YAMAMOTO Sho; KANBE Takehiro; YOSHIDA Yuta; MAEDA Kazushige; HIRASHIMA Tsukasa
The IEICE transactions on information and systems (Japanese edition) 一般社団法人電子情報通信学会 96 (10) 2440 - 2451 1880-4535 2013/10
和若しくは差で解ける算数文章問題を対象とした単文統合型の作問学習支援システム"モンサクン"は数年に渡り複数の小学校の授業で利用されている.しかしながら,これらの授業では既に対象領域の学習を終えている2年生以上を対象としていたため,付加的な学習としての位置づけになっていた.本研究では,対象領域を学習中である1年生を対象に,単文統合型の作問の実施を目指した.このためにはシステムと授業の融合が必要となるため,(1)システムの通常教室での利用,(2)作問状況のリアルタイムでの把握,(3)作問法の教授,が解決すべき課題となった.本論文ではこれらの課題を解決するために行った,(I)モンサクンのタブレット化,(II)作問状況モニタリングと集計・可視化機能の実現,(III)作問法の教授法の考案,を述べる.またシステムを用いた9時限に渡る実践を行い,その分析結果から,システムが十分に利用可能であったこと,学習者の問題解決能力や作問能力の向上が見られたことが確認できたので,これを報告する.