前川 修(マエカワ オサム)

文芸学部 文化デザイン学科教授/学部長補佐

Last Updated :2024/11/22

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報道関連出演・掲載一覧

<報道関連出演・掲載一覧> ●2022/5/19  NHKBSプレミアム「ダークサイドミステリー」  世に出た心霊写真の例を見ながら、人を恐怖にかりたてる要因について解説

■研究者基本情報

学位

  • 修士(文学)(京都大学)
  • 博士(文学)(京都大学)

研究キーワード

  • メディアアート   スペースアート   バイオアート   視覚文化論   映画研究   写真史写真論   美学芸術学   

現在の研究分野(キーワード)

写真について

研究分野

  • 人文・社会 / 美術史
  • 人文・社会 / 美学、芸術論

■経歴

経歴

  • 2020年04月 - 現在  近畿大学文芸学部教授
  • 2014年04月 - 2020年03月  神戸大学人文学研究科教授
  • 2008年04月 - 2014年03月  神戸大学人文学研究科准教授
  • 2002年04月 - 2008年03月  神戸大学文化学研究科助教授
  • 2001年10月 - 2002年03月  神戸大学文学部助教授
  • 2000年04月 - 2001年09月  大阪学院短期大学国際文化学科助教授
  • 1997年04月 - 2000年03月  大阪学院短期大学国際文化学科講師

学歴

  • 1992年04月 - 1996年03月   京都大学   文学研究科博士後期課程 美学美術史学専攻
  • 1990年04月 - 1992年03月   京都大学   文学研究科博士前期課程 美学美術史学専攻
  • 1986年04月 - 1990年03月   京都大学   文学部   美学美術史学専攻

委員歴

  • 2022年10月 - 現在   美学会   西部会委員
  • 2019年10月 - 2022年09月   美学会   西部会代表
  • 2022年04月   日本記号学会   理事
  • 2016年05月 - 2022年03月   日本記号学会   会長
  • 2010年10月 - 2019年09月   美学会   編集委員

■研究活動情報

論文

MISC

書籍等出版物

  • 写真1 写真概論 (はじめて学ぶ芸術の教科書)
    (担当:共著範囲:第5章 物としての写真ーヴァナキュラー写真論ー(87-100頁))京都芸術大学 東北芸術工科大学 出版局 藝術学舎 2021年02月
  • 門林, 岳史; 増田, 展大 (担当:共著範囲:ヴァナキュラー・メディア(211-217頁))フィルムアート社 2021年02月 ISBN: 9784845920068 287, viiip
  • 美學會 (担当:編者(編著者)範囲:「第6章 写真・映像」(487-542頁)編集、「ヴァナキュラー写真」(514-515頁)、「デジタル写真」(516-519頁))丸善出版 2020年12月 ISBN: 9784621305423 xxvii, 735p
  • 前川, 修 (担当:単著範囲:)東京大学出版会 2020年04月 ISBN: 9784130101455 v, 268, ivp
  • イメージを逆撫でする 写真論講義 理論篇
    前川 修 (担当:単著範囲:)東京大学出版会 2019年08月
  • インスタグラムと現代視覚文化論
    前川 修 (担当:共著範囲:pp.52-67)BNN出版 2018年06月
  • 映像文化の社会学
    前川 修 (担当:共著範囲:pp.233-248)有斐閣 2016年10月
  • 西洋近代の都市と芸術 4 総合芸術に宿る夢
    前川 修 (担当:共著範囲:pp.327-348)2016年03月
  • 芸術理論古典文献アンソロジー
    前川 修 (担当:共著範囲:pp.271-277,pp.293-299)京都造形芸術大学、東北芸術工科大学出版局 2014年06月
  • 写真のアルケオロジー
    前川 修 (担当:共訳範囲:pp.12-43, pp.265-319, pp.320-335)青弓社 2010年09月
  • 写真、その語りにくさを超えて(新記号論叢書 セミオトポス5)
    前川 修 (担当:共著範囲:p.92-109)慶應義塾大学出版会 2008年05月
  • 霊はどこにいるのか
    前川 修 (担当:共著範囲:p.74-91)青弓社 2007年12月
  • 心霊写真は語る
    前川 修 (担当:共著範囲:)青弓社 2004年05月
  • 痕跡の光学
    前川 修 (担当:単著範囲:)晃洋書房 2004年02月
  • 美学のキーワード
    前川 修 (担当:共訳範囲:)勁草書房 2001年07月
  • 写真のキーワード
    前川 修 (担当:共訳範囲:)昭和堂 2001年05月
  • ヴィジュアル・カルチャー入門
    前川 修 (担当:共訳範囲:pp.33-53,pp.54-69,pp.139-157)晃洋書房 2001年05月
  • 初期観念論とロマン主義
    前川 修 (担当:共訳範囲:pp.36-59)昭和堂 1994年02月

講演・口頭発表等

  • 身体になったカメラー「自撮り」映像論ー
    前川修
    日本映像学会関西支部第97回研究会 2023年07月 口頭発表(一般)
  • デジタル写真の現在  [通常講演]
    前川 修
    美学会西部会第305回例会研究発表会 2015年09月 口頭発表(一般)
  • 写真とタイムマシン  [通常講演]
    前川 修
    第63回美学会全国大会 2012年10月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • Horror and the Vernacular  [通常講演]
    前川 修
    "Manga Worlds" :Subculture, Japan, Japanology 2012年06月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • メディア/芸術としての写真? Photography as Media/Art  [招待講演]
    前川 修
    世界メディア芸術コンベンション「『メディア芸術』の地域性と普遍性―"クールジャパン"を越えて」 2011年02月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • メディア論の憑依  [通常講演]
    前川 修
    第60回美学会全国大会、「メディア論と美学」パネル 2009年10月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • ベンヤミン、写真、フィクショナリティ  [通常講演]
    前川 修
    日本記号学会28回大会 2008年05月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • 写真論の現在――語りにくさと騙りにくさ  [通常講演]
    前川 修
    日本記号学会第27回大会「Unveiling Photograph -立ち現われる写真」ラウンドテーブル「写真研究のトポグラフィ-写真の語り難さについて-」 2007年05月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • 写真史/写真論の展開  [通常講演]
    前川 修
    芸術学関連学会連合第1回シンポジウム「藝術の変貌/藝術学の展開」 2006年06月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • 写真のもちにくさ――写真と所有  [通常講演]
    前川 修
    美学会西部会第252回例会 美学会西部会シンポジウム「芸術を巡る「所有」と「欲望」」 2005年03月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • ベンヤミンと「視覚的無意識」について  [通常講演]
    前川 修
    第49回美学会全国大会 1998年10月 口頭発表(一般)
  • W・ベンヤミンの触覚概念から出発して  [通常講演]
    前川 修
    美学会西部会第207回研究発表会 1996年02月 口頭発表(一般)
  • W・ベンヤミンの弁証法的イメージについて  [通常講演]
    前川 修
    第44回美学会全国大会 1993年10月 口頭発表(一般)

担当経験のある科目_授業

  • 表象文化論
  • プロジェクト演習D
  • 感性学特論Ⅰ
  • ゼミナールⅣ
  • ゼミナールⅢ
  • ゼミナールⅡ
  • ゼミナールⅠ
  • 感性学概論近畿大学
  • 感性文化論近畿大学

所属学協会

  • 表象文化論学会   映像学会   美学会   日本記号学会   

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2023年04月 -2026年03月 
    代表者 : 前川 修; 岩崎 秀雄; 水野 勝仁; 大橋 完太郎; 加須屋 誠; 松谷 容作; 岩城 覚久; 増田 展大; 細馬 宏通
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 長谷 正人; 菊池 哲彦; 前川 修; 加藤 裕治; 川崎 佳哉; 松谷 容作; 大久保 遼; 増田 展大; 角田 隆一
     
    本年度は初年度であったため、「自撮り文化」について今後研究していくときの枠組みを参加メンバー全員で共有するために、①メディア研究をめぐる基礎的な文献の書評会と②自撮り文化に関するこれまでの優れた研究者をゲストに迎えての報告と議論、を行って、来年度以降の個々人の研究を進めていくための準備的作業を行った。 【第1回】4月24日加藤裕治:『コンヴァージェンス・カルチャー』(ヘンリー・ジェンキンズ)前半書評会 【第2回】6月12日加藤裕治:『コンヴァージェンス・カルチャー』(ヘンリー・ジェンキンズ)後半書評会 【第3回】7月31日長谷正人:『テレビジョン』(レイモンド・ウィリアムズ)書評会 【第4回】10月23日溝尻真也報告「アトラクションとしてのビデオとそのイメージ」【第5回】3月5日久保友香報告「「自撮り」技術と若年女性の「盛り」コミュニケーション」 上記のような日程で、全員が参加した研究会を行い、充実した議論が取り交わされた。第1回から第3回までの2冊の書評会では、メディア技術の社会のなかの位置付けについて歴史的にどういう議論が展開されてきたかが確認された。また第4回には、70年代ラブホテルにおいて性行為を自分たちでビデオカメラで撮影するという「自撮り」文化があったことが報告され、第5回には若い女性たちの自撮り文化のなかにおける作者と被写体の二重性について報告され議論が行われた。 以上から、メディア文化が一方で作者の「エクスプレッション」(表現)でありながら他方で「コミュニケーション」ツールでもあるという二重性をどう捉えるかが今後の課題であることが確認された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 前川 修; 岩崎 秀雄; 水野 勝仁; 大橋 完太郎; 加須屋 誠; 松谷 容作; 岩城 覚久; 増田 展大
     
    今年度はデス・アートの理論研究・事例研究に強調点を置いて活動を行なった。研究会を3回(5/10、9/05、3/22)開催し、以下の課題について各チームが検討した。第一にライフ/デス班がデス概念の哲学的言説を整理し(大橋)、デス・アート班は近代脱近代のデス・アートの系譜を整理(前川・加須屋)、双方のチーム間で討議を行い、ライフ・アート班との議論へと拡張した(岩崎・増田)。第二に、アート/テクノロジー班は生政治をめぐる作品を制作する作家にインタヴューし(水野・松谷)、ライフ/デス班がこれを受けて生政治概念とライフ概念の拡張について討議を行った(岩城・大橋)。以下3回の内容である。 ・第1回研究会:増田展大「ポストヒューマンから動物へ──その生と死」/松谷容作「《土をつくる》におけるライフ/デス」 ・第2回研究会:水野勝仁「インターネットアートを通して,何か新しいものに再接続する試み」/大橋完太郎「死と喪、およびそれをめぐる文化と表象についての現代思想・哲学」 ・第3回研究会:加須屋誠「仏教的宇宙観と身心観-構造とその崩壊-」/前川修「没後写真論―カタリーナ・ズュコラ『写真の複数の死』を読む1―」
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2018年04月 -2021年03月 
    代表者 : 長谷 正人; 菊池 哲彦; 前川 修; 加藤 裕治; 川崎 佳哉; 松谷 容作; 大久保 遼; 増田 展大; 角田 隆一
     
    本研究の目的は、「孤独」という独自の観点からメディア文化の歴史を再考することである。従来のメディア研究では、写真、テレビ、(携帯)電話などが人々の間に「つながり」を作り出し、社会的集団を形成してきたことが重視されてきた。これに対して本研究は、メディア文化の根底的な部分に「孤独」な経験と意識が生じていたことに着目し、従来のメディア理解を転倒させることを試みた。結果として、20世紀以降の写真、映画、テレビ、電話などが、それぞれの土地や社会に固有のヴァナキュラーな文化と交錯しつつ、現在までに孤独なメディア経験を醸成してきたことを明らかにし、その成果を数々の論文や書籍によって発表することができた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2015年04月 -2020年03月 
    代表者 : 岡田 温司; 渡部 葉子; 青山 勝; 金井 直; 上村 博; 前川 修; 並木 誠士; 池田 祐子; 平芳 幸浩; 山下 俊介; 篠原 資明; 塚田 全彦; 藤本 かおり; 石谷 治寛; 加治屋 健司; 橋本 梓; 桝田 倫広; 秋庭 史典; 池野 絢子; 牧口 千夏
     
    素材やジャンル、作品形態や展示方法などにわたって、ますます多様化する現代美術をいかに収集し、保存し、必要とあれば修復していくかは、近年大きな問題となっている。本科研は、美学・美術史の専門家、修復家、美術館キュレーターを中心とした計19名の分担者と、7名の協力者、さらに4名の海外協力者からなる。期間中、このテーマに関連した海外調査、国際シンポジウム、国内シンポジウム、展覧会を実行・開催し、議論と考察を重ねてきた。これらの実績を踏まえて、2020年3月には、研究成果報告書『現代美術の保存と修復―その理念・方法・情報のネットワーク構築のために』を刊行し、関連機関に配布した。
  • アウタースペース/インナースペース/インタースペース・アートの美学
    学術研究助成基金助成金:基盤研究(B)
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 前川 修
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月 
    代表者 : 長谷 正人; 菊池 哲彦; 前川 修; 加藤 裕治; 松谷 容作; 大久保 遼; 増田 展大; 角田 隆一
     
    近年におけるデジタル・カメラやその周辺機器の出現は、人びとの間に、日常生活を自ら映像で記録し、保存し、インターネットを通して交換しあうといった、新しいメディア文化を生じさせつつある。本研究は、トム・ガニングによる最新の基礎的な映像理論の研究と社会学的な映像文化の実証的分析から、こうした映像文化と人間の関係の変化を捉えることを目的とした。そしてその関係の変化を捉えるために、人間がいかに映像を「見る」のかという従来の問題だけでなく、いかに映像を「撮る/撮られる」のかという新しい分析軸に加えた、重層的な視座からなる映像研究の可能性について考察した。
  • 学術研究助成基金助成金/基盤研究(C)
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 前川 修
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2011年04月 -2015年03月 
    代表者 : 岡田 温司; 木俣 元一; 前川 修; 秋庭 史典; 金井 直; 阿部 成樹; 喜多村 明里; 松原 知生; 石田 美紀; 篠原 資明; 門林 岳史
     
    本年度は分担者による研究報告会(名古屋大学文学部2014年12月21日)を開き,岡田(眼差しの観点から見た映画論と絵画論の比較検討),金井直(カノヴァの彫刻受容・批評における写真の役割),石田美紀(高倉健とカメラの眼差し)がそれぞれ発表を行ない,議論を重ねた.2015年3月2日と3日は,ローマ大学トル・ヴェルガータとの共同開催で『哲学と芸術における目と眼差し』という国際シンポジウムを開催し,海外研究協力者のローマ大教授ジュゼッペ・パテッラ(ラカンにおける目と眼差し),パオロ・ダンジェロ(ヘーゲル美学における彫刻の眼差し)をはじめ,京都大学の若手研究者8名がそれぞれ意欲的な発表を行った.
  • 科学研究費補助金/基盤研究(C)
    研究期間 : 2010年04月 -2012年03月 
    代表者 : 前川 修
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2008年 -2011年 
    代表者 : 金田 千秋; 加藤 哲弘; 島本 浣; 山田 俊幸; 及川 智早; 佐藤 守弘; 石田 あゆう; 岸 文和; 前川 修; 中谷 伸生; 橋爪 節也; 鈴木 廣之; 太田 孝彦; 石田 美紀
     
    本研究は、大正期に流通していた大衆的な視覚表象に関する2つの課題を、豊かな対話関係において、遂行するものである。すなわち、第1の課題は、大衆的な視覚表象が果たしていたメディア的な機能の多様性を、可能な限り広範な資料に基づいて、美術史学的に明らかにすることである。第2の課題は、「文化遺産」の概念を鍛え上げることによって、何らかの大衆的イメージが後世に継承される/るべきさいの条件・方法などを、美学的に考察することである。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2008年 -2010年 
    代表者 : 山口 和子; 西村 清和; 長野 順子; 川田 都樹子; 前川 修
     
    写真の非芸術的側面と従来みなされてきた細部の再現からなる触覚的質が、視覚をモデルとするモダンの美的ヒエラルキーと知を揺るがし、日常的なものや無意味なもの、アブジェクトなものや非焦点性を芸術の世界に組み入れ、芸術のポストモダン的状況を作り出すと共に、アパレイタスとしてのその特性は自我やリアリティーの消失に対応している。他方、芸術と写真とのこの近接は写真の非芸術的な起源への問を再び呼び起こしている。
  • 科学研究費補助金/萌芽研究
    研究期間 : 2007年04月 -2009年03月 
    代表者 : 前川 修
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2007年 -2009年 
    代表者 : 大城 直樹; 竹中 均; 関戸 明子; 島津 俊之; 遠城 明雄; 中島 弘二; 荒山 正彦; 宮田 眞治; 前川 修; 福田 珠己; 加藤 政洋; 森 正人; 茶谷 直人
     
    本研究では,「郷土」という表象が,いかにして近代の日本において受容ないしは導入され,国民の地理的想像力のなかで確固とした実在物として自明化されていったのか,さらに「郷土」表象をめぐる実践が,どのようなかたちで展開していったのか,これらの主題について検討を行った。その結果,文部省における郷土表象の近代的制度化が明らかにされ,郷土教育の実践においてどのようなカリキュラムでどのような教材が使用されていたか,また他の郷土関連のイベントや博物館等の施設の設置・普及,また民芸運動やツーリズムの展開などとどのように連関していたのか,さらには市民共同体での表象の位相など,多角的な局面から明らかにすることができた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2005年 -2006年 
    代表者 : 金田 千秋; 加藤 哲弘; 前川 修; 日高 健一郎
     
    本研究は、ユネスコの世界遺産制度の代表される20世紀の文化遺産保護制度について、その将来のあるべき姿を問う意図のもとで、あえて20世紀初頭に光を当てようとするものである。研究過程は紆余曲折をたどり、その経緯を記すことははなはだ困難であるが、最終的には次のような結論を得ることができた。 まず研究に着手した時点でアロイス・イーグルの『記念物崇拝』(1903)の重要性は既知であったが、彼の記憶価値の理論を同時代の彼への批判者ゲオルク・デヒーオの記念物理論と照合し、彼等の対立点と暗黙の一致点を慎重に析出した。だが本研究の草案になるのはむしろ、両者の理論を近年重視の度合いの高まる真正性(Authenticity)の理論として読み直したこと、さらにその内容を、1)真理性(Truth)の持つ論理構造と比較しつつ、2)真正性の本質を(再認作用)に見たうえで、再認作用の普遍的構造を(剥製・人形・標本、物まね・足跡)に関する美学的考察と結びつけたことである。 こうして、一見無関係と見える3つの学問分野が真正性の問題をツウして接続されたと考えている。すなわち、20世紀初頭の現代的記念物保護思想の動藍期の文献の仮名に、<真正性の論理学>、<真正性の美学>、<真正性の遺産額>という3つの学問分野の萌芽が発見されたものであり、私をこれ自体顕著な成果であったと自負するが、さらにこの萌芽はまさに世界遺産思想の萌芽でも在ることが確認されたことの意義も大きい。(この研究成果は「真正性の倫理」と題する論文として近々公表する予定である。) この研究の過程で、研究分担者加藤哲弘及び前川修とは数回の会合と電話などで、加藤からはリーグルの美術史家としての特性について、前川からは写真の記念物性について、それぞれ有効な助言を受け、同じく研究分担者日高健一郎からは弦細の修復の動向についての情報提供を得ることができた。
  • 科学研究費補助金/若手研究(B)
    研究期間 : 2003年04月 -2005年03月 
    代表者 : 前川 修

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