得られたフェニルプロパノイド成分の1'S-1'-acetoxychavicol acetateを低分子リガンドとして,NOの過剰産生に至るシグナル伝達機構に関与するタンパクあるいは遺伝子の発現に及ぼす影響を解明した.また,日本民間薬のヒュウガトウキからクマリン類やアセチレン化合物を,さらには漢薬良姜からジアリルヘプタノド類を新たなタイプの低分子リガンドとして見いだすなど,今年度の当初計画をほぼ達成した.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2002年 -2003年 
    代表者 : 森川 敏生
     
    平成14年度に引き続き,癌転移に対し促進的に作用する過剰な活性酸素種や活性窒素種などの酸化ストレスの消去系亢進の指標として,NO産生抑制活性を一次スクリーニングとして実施したところ,新たに漢薬"小紅参"(Rubia yunnanensis,根部)およびエジプト産天然薬物Anastatica hierochuntica(全草)の抽出エキスに活性が認められたことから,活性を指標に分離,精製し,有効成分を探索した.その結果,小紅参から新規化合物としてarborinane型トリテルペンrubianol-a-g, arborinane型トリテルペン配糖体rubianoside I-IVおよびアントラキノンrubianthraquihoneを単離,構造決定するとともに,含有環状ペプチド配糖体RA-XII (IC_<50>=0.85μM)およびそのアグリコン部であるdeoxybouvadin (IC_<50>=0.015μM)に顕著なNO産生抑制活性を見出し,その活性強度はチロシンキナーゼ阻害剤であるherbimycin A (IC_<50>=0.094μM)よりも強い活性であった.また,RA-XIIおよびdcoxybouvadinの作用点のひとつにiNOSの誘導を抑制することを明らかにし,これら環状ペプチド類が本課題の候補化合物として有望であることが示唆するなどの結果を得た.次いで,我々が保有するflavonoid化合物ライブラリー73種のNO産生抑制活性スクリーニングを実施し,活性発現の必須構造や構造活性相関を明らかにするとともに,漢薬"木香"の含有セスキテルペン成分やそのアミノ酸付加体に,NF-κBの活性化や熱ショック蛋白(HSP-72)の発現抑制作用を認めるなど,NO産生抑制作用メカニズムに関する知見を得た. 上記の手法を用いピックアップした候補素材のうち,日本薬局方生薬の"川骨"(Nuphar pumilum,根茎)MeOH抽出エキスおよび含有成分について,B16メラノーマ4A5細胞を用いたコラーゲンコートメンブランにおける癌細胞浸潤抑制活性(in vitro)およびマウスを用いた癌細胞転移抑制作用(in vivo)試験を実施した.その結果,エキスのアルカロイド分画および含有成分である含硫黄セスキテルペンアルカロイド2量体6-hydroxythiobinupharidineに顕著な癌転移抑制作用を見出し新たな医薬シーズの探索に成功するなど,平成15年度の当初計画をほぼ達成した.

産業財産権

その他のリンク